ホラーと暴力とSF。
表題作のOUT OF CONTROLは奇妙な読後感があって非常に面白い。ゾッとするかと思えば吹き出してしまうこともあり、笑いと恐怖は紙一重だと改めて感じた。
あとメトセラとプラスチックと太陽の臓器は、他が殺伐としていただけに、少しほっこりした。
天地明察のプロトタイプも収録されていたので、今度そちらも読んでみたいと思った。
0
2014年09月17日
Posted by ブクログ
ライトノベルから小説へ脱皮した、沖方氏の短編集。歴史小説的な天地明察につながる日本改暦事情からOut of ControlといったSFちっくな作品までをおさめた作品となっていて、筆者の想像力と疾走するような文体を思いっきり感じることができる。ちょっと森博嗣のような文体の作品も。
天地明察の本当に素晴らしい小説を生み出すに至ったのは、きっと時空を超えた想像力なんだろうなあ。「人間の心信・遊び心が極まって文化になるのだ」という粋を感じる文章から、筆者の持つ小説を書くということは、言葉を大事にして、それがもたらす文化に至るひとしずくを力一杯刻む作業なのだと感じた。仕事でもプライベートでも、自分自身が紡ぐ言葉とは結局何を作るのか。そして、文化に繋がる何かなのかということを意識していきたい。