ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
※こちらの作品は、Android端末と、他のOS端末の間でしおり同期ができません。
あらかじめプログラムされた音をくりかえし送りだす自動機械のプレイヤー・ピアノさながらに、すべての生産手段が自動化され、すべての人間の運命がパンチ・カードによって決定される世界・・・・・・アメリカ文学の巨匠が、優しさに満ち、かつ醒めた視線で現代文明の行方をブラックな笑いのうちにつづった傑作処女長篇。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
再読候補。華氏451とほぼ同じ時期にほぼ似たようなテーマで書いていますがこちらの方が好きですな。ユートピアにおいても官僚制は決して冷酷で硬質なものではなくて、むしろ情緒を取りこんだ家父長的な粘着質で生暖かいものだからこそ余計に凄味があるというか。
あらゆる仕事が機械化された時代が背景の小説。(もはやそんなに遠い未来のことでもなさそうだ。)バーもすべてが機械化されて回転寿し屋のように酒が回ってたりする。オープンしたての頃はその目新しさで話題を呼び、大盛況となったのだが、すぐにつぶれてしまう。その数ブロック先に、生身の人間がカウンター内に立ち、ジ...続きを読むュークボックスが置かれているバーがあったのだ。結局はみんなそこへ帰っていった。 そしてここから革命が生まれることになる。この酒場の描写箇所だけはこれがいつの時代だといっても通じる。外へ出れば、未来世紀ブラジルなんですけれど。人間が集まる場は人間を求める。酒場は永遠なんじゃないかと希望を持てた。ただ嬉しかった。
ヴォネガット初の長編小説。1952年。 500ページ近くあり、かなり長いが、やはりヴォネガットは長編がいい。 最初の長編ということもあり、いつものノリとはちょっと違う。 まず、なんと言っても時系列順に物語が進んでいる。これはヴォネガット的に珍しい。 それから、トラルファマドール星人もキルゴア・トラウ...続きを読むトもいない。 あんまりイカレた人は出てこない。しかしながら、「イリアム」という地名が登場する。 この先何度も出てくるこの地名、わたしは実在の都市だとばかり思っていたら、 架空なんだそうな。うーん、やられた。 そんなオーソドックスな手法で書かれたこの作品だが、 中盤くらいからだんだん箍が外れてくるの感じた。 序盤は、短編集にあるSFっぽいノリなのだが、主人公のポールが郊外に家を買うあたりから、 なんというかいつものヴォネガットだなぁと思った。 途中途中でさしはさまれる「ブラトブールの国王(シャー)」のエピソードは、 その後の作品に(形を変えてではあるけれど)引き継がれているように感じる。 わたしが感じる「ヴォネガットらしさ」とは、運命に逆らえずにどんどん流されていく視点にあると思う。 その変化を見つめる視点はいたって冷静で、どう抗ったところで引き戻されるものでもない。 その状況がそんなに「しっちゃかめっちゃか」なものであっても。 ヴォネガット文学の面白さは、彼が誘ってくれるその「しっちゃかめっちゃか」に乗ることにあると思う。 確かに皮肉もあるし、教訓もあろう。政治批判、文明批判、大いに結構。 ニヒリストとしてのヴォネガットは超一流。 しかし、そのニヒリズムは「しっちゃかめっちゃか」があってこそ映える。 彼は批判の対象について、是正を求めるような聖人ではない。 求められた是正が実行されたところで、絶対もとの鞘に納まることはない。 きれいに解決するわけはない。 そこまで描いてくれるから、わたしはヴォネガットを信じるし、 「あーでももうしょうがないじゃん」という人や事項が あっちこっちに存在することは、認めなくちゃいけないんだ。
「誰かが不適応のままでいなければいけない、今の社会に対して疑問を持っていなければならない」という信念を持って小説を書く(出版は許してもらえない)夫。とそんな夫を誇らしいと思う妻のエピソードが1番好き。 読んで1番に考えたのは「ブラフーナ!生きよ!」という言葉。うん、私もブラフーナ!あと、どんなに文明...続きを読むが発達しても人は人と触れ合って成長するんだ、うん。 それにしても、何でポールみたいな人がアニータと結婚したんだろな。
「第二次世界大戦ののち、わたしはしばらくシカゴ大学に通った。人類学科の学生であった。当時そこでは、人間個々人のあいだに(優劣の)差異というものは存在しないと教えていた。いまでもそう教えているかもしれない。もうひとつ人類学科で学んだのは、この世に、奇矯とか、性悪とか、低劣といわれる人間はひとりもいない...続きを読むということである。わたしの父が亡くなる少し前に私にこういった。「お前は小説のなかで一度も悪人を書いたことがなかったな」それも戦後、大学で教わったことのひとつだ」 (本書あとがきより、引用されていたヴォネガットの言葉) ここにヴォネガットという作家の「素」とでも言うべきものが凝縮されている。悪人のいない世界。個々の優劣など存在しない社会。その中で巻き起こる、愚かしく滑稽で、愛おしい出来事の数々。私は確かに、そういったものに惹かれてこの人の本を読み続けて来たのだった。そんなことを思い出させてくれる読書でした。是非一度。出来れば「タイタンの妖女」とか「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」を読んだ後に。
第三次産業革命により全ての生産手段が機械化、自動化され、一部の技術者や公務員を除く人々は皆閑職しか与えられずにいる、そんな近未来のアメリカが舞台。人事が全てパンチカードで機械によって振り分けられ、技術者や公務員と一般人との居住区が分けられているという、効率・能率優先主義の社会に疑問を持つ人たちが革命...続きを読むを起こすという話でした。機械化による雇用数削減という問題よりも、作中に描かれている格差が今の私たちにリアルに迫ってきます。SFというカテゴリーに入っていますが、それが好きな人も嫌いな人も読める作品です。むしろ、SFという枠を超えた作品であると言えます。長編ですが、すらっと読めるのでおすすめ。
読みやすいヴォネガット入門編かな。酷評の対象にされがちな本作だけど、彼の気持ちが素直に表れてるんじゃないかと。 失敗が見えていても壊さなければならない。 そんな人間への優しさを感じる一冊。
ある種のディストピア小説ではある。だがこの著者の手にかかると、どうもシリアスな感じにはならないようだ。ほとんど全てを手に入れることができる立場でありながら、ここではない場所の暮らしに憧れるポール・プロデュース博士の選択は果たして。皮肉ともいえるラストが印象を残す作品。
ヴォネガットの処女長編。 機械を壊す革命が成功したイメージでいたけれども、読み直してみて、そうではないことを知った。 ページ数は多いけれども、長さは感じさせない。 以降の作品に比べれば、時間も場所も、オーソドックスに展開するけれども、読み手をつかまえてはなさないストーリテーラーとしての手腕は、最初...続きを読むのこの作品からもある程度うかがえると思う。
舞台は第三次世界大戦後のアメリカ。大半の人々はテクノロジーに仕事を奪われ、少数のengineers & managersが富を得る形へと変わっていっていた。そんな物語の主人公は、東海岸に位置する架空の都市、Iliumの大企業Ilium Worksのマネージャー、 Paul Proteus。妻...続きを読む、Anitaと何1つ不自由のない暮らしを送っていた。しかし橋を渡ればそこに住むのは仕事もなく、社会から見放された大勢の人々。明らかな格差と人間の存在意義を問う姿勢が皮肉にも今の世界と通用する。 Vonnegutのデビュー作でもあり、のちの作品の原点とも言える。物語は定番のディストピアを題材としていて割と単調。しかし共感できる部分はたくさんある。SF好きには読んで欲しい一冊。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
プレイヤー・ピアノ
新刊情報をお知らせします。
カート・ヴォネガット・ジュニア
浅倉久志
フォロー機能について
「ハヤカワ文庫SF」の最新刊一覧へ
「SF・ファンタジー」無料一覧へ
「SF・ファンタジー」ランキングの一覧へ
あなたの人生の物語
青ひげ
アンドロメダ病原体〔新装版〕
ガラパゴスの箱舟
キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを
逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選
サンディエゴの十二時間
シティ5からの脱出
作者のこれもおすすめ一覧へ
▲プレイヤー・ピアノ ページトップヘ