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「頼む、三年間だけお前の人生を私にくれ」――昭和10年、村長である父に懇願され、24歳で故郷の無医村の医師となった志田周子。しかし女性や近代医療に対する偏見は根強く、村人からは拒絶されてしまう。雪深き冬、襲いくる戦火、そして東京にいる想い人との恋――過酷な運命にも負けず、僻地医療の先駆けとなった実在の女医を描いた、涙と感動の長編小説。映画「いしゃ先生」の原作本。
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Posted by ブクログ
僻地医療に医療を受ける側にも理解がなかった時代に、その重い扉を開けた仙境のナイチンゲール志田周子医師の感動物語でした。
女性の権利が確立していない戦前、しかも口さがない田舎…。どんなに辛い状況だったことでしょう。それでも村民を愛して生涯をかけていしゃ先生を貫く決心をした周子先生。本当にほんとうに素晴らしいと思います。
国民皆保険制度が確立される以前、山形県は出羽三山を望む無医村に生涯をかけた女医・志田周子さんの実話が基になっている。戦前・戦中・戦後という昭和の時代、そんな古い話ではない。映画の原作本。映画も是非観てみたい。
山形の無医村で奮闘する女医、志田周子。東京で医学を学んだ周子が、村長である父のたっての願いで山形に帰るところから物語は始まります。 昭和初期、まだ医療観念のない村では女医を簡単には受け入れてくれませんでした。どんなに頑張っても心を開かない村民と、早く東京に戻りたい周子の距離はなかなか縮まりません。歯...続きを読むがゆさ、苛立ち、胸の中にモヤモヤを抱えながらももがく志田家の人びと。 物語の中に悪人はいません。皆必死なのです。 だからこそ、胸を打つ。 実在の人物であるだけに、あとがきの後日談には更に泣かされました。 知らないだけで、こういう物語はどこにでもあるのでしょう。 美談ではなく、記録なのだと思います。 こういう人がいたからこそ、今がある。 私たちはこの精神を引き継いでいかなければならないのかも知れません。
誰もが医療を受けられるって、本当にありがたいことだ。当たり前だと思っているけど、今この時だって病院もなく医師もいない地球のどこかで誰かが苦しんでいるわけだし。 幸せってなんだろうってすごく考えさせられる一冊。自分が幸せだと思う時っていつだろう?わたしにとって?他の誰かにとって?もう最後のほうは切なく...続きを読むて悲しくでもああ幸せってこういうことだよなーなんて思って涙がぽろぽろ。。。
女医・志田周子氏の生涯を書いた作品。自ら行動を起こし、辛苦や後悔を乗り越えて成長していく、強い女性の話でした。 戦前~戦中の、それも農村では、女性医師は異様な存在であり、村の人々はなかなか受け入れることができなかったのだなぁ、と。村の人々が周子さんを忌み嫌う様子がリアルに表現されていたように思います...続きを読む。 私の読解力の問題かもしれませんが、少し文章が読みにくかったときがあったので、そこが少し残念だったかも…。
故郷の無医村に戻ってきた女医の人生を描いた小説。実話を元にしているということもあって、女医というものが戦前の田舎でどう見られるか、一生懸命やってもなかなか受け入れられない現実、自分で選んだといっても捨てなければならなかった夢など、美化されるだけの話でないのはよかった。
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