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最近わたしたちの町で、奇怪きわまりない事件が続発した。町の名士ヴェルホヴェンスキー氏とワルワーラ夫人の奇妙な「友情」がすべての発端だった……。やがて、夫人の息子ニコライ・スタヴローギンが戻ってきて、呼び寄せられるように暗い波乱の気配が立ちこめはじめる。ドストエフスキー最大の問題作、新訳刊行なる!
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Posted by ブクログ
ドストエフスキー。物語が動き出すと格段に引き込まれるのだが、前半の人物描写の部分(大いに伏線があるのだ)が、なかなか退屈で読み進まない。そこを超えると面白くなってくる。
『ネチャーエフ事件』に発想をえて綴られたドストエフスキーによる政治小説です。『内ゲバリンチ殺人』という陰惨なテーマとスタヴローギンという悪魔的な主人公に『人間とは何か』ということを突きつけられます。 ロシアの誇る文豪、ドストエフスキーが後年に発表した『五大長編』のうち、内容的にはもっとも『危険』と...続きを読むされる小説である『悪霊』それが亀山郁夫氏の新訳によって現代の社会に甦りました。 この小説の構想を得たものは1869年に発生した『ネチャーエフ事件』と呼ばれる内ゲバリンチ殺人事件で、架空の世界的革命組織のロシア支部代表を名乗って秘密結社を組織したネチャーエフが、内ゲバの過程で一人の学生イワン・イワノフ(物語中ではイワン・シャートフ)をスパイ容疑により大学の構内で彼を殺害し、池の中に遺棄したというなんとも陰惨な事件でございました。ちなみに、このネチャーエフをモデルとしてピョートル・ヴェルホヴェンスキーという人物が造形されております。 しかし、ドストエフスキーの関心はある一人の登場人物に移っていくのです。創作ノートに 『いっさいはスタヴローギンにあり、スタヴローギンがすべて』 『小説のパトスは公爵(引用者注:スタヴローギンの創作ノート中の呼称)』 『残り全てのものは、彼のまわりを万華鏡のようにめぐる』 と書き記すほどになっていくのです。そんな悪魔的な人物であるニコライ・スタヴローギンを中心に『地獄編』ともいえるような物語が綴られていく、ここではその長い長いプロローグ的な一冊でございました。正直な話、僕はこの亀山郁夫教授による新訳でなければ、最後まで読み通すことができたかどうか、これを書いている現在でも疑問に思っております。 全体の構成はレポート・ナビゲート役を務めるアントン・G氏の『クロニクル』という形をとられており、彼の『視点』を通してこの壮大な救いようのない物語が幕を開けるのことになるのです。年代及び舞台は、1869年の秋から冬にかけてロシアのとある地方都市と、その郊外にあるスクヴォレーシニキと呼ばれる別荘地です。 プロローグである第1部第1章ではこの領地を統括するスタヴローギン家の女主人であるワルワーラ・スタヴローギナ(以下ワルワーラ夫人)とかつてはロシアの思想界をリードすると目されていながら、現在はワルワーラ夫人の庇護を受け、年下の人間相手に酒とカード賭博に明け暮れるというステパン・ヴェルホヴェンスキー氏との20年にもわたる『友情』物語の経緯が綴られております。僕はここを読んでいて読み飛ばしてしまおうかと思いましたが、後の展開に繋がる重要な『複線』があるそうなので、我慢して読みました。 それにしても…。ステパン氏の会話の部分。日常会話であるロシア語の間に当時のインテリ、もしくは貴族階級の必須教養であったフランス語を交えるという話し方は読みながらなんとも言いようのないものを感じ、日本語と英語がちゃんぽんになってしゃべる人間…。たとえて言うならジャニー喜多川氏を連想してしまいました。第1部を読む限りではステパン氏は『いい人』です。ただ、この『いい人』ぶりが全体から見るとものすごく浮いているのですが…。しかし、この20年間の間に二人の関係は『行き詰まり』を迎えつつあるという暗示的な予感がところどころに挟み込まれております。 われらが主人公『ロシア負のファウスト』ことニコライ・スタヴローギンがようやく出てくるのは第1部2章の『ハリー王子。縁談』からになります。ニコライ・スタヴローギンはステパン氏から養育を受け、学習院へと進学し、軍務に就くというエリートコースの人生を歩みます。しかし、その頃からにわかに放蕩にふけりだし、さらには二度の決闘事件を起こし、ワルワーラ夫人を心配させるのです。ステパン氏はそんなニコライ・スタヴローギンの行動をシェイクスピアの戯曲である『ヘンリー四世』の登場人物である「ハリー王子(ヘンリー五世の青春時代のあだ名)」を引き合いに出し、「一時的なことだ」 となだめるのですが、ワルワーラ夫人の胸の中には言いようのない不安が渦巻いているのでした。 さらに地元にいるときのニコライ・スタヴローギンの起こした『事件』があり、それは 『公衆の面前でガガーノフという男の鼻をつまんで引きずり回す』 『リプオーチンの妻の唇に心行くまでキスをする』 『県知事であるイワン・オーシポヴィチの耳を噛む』 などのもので、どう考えても常軌を逸したものです。ニコライ・スタヴローギンは一連の事件が元で、故郷の町を追われることになります。それが物語の始まる4年前ので出来事でございました。 一方、ワルワーラ夫人はヴェルホヴェンスキー氏との『関係』を解決するために自らの養女であるダーシャと彼とを結婚させようと、あれこれと画策するのです。 物語の『転』である第1部第3章では何かにひきつけられるかのように、『悪霊』の登場人物たちが次々とこの町に帰還します。 さらに第1部第4章では足の悪い『神がかり』の女であるマリア・レビャートキナが登場し、大きな転換点を迎えることになります。 そして第1部のフィナーレである5章において物語はいよいよカオス的な方向へと導かれていくのです。マリアの兄であるレビャートキン大尉がニコライ・スタヴローギンからマリアに贈られた300ルーブルを横取りし、さらにその上、領地を貰い受けたと主張し、ヴェルホヴェンスキーと長年離れて暮らしていた息子であるピョートル・ヴェルホヴェンスキー。彼と父親であるステパン氏との『断絶』した関係を示すやり取りは、本当に読んでいてつらいものがありました。これらによって全体が引き裂かれていく中で現れたニコライ・スタヴローギンがマリア・レビャートキナと結婚していたのかという問いに、その『真実』をやんわりと否定したスタヴローギンがその事実を知るイワン・シャートフに殴られ、スタヴローギンはてを後で十字に組み、されるがままになっていたのです。それにはある恐ろしい『意味』が…。ひそかにスタヴローギンに思いを寄せるシャートフの妹であるリーザが絶叫して気を失うというところで終わります。 第1部でこのすさまじさ。残りを読むのが楽しみでもあり、また恐怖でもありますが、この『悪霊』がとてつもなく『危険』だといわれるゆえんだけは、なんとなく分かったような気がしてなりません。
俗悪と悲劇を結びつけるために多大な労力を要したであろう作品であり,構造を把握するだけでも複数回読まねばならないことは決まっている。その中で訳者による解説は心強い。
ドストエフスキーの本、以前挑戦した時は名前の法則の難しさ、(リーザとエリザヴェータは同一人物か?)などが把握しづらく挫折したが、本書の巻末の「読書ガイド」にて解説が添えられている。 ヴェルホヴェンスキー氏とワルワーラ夫人の関係がよくわからず、不思議だった。はじめは夫人の子供の家庭教師だったのか?と...続きを読むも思うけど、もう子供たちは大きくなり独立したりしているのに、未だに同じ屋敷に住んでいる。ハンサムなヴェルホヴェンスキーの服装にまで口出しして恋人のようにも見えるけど、姪との結婚を勧めたり。距離が近いパトロン?うーん。変な関係。 夫人の息子スタヴローギンとヴェルホヴェンスキーの息子ペトルーシャが登場するとちょっと面白くなってきた。
他のドストエフスキー作品と同じように、初めは名前を覚えるのが大変だった 序盤はそうでもないが、途中から段々と変な雰囲気になってきた 登場人物の一人一人に細かい設定があってすごいなあ
むかし手に取った時は、途中から何読んでるのかさっぱりわからなくなるほど、話が全く頭に入って来ず。 一巻の途中であえなく断念。 中村文則のエッセイ読んだことをきっかけに(バーの帰りに女の子の家にまんまと遊びにいけたのに、悪霊の続きが気になって仕方ない中村文則は、二兎を得ようとして女の子の部屋でモリモ...続きを読むリ悪霊を読み進み、結局女の子との間には何も起こらず朝を迎えた、あの悪霊)、そんなにおもろいんかともう一度チャレンジ。 2回目手に取った今回は、あら、こんな話でしたっけ? と思うほど、一度目の私のおぼろげな記憶にあった話とは全然違って、驚くほどスイスイと面白く読みました。 一巻の終わりまで難なくたどり着き、読書ガイドを読んでからは火がついた! 革命好きのあたしとしては、どうしても最後までたどり着きたい物語として認知した。 最後まで読んで、感想としては、それでもまだ今の私向きの話じゃなかったということ。 映画をたくさんみると、話なんか関係なく、この映画見ていたいと思える映画に出会えるようになるけど、 この本もきっとそういう本なんだと思った。 もっとたくさん本読んで、それでもっかい読んだらいつか、その豊かさが分かりそう。
文庫本の栞に書いてある『主要登場人物』を、多分300回くらい見たと思う。亀山郁夫さんは人名呼称を随分とシンプルにしてくれてるらしいけど、聞き慣れない長い名前を覚えるところがいつもしんどい。。 前半ダラダラ、第一部第五章から物語が一気に加速を始めたところで、第二部へ続く。 150年前にこんな超長編書い...続きを読むてるって、ロシア人すげえなあ。(ほぼドストエフスキー個人の凄さだろうけど。) ドストエフスキー本人がよく使う『ロシア的なもの』の意味が、掴めそうで未だ掴めず。残る二冊を読み終えた時に見えてくるか?
以前別の出版社のものを読もうとしたら訳が馴染めず序盤でリタイヤしてしまったけど、こちらは読みやすい訳なので読みきれた。 この訳者の訳は批判されることもあるようだけど、細かいところは一旦おいておいてまず読みきることを前提とするなら一番向いてる気がする。 しおりに登場人物表もついてるのでわかりやすいし。...続きを読む それでも後半までは話があまり進んでる感じがしなくてしんどかったけど、キリーロフの話は引き込まれるものがあったし、終盤やっとスタヴローギンとピョートルが登場してからは展開が気になって楽しく読めた。 ここからだいぶ話に勢いがつきそうな気がするので2巻も楽しみ。 (2024/01/22 再読)
「悪霊」は実は装飾本で部屋に一冊あるのだけれど、結局手軽に手にとれる光文社のものに手を伸ばす。ドストエフスキーを読むのは久々だけれど、一巻から徐々に感覚を思い出す。年始は悪霊の序盤を少しずつ読んだ。これから3月ぐらいまでの間、しばらくドストエフスキーの世界に浸りたい。
うーむ。 刺さらなかった。長いのはしかたがないとして、響いてこなかった。 ご縁がなかったということだろう。 あわせて「謎解き『悪霊』」も読む。
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