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54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
2024年本屋大賞の超発掘本。 1994年の作品なので30年前の小説である。 昔の作品なので、文章読みにくいのでは?…… なんて心配していたが杞憂であった。 むしろ文章自体は読みやすい。 54個のフロッピィディスクのファイルを 順番に読んでいくことで、 途中幾度となく平衡感覚を存分に揺さぶられな...続きを読むがら 読者は一つずつ事件の全容を 把握していくことになる。 正直、物語がどのような方向に進んでいくかは 中盤あたりで予測できるかもしれないが、 54個目のファイルを見るまでは 気を抜かないでほしい。 最後のファイルこそが、 読者への「問いかけ」であり、 虚構が現実への侵食を始める触手であるのだから。
どんな作品かを知らずに読む本はやはり面白い。先の読めない面白さを味わうことができた1作だった。うすうすそうじゃ無いかなと思い始めてもなかなか確信へとは至らない。さらに、読みすすめていくと予想を超えた結末が待っていた。ジャンル絞った読書もいいけれど、たまには自分の範囲外の本を読む楽しさを思い出させてく...続きを読むれる作品でした。
フロッピイに保存されていた向井洵子によって書かれた奇妙な日記から物語は始まります。 かなり昔に書かれた小説なので、フロッピイやワープロなどが出てくるのは時代を感じますが、物語には古臭さは全く感じません。 とは言っても、結末というか、からくりは誰もが早い段階で気付くと思います。 それがわかってもなお、...続きを読む先へ先へと読み進めさせられるすごい小説です。 フロッピイに保存された様々な人物が語るファイルを読んでいくうちに、もやがかかったようだった謎の事象がどんどん明らかになっていき、読む手が止まらなくなることと思います。 最後の54番目のファイルには、一体どんな言葉が綴られるのでしょうか。
54個の文書ファイルからなるミステリ。謎から謎へと頭が混乱しそうになるが、引き込まれて読んでしまう。2024年本屋大賞発掘部門。 3.5インチFDとか、ワープロとか懐かしい用語が出てきますが、ストーリーは現在でも読み応えがありました。
日記や手記のようなスタイルで、数人がかわるがわる語ったり、行動を記したり、回想をしながら進んでいく。 最初はザワッとする日記から始まり、違和感がつきまとう手記や行動に続く。 これは一体どういうことなのか?混乱し始めるも途中で、もしかしてこういうこと?と話の展開が読めてくる。 他の方々のレビューでも同...続きを読むじように、途中でオチが分かったというコメントが出ているが、それは作者も想定していて、そのうえで話が進んでいるのでご安心を。 展開やこのストーリーの仕組みが分かった上で、最初の様々な出来事を振り返ると、なぜそこに至ったのか想像し得て、理解もできるだろう。 こんなことが現実世界で度々起こっていたら、それはかなり恐ろしいだろうと思う。安心して過ごすことなど出来ないだろうから。 自分を守るためにこんな事が起こるなんて、人間の脳と精神はなんて不思議なんだろう。 流れが読めたあとも、ストーリーは楽しむことができた。 これはダニエル・キイスの例の小説がヒントになったのかなぁ、とも思う。
本屋大賞発掘本で知り購入した作品。 井上夢人さんは名前は知っていましたが読むのは初めてでした。31年前の作品でしたが、最近の作品みたいに感じました。すごく面白くて夢中で読めました! タイトルとあらすじだけで読んだほうが楽しめると思います! フロッピーディスクなど昔の物が出てくるので懐かしさもあり良か...続きを読むったです。 読み進めるにつれてどんどん主人公に変なことが起きてきます。最後までどういうことなのかわからなかったです。 少しどういうことか分かりづらい部分もあったけど、最初から最後まで良かったです!
どういうこと?えっどういうこと?とぐいぐい引き込まれ、一気に読み進めた終盤ではなんとなくそうかなと思った展開だった上にそれはずりぃよって思ったところがあったのでちょっとテンション下がったりしたものの、最後にやられた!となり全体的にはとても満足しました。 最後のページ、直感的にバッドエンドだと思ったん...続きを読むだけどどうなのかな
最初の向井洵子の日記から、先が気になってはいたものの、頭を整理しながら読むのが大変だった。 途中で、もしかしてと思い始め、でも、どこまで?ってなって、え?もしかして?ってなってからは一気に読み進められた。 自然に生まれたってのが不思議だな。 日本にはいないって、この小説の中では言ってたけど、実...続きを読む際にいるし、そういう本もたくさん出てるから読みたいなと思う。 結末は、結局は読み手が決めることだけど、受け入れられる器がその人にあるとは思えないけどな。
面白かった! 寝ようと思って読み始めたら、そのまま読み終わってしまいました。 話の筋は読める、というか読めるように書いてあるのですが、それでも展開が巧みで、惹きつける力のある文章でした。 最近の流行りなのか、近頃は暴力表現の過激な本が多いと感じますが、これは昔の本だからか、あるいは著者が優しいため...続きを読むか、バイオレンスな感じはなかったですね。
序盤の少し不気味な出だしからすぐに引き込まれてしまった。 最初は何が何だかよく解らずに読み進みんでいって、終盤で納得。
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