グリフィスの傷

グリフィスの傷

1,760円 (税込)

8pt

からだは傷みを忘れない――たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。
「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。

「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい――「竜舌蘭」
「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は――「グリフィスの傷」
「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける――「まぶたの光」

……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。

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グリフィスの傷 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    傷にまつわる10の短編集。

    シンプルに傷と言っても、
    目に見える傷、目には見えない心の傷があり、傷を受けた側・傷を与えてしまった側とさまざまだ。

    人は驚くほど、人の痛みに無自覚なのだー
    みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしているー

    傷と向き合い、傷と共に生きていく。

    0
    2024年05月23日

    Posted by ブクログ

    静かで優しくて冷たい傷の短編集。
    痛い傷もあれば、生きるために必要な傷もある
    見える傷、見えない傷、見せるための傷
    読みやすくジンと染み入って来るお話ばかりだった
    千早さん、やはり好き

    0
    2024年05月02日

    Posted by ブクログ

    この作品を読んではじめて、今までの作品をどうして好きになったのかが深くしっかり腑に落ち、この作品は千早さんの真骨頂だと思った
    傷と向き合って生きていく、ということをこんなにも真摯に様々な形で書き続けられる人がいる、それに勇気づけられて生きている

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

    「傷」にまつわる短編集、どの話も面白い。
    身体に、心に、刻まれた無数の「傷」、治癒するもの、しないもの。
    これまで、ほぼほぼ無傷で生きてきた自分は、他者の「傷」にどれだけ鈍感だったか、他者を「傷」つけてきたのか。

    0
    2024年05月26日

    Posted by ブクログ

    『傷』をめぐる短編集。
    目に見える傷、目には見えない心の傷について、どのエピソードも短いながらも重みのある内容でした。
    個人的に印象に残ったのは『この世のすべての』で、主人公と顔のひきつれた男が、傷を負わされた対象に向かう恐怖心が逃避だったり怒りだったり、共通した思いを持っているかと思いきや…ラスト

    0
    2024年05月12日

    Posted by ブクログ

    どのおはなしも、本当にすてきでした。
    ちくりと痛む傷口からかすかに漏れるやさしい光が、読者を包んでくれます。

    千早さんの作品は2つめですが、読むとこころが落ち着きます。
    わたしの中にある純度の高い部分が、ゆっくりじっくり、広がっていくようです。

    0
    2024年05月10日

    Posted by ブクログ

    この1冊から、「傷」は癒えたのではなく見えにくくなっただけなのだ、と教えてもらった。

    きっかけがあればいつだって、生々しく痛みだす。
    どんなに明るく見える人だって、必ず「傷」を抱えて生きている。

    でも私たちは傷つかずに、傷つけずに生きることなんてできない。
    あの人の「傷」は気遣うべきで、あの人の

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    「傷」についての10のお話。
    「傷」と言ってもいろんな「傷」がある。
    見える「傷」見えない「傷」

    自分も体に大きな「傷」を負った事がある。
    今はほとんどわからない状態になってる。
    小学生の頃の「傷」
    母親は「その傷のせいでイジメにあったらどうしよう」とか、大きくなって「手術して目立たなくしたい」っ

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

    千早茜さんの本は長編が好きなのだが今回の短編集はどのお話も満足だった

    傷をテーマとした10の物語
    中でも一番好きなのは「この世のすべての」
    同じマンションの住人であるこの世のすべての犬が嫌いなトラブルメーカー男とこの世の全ての男が怖い女子高生の話
    お互いに分かり合えているのかと思いきやラストに驚い

    0
    2024年04月30日

    Posted by ブクログ

    好きな作家さんである千早茜さんの新作ということで本作を手に取りましたが、「傷」に対するエピソードがこんなにもあるのかと思うとともに、千早さんの繊細な描写が心地よくてとても面白かったです。

    本作は「傷」にまつわる10の物語が集まった短編集。傷つくことで得られる痛みや、トラウマとして残る傷、思い出とし

    0
    2024年04月27日

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