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遭難したダイビング仲間を探すため、奥多摩の地底湖に潜った正人は複雑に枝分かれした水中洞窟に迷い込む。命綱は切れて酸素の残りもわずか。死を覚悟した正人を出口へと導いたのは、直接頭に入り込んできた“彼女”だった。体の奥に響く衝撃とともに浮かぶイメージ。あれは一体何だったのか。正体を明らかにしようと再び正人はその地へと向かう――。著者の原点となった傑作ファンタジー小説。
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Posted by ブクログ
篠田作品の中でも最も印象に残る小説の一つ。表現力がすごいためなのか、洞窟の中にまるで自分も入ったような不思議な体験をしてしまった。(篠田作品からそういう影響を良く受けるのだが…) 自分勝手に動いていく主人公の狂気にも吸い込まれて一気に読める。 好みの作品です。
友人を亡くした奥多摩の地底湖で謎の生き物と出会い、そこから環境活動団体に参加し…という話。 前半と中盤と後半の雰囲気が全然違うので飽きないまま先が気になってほぼ一気読み。 暗い地底湖は読んでて息苦しさを感じるけれど、そこでの不思議な体験の描写がとても好きだった。 篠田節子さんの描く、ちょっと不安にも...続きを読むなる美しく不思議な体験にとても惹かれる。 読書がつらい時期でも篠田節子さんの物語は読めるので他のも読みたい。
スーパー林道が、 東京と山梨の接点で開発される。 その中における「環境を守る。」ということは、 重要なことであるが、 その運動の質はいかなるものか? 環境を守るためには、シンボルがいる。 内封性クジラがいた。 目がなく、白色化し、内蔵まで見える。 「不思議な力」を持ち、 人間とコミュニケートできる...続きを読む。 人間の持つイメージに対応する。 想像力によって、コミュニケートすることができる。 教育委員会に勤める、 日頃まじめだった青年のひょっとした アクアラング仲間の洞窟での死。 そこから引き寄せられた。 そして、環境を守る運動に巻き込まれる。 「澪」のイメージ、 シルクウッド、想像力としての女性。
物語の焦点や世界観が度々変わり、思いもよらない結末になったため不思議な気持ちになった。幻想小説のような雰囲気を出しながらもリアルな泥臭い社会の現実を描き出している点に独自性を感じた。私が幻想小説が好きなこともあるのかもしれないが、物語めいた結末を予想していたため面食らった。主人公のその後を思うとやり...続きを読むきれない思いはあるものの、結末に向かうにつれスピード感も増し話に引き込まれていったことは確かである。作者の他作品も読んでみたいと思った。古本屋でたまたま手に取った本だが、よい出会いだった。
熱帯魚趣味のオタクな公務員正人が、ケイブダイビングの友人の死の探索に行った事から、不思議な生物と出会い捕われて行く。少し不気味な香のする、環境問題をも扱った、一人の戦い。
水中洞窟に生息していたイルカに似た哺乳類。彼女を助け出そうとする主人公。 話がなんとなくじめじめしていてグロテスク。
あっという間に読めてしまいました。奥多摩の地底湖で25年前に行方不明になった学生の話がヒントになったのかな。最近発見されて又話題になりましたよね。
サイエンスパニックホラーを得意とする作者の初期の頃の作品。熱帯魚の飼育が趣味という真面目な会社員の青年が遭難したダイビング仲間を探すために、奥多摩の地底湖に潜るところから物語は始まります。主人公の青年が湖の底で遭遇した大きなイルカのような未知の生物。水死した仲間の死因探しからいつしかこの生物の救出作...続きを読む戦へ、そして全ての不幸の根源となった地域開発反対運動へと話は広がっていきます。未知なる生物は、古代からの生き残りかしらとドキドキし、謎の潜む地底湖の自然破壊問題では、環境破壊はここまできたかとハラハラさせられました。水中の世界の描写や熱帯魚とのふれあいの描写に読者である私までもが癒され、「地底湖」という言葉に幼少期の頃の冒険心を思い起こさせられた小説です。
日常系ともファンタジー系ともいえる日常と非日常の境目。 主人公正人が、ある生物を守るため過激派環境保護を展開! 伏線の回収が下手、ってか回収されないまま終わってしまった。 ストーリーの骨組みからして、不確かなものを題材にしている以上、 あやふやに終わらせるしかないか。
物語にグイグイ引きこまれて この後どうなるんだろうと、 ハラハラしながら読みました。 イクティが愛おしく切ない。 ただ主人公が物語最初の孤独な世界から 運動にかかわっていくことで 展開が変わりすぎで小説として中途半端な印象です。 ラストも悪くはないけれど 話の途中で、なんだか放り出されたように...続きを読む感じてしまったので★3つ。
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