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時は明治。琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、生来の病弱を克服するために門外不出の秘伝であった唐手を学びはじめる。ひたすら同じ型を練り続ける日々の中で義珍の心身は強靱になり、修行にのめり込んでいく。そして時は移り、教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、古伝の精神を本土に普及させることを決意する。琉球秘伝の「唐手」を極め、本土に「空手」を伝えた男の生涯。
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Posted by ブクログ
空手に先手なし、受け即攻撃。任侠〇〇シリーズがバカ受けwの今野敏さんの「義珍の拳」、2009.5発行。沖縄で生まれ、病弱の体を鍛えるために唐手を習い始め、やがて空手の修行から指導者に。そして松濤館流の始祖となり、日本空手協会の最高技術顧問に。昭和32年4月26日、88歳で永眠した船越義珍先生の生涯...続きを読むを描いた作品。
空手を本土に広めた船越義珍の話。型に始まり型に終わる。極真の大山総裁も習ったらしいので非常に興味深かった。
明治から昭和にかけて 門外不出の秘伝であった唐手を内地に広めた富名腰義珍の一生。 普及するにつれて唐手が唐手でなくなる葛藤。 ガマクを入れ、ムチミを使い、チンチクをかけなければ唐手ではない。
琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、病弱や気弱を克服するために門外不出の唐手を学びはじめます。 師の言う通り、毎日同じ型を繰り返す稽古の中で、義珍の心身は強靱になっていきます。 教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、沖縄のみならず、本土にも普及させることを決意します。 本当の「唐手...続きを読む」か、スピードや筋力を重視した「空手」か。 経営面も考えなければならず、義珍の苦悩は続きます。 師弟愛、夫婦愛、親子愛も描かれた、重厚な武術小説です。
空手の原点、ここにあり。琉球空手を極め、日本本土に広めた人物、富名越義珍。明治から昭和まで、激動の時代を駆け抜けた、伝説の空手家の、波瀾万丈の生涯を描く。 義珍は、子供のときに、体を鍛えるために、空手をはじめる。以来、「空手は、心身を鍛えるために、修業を積むものだ」という新年を貫き、決闘や、試合を好...続きを読むまなかった。そこが、「武士猿」こと、「本部朝基」と異なる。古典的琉球空手を、重要視した義珍。しかし、日本本土で広まりつつあった空手は、時代を経るごとに、その形を変えていった。そんな状況の中、義珍は、晩年、何を思ったのだろう?
2009/5/23 アミーゴ書店ブルメール神戸店にて購入 2010/2/5〜2/7 沖縄の唐手を空手として普及させた富名腰(船越)義珍の生涯を描く伝記小説。今野塾をひらく今野氏ならではの作品であろう。伝統を受け継ぐことの難しさをかんじさせる。今野氏の空手ものを読むたびに思うのだが、もし今自分が中・...続きを読む高生くらいの年齢だったら絶対空手を習いたくなるだろう、ということだ。
明治から大正、昭和の時代に、琉球の下級士族出身で、琉球の「唐手」を極め本土に「空手」を普及させた富名腰義珍の生涯。なんていうか、今野氏の琉球空手に対する強い思い入れが、ヒシヒシと伝わります。『琉球空手、ばか一代』と一緒に読むと、理解が増してより効果的かと。琉球=沖縄の近代史も、ちょっとばかり知ること...続きを読むができました。しかし、物語の最後の方は、ちょっとさびしかったなぁ・・・。
主人公の興した流派をやっていたので、純粋な創作作品として読めなかった。 パワーとスピード重視の流派になったのはそういう経緯があったのね、とか。 主人公が柔軟に試合を取り入れていれば、かえって本来の琉球空手を試合で生かすことができたのでは?と歯痒い思い。 全空連系寸止め空手のスポーツ化、これへのアンチ...続きを読むとしてのフルコンの隆盛、そして格闘技ブームの中での空手の失権。 根本に、主人公の保守性、優柔不断さ、本質を見失う安易さがあったのではないだろうか。 いやそんなことはいいたくないんだ船越先生に対して。先生の写真を拝見して鉄騎の練習してるんだ俺は。 心が引き裂かれそうになる、しんどい小説。。。
ノンフィクションなんですね。富名腰義珍や本部朝基など、今野敏作品、それも空手系の作品でなんどか目にした人物がたくさんできてきました。義珍の苦悩は「竜の道」に登場した麻生にも通じるものがあります。
沖縄に行くことになったので、気分を盛り上げるため読んでみる。 沖縄といえば「空手」!?。現代「空手」の開祖 船越義珍の伝記小説。 やっぱり、大衆に広める=スポーツ化=薄れていく本質、は避けられないのか。悩む義珍の姿が痛々しい。柔道の創始者 加納治五郎もそのように悩んだのだろうが、作者が違えれば表...続きを読む現は違ってくる。押井 守監督の解説によれば、今野 敏は「作家が空手をやっているのではなく、空手家が小説を書いているのだ」とのこと。一流派まで興しているのだそうな。そのあたりの、武道としての捉え方の違いが、夢枕 獏の描く武道小説との感触の違いになるのだろうか。 きっと中国拳法でも同じ問題が起こっているに違いないのですが、誰か書いてくれないかな。 読むと古武術に直接触れてみたくなる。
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