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水柿君は、N大学工学部助教授のままミステリィ作家になった。なんとなく小説を書き始めたら、すぐに書き上がり、それをミステリィ好きの妻・須摩子さんに見せたが、評価は芳しくなかった。しかし出版社に送ってみたら、なんと本になって、その上、売れた! 時間があれば小説を書き続け、幾星霜、いまではすっかり小説家らしくなったが……。
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Posted by ブクログ
Mシリーズ(水柿助教授シリーズ)の第2弾です。 この第2弾は、水柿君が小説を書いて小説家になる過程のお話です。 作中では、これは水柿君の物語の小説だと言ってますが、もはや森さんのエッセイてしてしか見れないですね。 いや、でも水柿君が小説だと言ってるので、やっぱり小説ということで(笑) 私的には前作...続きを読むよりも好きです。おもしろかった。 前作『~日常』は、常日頃考えてることをただただ文章にしたっていう印象だったんですが、今作は小説を書き始めて、デビューして、人気作家になってという過程が分かるので読みやすかったです。 水柿君(森氏)はやっぱり天才というか、変わり者というか、すごいなーと改めて思いました。 そして相変わらず、水柿君かわいいです。 ちょっと嫉妬しちゃう須磨子さんもかわいいです。 私のお気に入りのシーンは、半ドアの件で喧嘩するところです。 のむヨーグルトですごい笑っちゃいました。
新書で出たときに読んでたのに、すっかり忘れて文庫買ってしまった。不覚!でもまあ中身忘れてたのでもっかい読んだんですが。 そして改めて面白いと思ったので登録します。 実は森氏の作品の中でいちばん笑えるのってこのシリーズなのではないか。もうキーボードを打つ手が流れるようなこの語り。 水柿君と須磨子さん...続きを読むの夫婦喧嘩のくだりが好き。 森氏の他の小説や日記も読んでると、かなり事実に近いということがわかるし、ぷっと笑える箇所も増えると思います。
助教授である水柿君は、出張で妻の須磨子さんと北海道に行った。 本にあまり興味がない水柿君は、須磨子さんが読んでる本に興味を持った。須磨子さんが出掛けてる間に本を隠れて読んだ。その本は、ミステリーだった。なんだかんだでミステリーを書くようになった水柿君。出来上がった本を須磨子さんに読んでもろうと、...続きを読む評価があまりよくなかった。須磨子さんに認めてもらおうと本を出版社に送ってみた。 なんと、出版社が認めた。本になってしまったのだ。しかも売れてしまった。作家になった水柿君は、何を考え何を思うのか? 主な登場人物は、水柿君と須磨子さん。脇役に2・3人で送る小説です。(作者が小説と言ってるので間違いない?)駄洒落いっぱいの脱線しまくりの小説ぽくない小説です。実験的要素も多々あるのかな? 作者自身が作家になった過程を書いた本でもあります。参考になる人もいるのかな? そうそう、第1話〜第5話まであるのですが題名がこんな感じです。 第1話 「まだ続くのか?」 「命ある限り(高笑)」的な 悪ふざけからいかにしてミステリィに 手を染めたのか着メロを鳴らす 第2話 いよいよやってきた人生の転機を 脳天気に乗り越えるやいなや ラットのごとく駆けだして だからそれは脱兎でしょうが 第3話 小説家として世界に羽ばたく といって本当に羽ばたいたら 変な人になってしまう この不思議な業界の提供でお送りします 第4話 サインコサインタンジェント マッドサイエンティストサンタクロース コモエスタアカサカサントワマミー 第5話 たまに短いタイトルにしたいと 昨夜から寝ないで考えてるうちに 面白い夢を見てしまった。 ああ、そろそろ秋だなあ。 そこで一句。短めに タイトルつけたら秋かもね。 どうです?読んでみたいと思いませんか?読んで見てください・・・。
水柿助教授=森博嗣先生。 そう思いながら読むと、今まで読んできた先生の小説がまた違って見えてくるのかもしれない。 人は必要以上に余計な事を気にし過ぎているのだな。
水柿助教授シリーズ2巻。 小説風エッセイなのか、エッセイ風小説なのか、自伝的小説なのか。本人曰くフィクションらしい。 読んでいて度々思ったのだが、森博嗣はやはり読者にあえて間違った方向に想像させる文を作るのが巧い。 この小説でもそういう表現が何度か出てくるのだけれど、反応を簡単に先読みされてしまっ...続きを読むた。
水柿助教授シリーズ、第二作。この巻のメインは水柿(森先生自身?)と云う、一人の作家の誕生秘話が事細かに描かれている点。森先生の作品に触れ、森先生自身にも興味を持たれた方はとても楽しめるのではないでしょうか?森先生とすばる氏の日常。森先生がどのようにして、作家という仕事に向き合っているのか、など。ユー...続きを読むモアたっぷりに語られていて、終始クスクス笑いが止まりません!笑
水柿助教授シリーズ第二弾。一作目を読んだあとは「助教授の日常生活ってこんな感じなんだー」くらいの感想しかなかったが、二作目を読みすすめていくうちにだんだん水柿助教授の独特の雰囲気につつまれて、おもしろさが増してきた。二作目は主人公がとうとう作家になってしまって、助教授と作家の兼業生活の様子が描かれて...続きを読むいる。適当な感じのダジャレが多いが、それよりも夫婦間の会話がとてもおもしろい。奥さんの須摩子さんのキャラがなによりとてもよい。素敵すぎる。作家森博嗣氏の自伝小説的なものであるらしく、「相田家のグッドバイ」とかぶる描写もあったりして面白く読めた。
前作同様、森ファンのみが楽しめるであろう自伝的作品。 速筆の秘密が、依頼されたら納期までに仕上げなければいけないという社会人としての常識と、出版界の慣習のギャップにあったとは… 書かれているエピソード類が真実かはさておき、森氏ならさもありなんと思わせる内容のオンパレードに愛情が深まります。
「札幌かぁ…あそこはもう日本じゃないでしょう?」 「そうでもないと思うよ」 「だって、梅雨もないって言わない?」 「ゴキブリもいないって」 「あとほら、豚骨ラーメンもないらしいよ。早く独立すればいいのにね。沖縄みたいにさ」 「沖縄も日本だよ」 「あほら、一粒でレモン三十個分とかってキャンディあるで...続きを読むしょう?」 「あるかな」 「私、スーパでレモンを見るたびに、これってキャンディの三十分の一か、栄養ないなあって思うもの」 『「面倒だよね。僕が口でプロットを話すから、君が書いたらどうかな」水柿君はこのあと、「君なら、毎日、暇でしょう?」という言葉を呑み込むのである。このようにして毎日呑み込んだ言葉はどこへ行ってしまうのでしょうか、お母さん。』 『大勢の知らない人たちに好かれなくても、身近な数人に好かれていれば、生活は充分に楽しいのではないか』 「あれぇ… ー なんだ。本当に講演会なの?」 「当たり前じゃん、何だと思ったの?」 「なんか、隠れて悪いことするんじゃないかって」 「悪いことって、たとえば?」 「法隆寺に放火するとか」 「やっぱり、元を取らないといけないっていう心理が働くのね。温泉なんかにいくと、みんな、溜息ばっかりついて、ああ、のんびりのんびり、とかって、必死になってのんびりしているもの、どうもいけませんねぇ」 「できるだけ沢山がFになるように努力しました」 「なにか新しいことにチャレンジしようなんて気はこれっぽっちもない?」 「私はね、生きていることが、もうチャレンジなの」 「なるほど」 「毎日、いかに楽をして、平穏に生きるか、眠いときにどれだけすぐに眠れるか、というチャレンジなんだな」 『ま、いろいろあるけれど、 何が大切なのかさえ忘れなければ、 きっと大丈夫だろう。 溜息をつき、もう一度空を見上げる。 箸を刺すまでもなく、空も、いい感じだった。』
本書はスカイ・クロラシリーズやS&Mシリーズの著作がある森さんのエッセイ集、第二弾です。 第一弾の「工学部・水柿助教授の日常」は以前読んだ事があったので、第二弾である本書も読んでみました。 内容の方は第一弾同様、筆が滑りまくった感じで冗長な部分が多い物となっており、最早これは著者の駄弁を楽し...続きを読むむ本と言えるでしょう。 それでも一応テーマらしきものはあり、それは著者のデビュー秘話とでも言うべきものです。 札幌で開かれた学会の為の出張に、珍しくついてきた奥さん。 札幌の夜、彼女のすすめに従いミステリィ小説を書く事に決めた著者。 出来上がった小説を最初は奥さんや信頼できる友人のみに見てもらったが、客観的な評価を得ようと講談社に投稿してみた所、あれよあれよと言う間に作家デビュー。 その後、締切=納期=厳守すべきものと言う、エンジニア的な発想に基づき、次々と執筆をつづけた所、 あれぇ~、気が付いたらベストセラー作家にぃ~、 なお話が書かれています。 費用が出版社持ちのスイス旅行やサイン会の様子。 売れっ子作家に忍び寄る浮気の影(笑)を心配する奥さんの姿等々、色々と面白い所もあったのですが、しかし一番印象的だったのは次の一文です。 編集者たちは、よくこう口にしたものである。 「はっきりいって、文句を言ってくる読者は、どんなものでも本を買ってくれるわけだから、別に彼らの要望をきく必要なんてありませんよ」 ・・・・ 何というか、ストライクゾーン一直線な剛速球?、的な感じ?? シビレマス(笑) しかし本書によれば、森さんは投稿まで小説の執筆はおろか、これを読む事自体ほとんどしなかったとの事です。 以前読んだ東野圭吾さんのエッセイによれば、東野圭吾さんも現国が苦手だったとの事で、案外国語が苦手な方がベストセラー作家になりやすいのでしょうか? あるいはこの様な人たちの方が真面目に執筆するので、結果的にベストセラー作家になりやすいと言うのでしょうか? どうなのでしょうね~。
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工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki
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