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20万年前、アフリカで誕生したわれわれは穏やかに増えていくが、つい最近、突然の増加をみた。農耕が始まった約1万年前のわずか500万人が、文明が成立し始めた5500年前には1000万、265年前の産業革命で7億2000万となり、2015年には72億人に。そしてこの先どう推移するのか? 人口という切り口で人類史を眺めた新しいグローバルヒストリー。
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Posted by ブクログ
内容は人口史にとどまらず、人類の進化と拡散、農耕や文明の歴史に及ぶ。 ハッサンは、バイオームごとに生息する有蹄類の重量から、更新世最終盤のヒトの人口支持力は1000万人だったと推測した。実際の人口は、その5〜8割と考えるのが妥当。狩猟採集社会か農耕社会かを問わず、多くの人々が密集して集住すると、社...続きを読む会の階層化が始まった。 3200年前、フェニキア人が順風でなくとも航海できる帆船を建造し、地中海とアラビア海で活発な交易活動を開始した。インドでは紀元前1000年頃から鉄器が用いられるようになって農業生産が高まった。中国でも、周王朝が衰退しはじめた紀元前8世紀から鉄製の農具やウシに曳かせる犂が普及し、農業生産が急速に向上した。中国では220年に後漢が、ヨーロッパでは西ローマが476年に滅亡したため、世界人口は200年頃から500年頃まで停滞あるいはわずかに減少した(第一の人口循環終了)。 500年から1400年まで続いた中世の人口循環には、世界人口は1億9000万人から3億6600万人に増加した。人口増加は1000年頃に加速し、1200年代に減少が始まった。鉄製の斧や牛馬に引かせて深耕するための重輪犂、蹄の損耗を防ぐ蹄鉄が農民の間に広く普及したこと、ヨーロッパでは、11〜12世紀に三圃式農法が普及し、品種改良によって小麦の収穫率が3倍未満から5倍に増加したこと、中国南部でも11世紀初頭に、日照りや虫害に強くやせた土地でも生産性が高いベトナム原産の占城稲が導入され、二期作やムギとの二毛作が可能になったこと、中国北部でも、1〜2世紀にシルクロード経由で伝えられたコムギとアワの二毛作が行われるようになったことが人口増加の要因。13〜14世紀には、モンゴルの騎馬軍団が戦闘を続け、ヨーロッパでは14世紀にペストの流行で人口が減少した。 15世紀以降の現代の人口循環のうち、17世紀前半は長期にわたる戦争と社会的な混乱によって人口は伸びなかった。中東ではオスマン帝国が勢力を伸ばし、ヨーロッパでは宗教対立による30年戦争が起き、中国では明王朝が衰退して後金ののち清朝が成立した。ヨーロッパと中国ではペストも流行した。18世紀には、南北アメリカ大陸への移住と、アフリカ人の強制移住が本格化した。 一方で、イギリスでは18世紀に死亡率と出生率が変化する人口転換が始まった。四輪作(オオムギ、クローバー、コムギ、カブ)への転換、農具の改良、畑作と畜産の連携などが進み、コムギの収穫率も10倍を超えるようになった。18世紀半ばには産業革命が起こり、増加した農村人口を吸収していった。産業構造が農業から工業へ移ったため、子どもを多く持つ必要が減り、逆に子どもの教育に必要な費用が増加したことが、出生率が低下した要因としてあげられる。
20万年前に誕生したヒト.学校で習ったのはネアンデルタール人よりやや進化したヒトがアフリカで生まれた話だったと記憶している.遺跡から発掘された資料から凄いことが分かるようになったのには驚いた.様々な感染症で凸凹があった過程や,食糧の増産が図れたことによる人口増加が,数多くの資料を引用しながら説明され...続きを読むている.
ホモサピエンスが出現してから約20万年間の人口推移をまとめた作品。人類の移動の歴史や生活様式の変遷などと絡めて解説しているので、非常に楽しくわかりやすい。 人口増加の第一歩となったのは、アフリカで誕生した人類の祖先たちが、同じホモ属であるネアンデルタール人たちとの競争に打ち勝ち、生息範囲を広げた事...続きを読むである。もともと狩猟採集民だった祖先たちは、移住を繰り返し肥沃な土地を見つけ定住を始めた事が、さらに人口を増やす要因となった、ちなみに定住生活を始めた1万2千年前頃の推定世界人口は500万人だったらしい。 それが今では加速度的に人口が増え続け現在は72億人、産業革命の頃から10倍になってしまったのである。研究者や国連が推計した地球の人口支持力は120億人らしい、ちなみに今のペースでは2060年に100億人を突破する言われている。我々の孫やその次の世代にツケを残さないよう、環境問題や途上国への支援など、今まで以上に真剣に取り組むタイミングなのではないかと思う。
20万年前に人が発生してから現在までの世界の人口の変遷を、いろいろな角度から切り取って解説している。 説明は丁寧なのだが、数字が漢数字で記述されており、なかなか頭に入ってこない。自分だけだろうか?
過去20万年の人口が増えてくる過程を振り返って、どのような要因があったかをまとめたもの。 狩猟採集から農耕、牧畜、産業革命、緑の革命、衛生の促進と死亡率の現象、そして現代先進国の出生率の現象までを追う。狩猟採集でも火の利用、農耕でも原生種から栽培種の普及まで3000年位かかっている、また牛などの家畜...続きを読む化およびその利用もなど意外と進歩は遅い。 近代の産業革命以降の変化及び人口増加率の激増は大きい。人口保持力は上がってはきているが、今後については、100億人前後でそれなりの幅を持った予想が出ている。
江戸時代の講義を受けていた最中だったので江戸時代の人口の増減について知りたくてこの本を手にした。地球規模の人口の増減史をわかりやすく述べてくれている。 文明が一次産業から二次産業に移りそれが定着するとどの国も出世率より死亡率が上回るようになることがよくわかった。少子高齢化は女性の晩婚高学歴化だけが原...続きを読む因ではなかったのだ。どうも産業が進むと教育を受ける期間が長くなりしかも教育費にお金がかかるため自然と出生率が抑制されていくらしい。政府のお役人にも読んでほしい本。
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ヒトはこうして増えてきた―20万年の人口変遷史―
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大塚柳太郎
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