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倉橋長五郎政重は、徳川家御先手組にあって、無敵の大業“鬼落とし”で知られた槍の名手。家康の名参謀・本多正信の次子にして槍奉行・倉橋長右衛門の養子だが、故あって秀忠公の近習を斬り捨て徳川家を出奔。意地と野心を胸に秘め、慶長の役に身を投じる。前田利家の密命を帯び朝鮮半島に渡った政重だが、そこは人心を捨てねば生き延びられない修羅場であった。
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Posted by ブクログ
正信次男坊のお話。予想以上に面白くて半日で読んでしまった。 物語らしい脚色もありながら、目を背けたくなるような現実も突きつけてくる。本当に朝鮮の役はむごい。どうしてこんな事をしたんだろうと思うが、理由なんかいらない。こんな事してはいけないのだ。強くてカッコいい主人公だが、結局は無力で見過ごしている...続きを読むところもちゃんと書いているのが現実的だった。 登場人物もみんな魅力的!本当に20代なのかってくらいおっさん臭いしっかりした主人公(でも子供の泣き声に弱い)録より何より自分の生き方にこだわる天晴な人物。 秀家はかっこいいし、三成の姿勢には泣けた。近衛信尹さんが愉快。そして正信パパがなんか可愛い← 事実かどうかわからないが、宇喜多騒動が複雑すぎる!! まだ読み終わってないのに、著者の他の本が読みたくなった。 久しぶりに読書に夢中になったおすすめの本。 下巻に続く。
秀家が良い具合に目立ってると聞いて(政重さんごめん) 頭も良くて爽やか王子…天は二物を与えた。 けども流罪は免れない。
本多正信の次男、本多政重を描いた作品です。 阿部龍太郎の作品は、わかりやすくていいですね。 史実では自由奔放な人物として何度も主家を変えるのですが、この作品ではその事にはあまり触れずに、関ヶ原合戦の前後を中心に描いています。 政重は、その後、会津120万石から30万石に減封・移封された米沢藩の、上杉...続きを読む家家老・直江兼続の娘婿となります。 兼続も、謀将・正信の次男政重を通じて、お家存続のために仕方なく縁組を行なったのでしょう。 しかし、兼続の娘は病死してしまい、今度は弟・大国実頼の娘を娶らせますが、政重は、減封によって生活に苦しむ米沢家家臣団に気兼ねして、出て行きます。 最後に、加賀前田家に仕えて、5万石の八家(加賀藩の八家の家老職)筆頭として、子孫は明治まで続きました。
各章のタイトルになってる詩やセリフに痺れる!登場人物は、文句なしにかっこいい主人公の本多政重より脇役達がよかった。特に父親の本多正信が好き
本書にて倉橋政重という武将の存在を初めて知りました。 安倍氏の視点で読む限り、政重の地位や権力を求めず義理と民衆の安寧を重んじる生き方はこの時代には珍しく清々しい。 一方で秀吉の朝鮮主兵はどの本を読んでも救いのない愚挙であり、それまでのサクセスストーリーの末期を汚すものですね。家康は天下泰平を求める...続きを読む理想は素晴らしいもののそこに至るまでの政略はえげつないし、信長は非武装民への容赦ない攻撃は許し難い。三英傑と後世まで称えられているものの、いずれも長所と短所の差があまりにも大き過ぎて好きになれないなぁ。 本書に戻ると、政重がどのように生きてゆくのか後半が楽しみです。
本多正信の次男正重を主人公にした作品。故あって敵討ちに手を貸し徳川家を出奔。前田利家に見込まれ朝鮮の役の現地調査に派遣される。帰国後は宇喜多家の内紛、徳川家復帰への吟味など徳川家、兄正純の陰謀などに巻き込まれる。
主人公の政重が、それほどかっこよくない。 上巻は、架空設定と思われる女性が登場してくる。この女性とのロミオとジュリエット的な恋愛にあまりときめかず。だからか、上巻は少し退屈。 下巻で、関ヶ原が始まると、ドキドキして、読むスピードが速まった。 それよりかっこよく描かれているのが、宇喜田秀家。 純粋で...続きを読む一本気で、かっこいい。それに妻の豪姫との間に交わされる愛情も素敵。 三成が関ヶ原で敗北に向かう様子は誰の本で見ても、かわいそうで、泣けてくる。今回の三成は、豊臣家からも見捨てられ、たくさんの虚偽を一人で飲みこんで、同情を禁じ得ない。小柄さを強調しており、頼りない三成の姿が痛々しく、また性格がかわいい。
関が原の戦いの頃の話。徳川家康の右腕であった本多正信の次男に生まれながら,二代将軍秀忠の近習を切り殺し徳川家を出奔し,関が原では宇喜多秀家の先方として徳川方と戦いつつも生き残り,合戦後は秀家の逃走や助命に奔走し,最後には加賀前田家の筆頭家老に迎えられた本多政重の話。徳川を出奔して浪人になっても,宇喜...続きを読む多家で2万石,前田家で5万石で召抱えられるのだから,どのような人物だったのだろうというところから,著者は興味を抱いたらしい。ただ,親である本多正信が家康の懐刀だから,家康との橋渡しにという思惑が少なからずあったようには思うが,金沢市にある本多蔵品館の修蔵品の政重所用の大身槍を見ると,一概にそうではないように思われる。「名槍」相州正俊と検索すればその業物が見れる。なんと穂の長さが83センチもあるのだ。 本書では,あまり一般的に知られていない本多政重を取り上げているが,本書を読めば一発で政重の魅力にとりつかれるであろうと思われるほど,かっこいい生き方をしている。宇喜多秀家しかり,本多正信しかり。また,政重の一の家来である,竹蔵は後の宮本武蔵という設定になっているが,そこは?である。竹蔵,宇喜多家と聞いて,んっと思ったが,やはり最後の最後にそのようなながれになっていた。 また,上杉景勝の家臣直江兼続は政重を婿養子に迎え,一時期は直江大和守勝吉と称していたこともある。NHKでも登場していたと思うが,忘れてしまった。 各章の終わりには,万葉集などから取り上げた和歌がさらりと書かれているが,それもすごく良い。まさに,その場面を一言の詩であらわしているように思われ,このようなところに対しても著者の造詣のの深さが読み取れる。 宮城谷氏や司馬氏のようにまでとはいかないものの,もう少し,著者の作品を読んでみようと思う。 全2巻
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