ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
アフォーダンスとは環境が動物に提供するもの。身の周りに潜む「意味」であり行為の「資源」となるものである。地面は立つことをアフォードし、水は泳ぐことをアフォードする。世界に内属する人間は外界からどんな意味を探り出すのか。そして知性とは何なのか。20世紀後半に生態心理学者ギブソンが提唱し衝撃を与えた革命的理論を易しく紹介する。(講談社学術文庫)
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
2023.05.01 「行為のあるところには、かならず行為を取り囲むことがある。 まわりがあって生きもののふるまいがある。」 環境が、動物の行為にどう影響を与えるか、 環境にはどんな意味が潜むのか、 行為を司る知性とは何なのか、を探る本。 エピローグで引用されている、田中小実昌さんの文章に共感...続きを読むする。 確かに、中学生くらいで初めて遠出した時の違和感と緊張感と高揚感はこんな感じだったかもしれない。 私がいようがいまいが、世界はそこにある。 私がいようがいまいが、世界は動いている。 生きもののふるまいは、世界が動かしている。 生きものがふるまえば、世界も変化していく。 世界が違って見えてきて、私は今日も散歩が楽しい。 ヒトの赤ちゃんの手も、キャベツの根や幼根もぐるぐる回っている。 みんな世界を探っている。 あと、ダーウィンの凄まじい実験と観察のエピソードと、その本質を見つめる力には敬服する。。
「アフォーダンス」について予備知識がなかった私は、この本を書店で見つけたとき、人体のイラストの表紙のせいもあって、どんなダンスだろうか、アフォ(=アホ)のダンス…?などと想像してしまいました(本当です)。しかし、「アフォーダンス」は、ダンスではありませんでした。 それは、ある生物を取り巻く状況がその...続きを読む生物に与える情報や刺激のことです。たとえば、大地は私たちに立つことをアフォードし、椅子は座ることをアフォードする。私たちが森林に分け入って感じる清々しさは、森林が私たちに「清々しさ」という感触をアフォードした、となります。 このようなアフォーダンスの考え方を敷衍(「ふえん」…他のことにもひろげて当てはめること)すれば、人間の感情や性格も、私たちの内部にあるのではなく、外部からアフォードされてはじめて生じるものだ、と考えられます。とすれば、私たちが悩むとき、その悩みは、普通考えられているように私たちの内部で生じるのではなく、外的に与えられたものであり、したがって、その悩みを自分から切り離すことは、私たちが思い込んでいるよりもずっと容易だ、と言えます。 生態心理学と言われる「アフォーダンス」の考え方は、禅で言う「無心」という境地に、科学的な心理学の方向からアプローチしている、と言えるのではないでしょうか。 『〈心〉はからだの外にある―「エコロジカルな私」の哲学』(河野哲也、NHKブックス)も、「心」が実は、自分の外の「環境」と影響し合うものであることを理解し易く説明してくれています。(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2009年4月号掲載
アフォーダンス理論は思っていたよりもすんなりと理解できたが奥深くて興味を持ってよめた。具体例、とくにダーウィンのサンゴ礁、ミミズの研究についてが面白かった。
岩波のブックレットの方も、直球勝負でインパクトがあったが、この本は別の意味で、インパクトがあった。それはダーウィンの生物をありのままに観察する、その虚心坦懐さである。ダーウィンとギブソンが重なるとは!!!である。 以下、気になった記述。 ・行為は何もない「空間」ではなく、アフォーダンスの充満してい...続きを読むるところ、すなわち「環境」でおこなわれている。 ・(ベルンシュタインの「協調」をうけて、)1980年代以降の運動研究のモデルは「指令からシステムへ」という方向へと大きくシフトしつつある。 ・ダーウィンが見たかったことは二つのこと。一つは植物にも動物にもあるはじまりの「ありのままの運動」、そしてそれがその後にたどらざるをえない変化の運命。 ・ギゼリンの「ブルート・ファクツ」 ・なぜ行為の発達を見るときにブルート・ファクツからはじめなければなないのか。その理由の一つは、はじまり(オリジナル)の動きから観察を開始しないと、結果から動きに起こっていることを説明してしまうという誤りを犯す可能性があるからだ。(悪い例:ピアジェの赤ちゃんのリーチング) ・ダーウィンのメッセージ:ぼくらが行為(生き物)に観察できることは「はじまり」と「まわり」と「始まりからの変化」しかない。 ・知覚情報には自分以外の「外部」についての情報と、自分の身体についての情報という、二つのことが、切り離せないかたちで存在している。 ・身体は環境と多重に接触している。 ・世界には知覚システムをこえた複雑な情報がある。 ・(解説)ブルート・ファクツから見ると、SSTがなぜ失敗するかの考察が面白い。
アフォーダンスとは・・ある特定の生物にとって、その環境が持つ意味、役割、機能のことであろうか。植物のツルが螺旋を描くこと、ミミズが土壌を盛り上げて地表の物を埋めていくことは、それぞれが目的意識を持って行動しているわけではないが、シンプルな生物の動作パターンが環境のアフォーダンスと相互作用を起こし、結...続きを読む果として種々の状況にその生物を適応させる。そこには因果律や目的論によるシンプルな内的システム構造は無く、ただあるのは主体と環境を合わせた全体システムの中での交信である。そこに知性を見るのかどうか・・?
p.30「生きものの行為とその周囲とはどうやら二つで一つのことなのである。」 p.132「脳とはおそらく、環境の「絵のようなイメージ」を浮かべるところではなくて、環境と持続して接触する全身のシステムの一部なのである。脳にあるのは世界の「地図」ではなくて、世界との関係を調節する働きの一部なのである。」...続きを読む 読みやすい。アフォーダンスという概念が初めて分かった気がする。「生きもの」と「世界」がどのような「感覚」と「行為」でつながっているかについて、とにかく抽象的になりやすい説明を、できる限り具体的な例に落とし込んで解説している。 世界は、想像以上にシンプルでいて、想像以上に複雑で、つまりあるがままの姿なのです。
アメリカの心理学者ジェームス•ギブソンが造った造語、アフォーダンス。『環境が動物に提供するもの』をダーウィンの研究等を紹介しながら平易な言葉で紹介した本。人間を含む全ての生き物のまだまだ知らなかった一面に面白さを感じた!
最初延々とサンゴの話が続いて心配になった。その後も更にミミズの話が長々つづくけど、読み終わればちゃんとアハ感がある面白い本。
環境とは単なる容れ物にあらず。生物の行動を様々にアシストし、生物は自己と外界の境界に己の取りうる次の一手を模索していく、そんな双方向コミュニケーションを提供する場、それが環境であり、そうして環境が生物の行動に提供する意味群をアフォーダンスという。僕らが普段取る行動は自律的なものではなく、不断に環境に...続きを読む促されていると考えてみるとき、知性は個体に内在するものではなく、個体と環境との協働から生まれるものということができる。ということは、僕らを包むこの世界それ自体が、僕らを含む一つの巨大な群体と捉えられる……ってこと?
ものすごく読みやすい。といってさくっと分かる概念でもないのだが。アフォーダンスとリソースと認知、それと足場がけをこれから考えてみるかな〜。まずは「あそび」が大切、と思った。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか
新刊情報をお知らせします。
佐々木正人
フォロー機能について
「講談社学術文庫」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
新版 アフォーダンス
試し読み
時速250kmのシャトルが見える~トップアスリート16人の身体論~
「佐々木正人」のこれもおすすめ一覧へ
▲アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか ページトップヘ