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〈ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品〉これは、“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語――急逝した著者がユートピアの臨界点を活写した日本SF大賞受賞作。※本文中にHTMLタグのような表記がありますが、これは本書の仕様です。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろい! 言語化が難しいが、身体が熱くなって動悸が速まる、そんな物語。 社会のリソースとして「生命主義」を敷く生府という構造は、フーコーの「政権力」論による。フーコーの著作を読んで唸らされた諸事象が、フィクション作品として再度衝撃を与えてくれた。その他にも、自由意志・意識・死といった...続きを読むテーマが扱われているが、これらのようないわば陳腐なテーマも、読者にとって新たな側面で描き出されていて、改めて考えさせられるよいきっかけとなった。 もし自分が「メイルストローム」を止められるなら、ボタンを押すだろうか。『三体』の葉先生と同じ状況だ。人間なんてどうしようもないのだろうか。綺麗事で片付くものではない。
人生ベスト3に入るSF作品。数年ぶりに再読しましたが、世界観もキャラクターも好みすぎて何度読んでも面白い。最高の作品です。 「健康であるとは何なのか」「他者を思いやることはどこまで正しいのか」といったテーマが、ハーモニーでは常に提示されます。もちろん健康である、他者を思いやること自体は悪いことでは...続きを読むありません。むしろ推奨すべきことだと思います。しかし、そのためにあれもダメ、これもダメとルール付けし、個人の自由を縛っていくことは本当に良いことなのか。互いに支え合うためという名目で、我慢し続けることは正しいことなのか。もしそれを正しいとすると、「わたし」という個々の意識は必要なのだろうか…。 なんて、考え出すと止まらなくなってしまうんですが、読み返すたびにそんな思考に至るのが、ハーモニーの魅力の一つかもしれません。このテーマに対する正解はないと思いつつ、だからこそ議論したらとても楽しいと思うので、ぜひ誰かと感想を語り合いたいですね。
・こちらのほうがなんとも残ってる ・重い本を持つことは社会的正義に反する ・ワッチミーによる完全監視社会 ・こどもは守られなければならない ・スコアリング ドミネーターみたいな社会感 ・キアン、ミァハ、 ・ひところしのほんは良くない ・リソース意識 ・さよなら、わたし、さよなら、たましい。
ユートピア感のあるディストピアの話は個人的にとても大好き。終わり方も最高に好き。 戦争や暴力、疫病や無秩序は間違いなく人の不幸を招くけれども、逆に振り切れば(完全な健康と秩序)人類は幸せになれるのか。「病気にならないこと」と「病気になることが許されないこと」は似て非なるものではあるけれど、じゃあどう...続きを読むすれば人類は幸福になれるのかと言われると難しい。社会性とプライベートを両立させるためには、人は傷つきながら進むしかないんだろうな、と思う。
・SF長編と聞いて難しそうに思っていたが、主人公の一人称視点と、あくまで僕らが住む世界のifの延長線上として描かた世界観で、すんなり読み進めることができた。 ・ヒトの幸福や意志についての堅苦しい内容ばかりかと思いきや、少年漫画のようなハラハラドキドキする展開もあって、ワクワクしながら読めた。 ・変に...続きを読む希望的展開にはせず、この世界のこの状況で成るべくして成った。といったラストだったので、個人的には満足。 ・この作者の作品は初めてだったが、以前に出版された「虐殺器官」が、本作で登場する大災禍に至る物語らしいので、ぜひ読んでみたいと思えた。
詳しくは収まらなかったので自分のメモにて 不思議と、これを読んだあとに何カ国か旅をして日本に帰ってきた時、清潔感がある整ったインフラや健康志向の色々なものに対して、既視感のある息苦しさみたいなものを感じた。トァンが言っていた感覚に少し近かったのかもしれない。
伊藤計劃。その人は、デビューしてからわずか2年で34年の人生を終えた。 本作は彼が亡くなった後に日本SF大賞を受賞した作品。 私はSFには疎く普段は手に取らないのだが、書店に平積みされた真っ白な文庫が目を惹いたのと、帯に書かれた「人間は、なぜ人間なのか。」「病床で遺した最後の長編」にその場でショック...続きを読むを受け、チラリとページを開いた。 飛び込んできたのはプログラミングのような文字の羅列。 すぐさま購入した。 理想郷ユートピアをめぐる少女たちの戦い。 まだ無垢で、純粋に懸命で、それでいて妙に冷めた大人の一面も持つ少女達の危なっかしさが、悲しくも美しい。 そして怖い。 ユートピアとは名ばかりの、見せかけの「善」。 人間として健康な身体で生きていくとは、どんなことなのか。 人間が持つ欲望、個々の意思、行きすぎたそれらは悪なのか。 では行きすぎるとは? 絶対的な統制の方こそ、悪なのではないか。 全てを善悪では片付けられない。 今この現在に生きている私達でさえ、どこまで統制を目指すのが正しい社会なのか判断するに難しい状況に出くわす。 秩序とは時に強制にならないか。 いやしかし「自由」は歯止めが効かなくなる恐ろしさも孕んでいる。 本書は、読み進めている間も、読後も、私達に疑問を投げ掛け続ける。 そしてプログラミングのような文体の意味が分かった時にやってくる、深い納得と、悲しさと、違和感。 そして文學界から既に失われてしまっている、伊藤計劃という才能に想いを馳せずに居られない。 病と生が共にあったのであろう彼にしか書けない作品だ。 小説の奥の奥に、彼自身の人間としての戦いや答えのない疑問が渦巻いているようで、 読み終えてからも暫くは、ハーモニーの世界から抜け出せない私が居た。
SFってひたすら未来的な世界のイメージだったけど、こんな『意識』と『意志』についてのSFは新鮮だった 『ハーモニー』によって得られたものと失ったものの物語 伊藤計劃さんの新作がもう読めないのが残念すぎる
ユートピアとディストピアは表裏一体。 精神と肉体と本能の関係性。 「わたしは逆のことを思うんです。精神は、肉体を生き延びさせるための単なる機能であり手段に過ぎないかも、って。」pp173 「みんなは決めつけてくれる人間が好きなんだよ。何かを決めてくれる、決断してくれる人間の周りには「空気」が生ま...続きを読むれる。科学者はそれが苦手なんだ。だって、正しいことっていうのはいつだって凡庸で、曖昧で、繰り返し検証に耐えうる、つまらないことなんだから。」pp209 「人間は絶えず「自然」を抑え込んできた。都市を築き、社会を築き、システムを築いた。全ては自然という予測困難な要素の集合を、予測し統御する枠組みへと抑え込もうとする人間の意志の現れだ。(中略)そして、脳もまた肉体の一部である以上、それを制御してはならない根拠など、どこにあるだろうか。」pp256 「我々の魂とは、進化後その場その場で継ぎを当ててきた双曲線的な価値評価の産物でしかない。完璧な人間には、魂そのものが不要なのだ。」pp264
面白かった。 伊藤計劃さんの描く世界観はとても好きだ。 虐殺器官との関連性もあって読んでで彼の世界を体感できた。
#ドキドキハラハラ #カッコいい
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