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聞きたまえ! 億万長者にして浮浪者、財団総裁にしてユートピア夢想家、慈善事業家にしてアル中である、エリオット・ローズウォーター氏の愚かしくも美しい魂の声を。隣人愛に憑かれた一人の大富豪があなたに贈る、暖かくもほろ苦い愛のメッセージ……現代最高の寓話作家が描く、黒い笑いに満ちた感動の名作!
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Posted by ブクログ
この本が書かれた当時、まだ「格差社会」という言葉はなかった。にもかかわらずヴォネガットは、資本主義によってごく少数の人々にグロテスクなまでに富が集中し、一割の人間が、残りの九割が一生かかっても手することのできないお金と特権と享楽を手にするという未来を、正しく予見していた。 そのようなマンモニズムの世...続きを読むの中で、億万長者の一人が無上の隣人愛に目覚めたら? それがこの小説の主人公エリオット・ローズウォーターである。のらくら者やごろつきどもに愛とお金を惜しまないエリオットは、本書では気違いとして描かれる。しかし、読者はやがて気づくことになる。彼を気違いのように見せているものは、この社会の仕組み──つまり富の独占を善とする経済のあり方ではないのか。人間を勝者と敗者に分け、敗者を「努力せざる者」として切り捨てる社会。その歪みこそが、エリオットを「気違い」として浮かび上がらせているのではないか。 同時に、この物語は科学が発達した文明社会における人間存在の意味をも問うている。AIが次々と人間に置き換わろうとしている世の中では、ヴォネガットの作品ではお馴染みのキルゴア・トラウトが語っている通り、人間が人間であるというだけで愛せる理由と方法を見つけられなければ、文字通り人間は抹殺されるだろう。 なお、日本語では訳されていないが、本書には「豚に真珠」という副題がある。これははたして社会の役立たずに金を分け与えるエリオットを指しているのか、それとも肥え太る拝金主義者を揶揄しているのか。ヴォネガット一流のユーモアである。
これはSFでなないが、ヴォネガットらしい秀作 表紙 7点和田 誠 展開 7点1965年著作 文章 7点 内容 740点 合計 761点
お金が支配する近代アメリカにおいて、ユートピアを作ろうとした男の物語。 人生で最高の一冊のひとつとなった。
平安時代の美人は今ならちっとも美人じゃないだろう。 人間は実は努力なんかじゃどうにもならないくらい、ちょっとした現実のランダム関数で恵まれて生まれたり、恵まれなかったりする。 これは金持ちに生まれてしまったばかりに世の不条理に気づいてしまい思い悩む男の物語。 誰かを愛することは同時にその人以外を視界...続きを読むから外すことでもある。 自分たちだけ幸せになるのはおかしいと主人公は考える。 万人の幸せを望む。 じゃあ、万人を愛すればいいのか。 そうかもしれない、でもそれは彼を幸せに導いてくれたのだろうか。
大富豪でありながら慈善事業に大金を注ぎ込み財産をすり減らす男の物語。ヴォガネットらしい愛と皮肉とユーモアに満ちた独特の語り口が、読後に小さな引っ掛かりを残す これなんか、すごいいろいろ考えさせられた気がするんだけど… 詳細に思い出せない(‐‐; もう一度読みたいと思います!
たとえヴォネガットの作品が砂糖の錠剤ににがいコーティングを施しているだけのようなものだとしても、私は彼の作品が大好きだ。読み始めると どんなに抑えても感傷的なきもちになってしまう。ギャグっぽくコミカルに書かれているところもあるが私は全然笑えなくてむしろ悲しい気持ちになってしまう。SFを数行でまとめる...続きを読むというアイディアも素晴らしいし、聖書に対する解釈や現代社会の問題点にヴォネガット独自の視点があるし、なにより登場人物達のドストエフスキー的な胸中の吐露が胸に迫る。泣いた。
読んでいて、どうすればいいのかわからなくなって、馬鹿みたいにぼろぼろぼろぼろ泣いてしまった。 ヴォネガットの作品はこれが初読だが、読む前からからそうなる予感はしていた。きっと泣いてしまうし、きっと辛いだろうと。その通りだった。 「カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォーターさん~』は、この作...続きを読む家が世界に宛てた、一番新しい、一冊の怒りのラブ・レターである」(ジュディス・メディル) 怒りのラブ・レター。まさしく。 これは愛についての物語である。そして金についての物語である。 一人の男が限りない愛と、限りなく限りないくらいの金を、その身に背負って、生きる話である。 誰を救えばいいのか、という話ではない。 何を変えればいいのか、という話でもない。 世界はあるがままに。そして人間もありのままに。 みじめな人生に電話での話し相手と、わずかなお金を。 何も変わらない世界に小さなユーモアを。 そして、新しい命へ「ようこそ」と。 そうそう、あとはこれ。 「なんてったって、親切でなきゃいけないよ」。
*えり* 富と愛をひとびとに分け与えようとする、とある大富豪と、 彼を取り巻く人々の物語。 ローズウォーターさんに助けを求める人々は、 多くが金銭を求める人々ですが、 中にはほんのささやかな愛情だけを求めている人もいます。 ローズウォーターさんはその全てに応えようとします。 彼に何が起こってそ...続きを読むのような行動をとるに至ったのか? また、彼の行動によって、周囲に何が起こったのか? 「無償の愛」は、限りない困難に満ちています。 果たしてそれは実現可能なのか?実現するには、一体何が必要なのか? 「人間を人間だから大切にする」ということは、シンプルですが気付きにくい事です。 笑いと悲しみと真実が散りばめられたお話でした。 読んでいて色々な所で悲しくて泣きました。 また読み返したい本です。
僕の書評を読む人は、僕のことを心配せずにはいられないでしょうねローズウォーターさん。「こんなに五つ星を連発する人間はきっと酒に溺れている人間だ」そんな風に考えるんでしょうよ!‥なんて、思わずローズウォーターさんに電話したくなりました。自分のように感化され易い人間にとって、アメリカ人的でタフな会話や皮...続きを読む肉はすごく危険ですが、大好物でもありますw。
生きることを全肯定する素晴らしい物語だった。 最後の2,3行を読むまでまさか感動するなんて思わなかったんだけどね。
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ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
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カート・ヴォネガット・ジュニア
浅倉久志
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