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アトランティス、暗殺集団、赤い酒場、巨石信仰、狼男、吸血鬼、不死の生命……。この本を手に取ったあなたは、これらの言葉からどんな物語を想像するだろうか。失踪した妻を捜し夜の街を歩く建築家・隅田、展示場から消えたアトランティスの壺を追うカメラマン・伊丹。彼らの周囲には、次第に不可解な出来事が起こり始める。一見脈絡のない事象を縦糸に、男女の愛を横糸に紡ぐ、半村良の伝奇ロマン。
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Posted by ブクログ
昔の日本SF、特にこの半村良や小松左京の作品には、面白ければ何でもありだ、面白い奴の勝ちなんだ、というようなある種批評を無効化させてしまう強さがある(山田風太郎もそうですね)。 きっと物語を信頼していたんだなぁ。 クーンツとか好きな人はたぶん気に入るはず。
イスラムの暗殺教団、アトランティス、巨石信仰、人狼、吸血鬼、永遠の命、サンジェルマン伯爵。 SF・伝奇モノの定番プロットがぎっしり詰まったミステリーの傑作。 どのネタも今では手垢がついた感じだけど、これが1971年に発表されたというのが驚き。 密度の濃いストーリー、骨格のしっかりしたキャラクター。...続きを読む 今どきの小説にはない無骨だけどストレートなエネルギーに押されて一気に読まされてしまいました。 中盤以降、提示された謎に登場人物ひとりひとりがパズルのピースのようにパチリとはまっていく展開に目が離せなくなります。 頁を繰る手が止まらなくなる、まさにページターナー! ※男女の描写が相当エロいので、そういうのが苦手な人は受け付けないかもw
初の半村作品。 アトランティス、吸血鬼、ケルビムなどの伝奇的要素が満載です。 長い小説だったけれども面白かったぁー。 高橋克彦の作品が好きな人は読んでいて楽しめるはず! 他の作品も読んでみよう。
1972年星雲賞受賞作品にして日本伝奇小説の記念碑的作品。 私は読書に関しては極端な偏食者なので、今まで読んだことの なかった半村良。一度は読んでおかなければという思いもあって、 今回存在を知ったこの作品を読んでみた次第。 吸血鬼、狼男、巨石信仰、アトランティス、不死者、ケルビム、と 伝奇的要素を...続きを読むこれでもかと詰め込んだ、刊行から40年以上経った 今でも決して古さを感じさせない驚異的な小説だった。 ただ謎解きや伏線の回収が即時的というか、謎の提示と謎解きが ほぼ同時に進行していく感じからか、どうも今ひとつ私には はまらなかったかな。話が誰を中心に回っているか一定しないのも 難のひとつかもしれない。 ケルビムは実は私の卒論のテーマだったりする(苦笑)。
半村良が気になって読み直し中の1冊。発想においてすごいと思うが、記憶のなかにある(今回はまだ読み直していない)『産霊山秘録』の鮮烈さに比べると、予想外に平板な展開と感じた。今のところ、半村良の多様な守備範囲のなかでは、『雨やどり』『新宿馬鹿物語』『どぶどろ』系の人情物のほうが個人的には好み。
かなーり古い本です。どれぐらい古い本かというと、発刊されたのは私が生まれる前ぐらい古い。 著者の本でメジャーなものとしては……戦国自衛隊とかでしょうか? この本、ジャンルとしては伝奇物というカテゴリーに入るのだと思います。現代社会に現れた吸血鬼と人狼という伝奇物によくある内容。そこに世界各地の様々...続きを読むな伝説、逸話が入り交ざった話で、そういう部分は読んでいて面白かったです。どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションか。そこら辺の線引きを曖昧にしてリアリティを出すのがうまい人です。 ただ、中盤以降性描写ばっかりだったせいもあり、ちょっと食傷気味。あと結末が若干無理やりかなぁと。そのせいで消化不良な感は否めません。
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