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旧制第一高等学校に入学した川端康成(1899-1972)は、1918(大正7)秋、初めて伊豆に旅をして、天城峠を越えて下田へ向かう旅芸人の一行と道連れになった。ほのかな旅情と青春の哀歓を描いた青春文学の傑作「伊豆の踊子」のほか、祖父の死を記録した「16歳の日記」など、若き川端の感受性がきらめく青春の叙情6篇。
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Posted by ブクログ
有名な『伊豆の踊り子』を早速読んだ。語彙が時代を感じさせるが、文体は瑞々しく、大正期の作品とは思えないほど映像的な文章で驚いた。 当時の高校生は今の大学生に当たるだろうか。勉学に励むなかで、青少年にありがちな自意識による若さが何となく共感できる。やっぱり、女の子の気を引きたいけど躊躇してしまうこと...続きを読むあるよね、的な。 温泉宿巡りの旅も、どこか感傷的な衝動から始まり、その途中で出会った旅芸人達の一行と道を共にし、情が移っていき、なんとかしてやらなければという心で動く彼は、お人好し以外の何物でもないが、愛すべき人である。 その繊細さ故に、彼は旅芸人一行と別れるとき、例の踊り子と別れるとき、静かに泣くのである。 青少年の心の機微の描写が巧みで、感嘆する次第である。
物書きは、“女”と“食”が書ける様になって初めて一人前だと言われているらしい?。正に この様なお話の事を言うんでしょうか。 美しく 儚く 可憐で それでいて 芯の通った強さを感じる“女(ひと)”。 もう少し勉強して、もう一度通読してみたいと思うう。
伊豆に旅行に行ったので、ベタなチョイスをしました。「伊豆の踊子」は、今まで読んだ川端作品の中では喉の通りが一番良く、快い作品だと思う。ひたひたした暗闇も含んでいるが、そこに染まりきっていない。はじめは伊豆の雨に主人公は洗われ、踊り子一行との交流と別れを経て、自らの涙で洗われる。人と人との関わりと言う...続きを読むのは、どうしても時を経るごとに垢が付いてしまうと思う。そこもひっくるめてが人間だろうが、この作品では踊り子やその家族のような一行と触れ合うほどにその生き方が切なくて、ほのぼのと暖かく、ああ良い人達だという想いが強まる。そばにいるほど心が洗われていく。珠のように美しい作品だ。あとは「十六歳の日記」「招魂祭の一景」「温泉宿」が好きだった。中でも「温泉宿」の酌婦達の行く末の鮮烈さが忘れられない。幾人も女の子が出てくるがハッキリとした印象がそれぞれにあり、お滝・お雪・お清・お咲それぞれに違った魅力が溢れている。お滝とお雪の友情、お清の弱さ、そして最後のお咲が叩き割り砕け散るガラスのかけら。ちょうどこれを読み終わったあと、伊東の東海館に行った。古い閉館された旅館を見学出来るところで「温泉宿」の舞台となった所とは違うが、意匠を凝らした館内には、今でも客の哄笑と料理のにおいがムッと漂ってきそうで、そこここに彼女たちがいるような気がした。
不朽の名作。初恋、旅路、限りある二人の時間など、郷愁を誘うキーワードがちりばめられています。ただただ純粋な恋というものは、経験を積むごとに、するのが困難になっていく。だからこそ大人になればなるほど、私はこの作品をますます愛しあこがれるのかもしれません。
川端をばかにしていた。ノーベル賞作家はどうも印象が良くない。今まで川端というと「なんか静かで、きれいっぽいこと書いてるだけでしょ?」と勝手に思っていた。でも、全然ちがった。 確かに川端の世界はきれいだ。でも、そのきれいさは「よくある美しさ」とはちょっとちがう。 たとえば「伊豆の踊子」に何気なくは...続きを読むさまれた「通風の爺さん」のエピソードがある。本編とはまったく関係ない。関係ないがゆえに、あのシーンだけが妙に頭にこびりついて離れない。 なぜあの「爺さん」が頭にこびりつくのか? ポイントの一つに心理描写が少ない、ということがあげられる。心理描写がないゆえに「え、これはどういう意味なの?」という謎のエピソードが浮かび上がってくる。それは決して「きれいなエピソード」ではない。でも物語に組み込まれたとき、なぜか不気味な美しさを持つようになる。通風の爺さんのエピソードは、まさにそういうものだった。 収録作「禽獣」にも同じことが言える。この中に、主人公が小鳥の足を口にくわえるシーンがある。何のてらいもなく、男はパクリとくわえてしまう。それはすごく異様な気がする。だけど川端は実にあたり前にそれを描く。くわえるのが当然ですよ、と言わんばかりにくわえてしまう。そのときこの異様な行為が、ふしぎな美しさとともに立ち上がってくる。 もっとも今自分は「小鳥」だとか「爺さん」という、一風変わった例を出した。これらは川端の本領ではないかもしれない。収録作「温泉宿」におさめられたあの「女」たちの魅力が、川端文学最大の魅力かもしれない。ここでもやはり美しいのは、本来美しくない女である。貧相な娼婦である脇役の彼女のことを、忘れられそうにない。(けー) (注…実は自分は新潮文庫版で読んだ。「禽獣」は新潮文庫版にしか収録されていない)
デビュー作を含む、川端康成の初期の作品集である。 若さ故か、私の読解力不足か、所々で話者や情景がわかりにくい箇所があった。 しかし、それでも後の文豪となる片鱗を見せ、毒のないサッパリとした文章でありながら、森や温泉の匂いが鼻先にツンと香ってくるような、艶かしい表現を併せ持っている。 特に印象的だっ...続きを読むたのが『青い海黒い海』だ。自殺をした男の手記である。揺れ動く人間情緒を追った他作品とは一線を画した短編になっており、別の作家の作品だと勘違いしてしまいそうなほどだ。かなり哲学的な内容で、ハマる人はとことんハマるだろう。 日本で2人しかいないノーベル文学賞受賞者は伊達じゃない。しかし、ここまで美しい小説と、あそこまでドロドロとした小説が同じノーベル賞だなんて、私には理解できそうにない。
『十六歳の日記』 奇を衒う表現がないので読みやすく、表現が簡素であるためか却って表現以上のものを感じる。 『招魂祭一景』 正直、情景が全く浮かばなかった。わざとわかり難く書いているのか、狙い通りに書くとわかりにくくなってしまうのか、それとも当時の著者に表現力が足りないのか。単純に若いだけとも感じら...続きを読むれる。 『伊豆の踊子』 大学の頃に一度読んで「だから何なんだ」と感じた以来で二度目。『雪国』ほどの胸一杯感はなかったが、それでも今回は、踊子の駆け引きのない少女らしい言動にキュンキュンした。踊子は結局主人公に惚れていたのだろうか。少女から女性への成長の途中といった感じで、場面によって言動に揺れがある(当然)。いつの時代でも、これくらいの女の子の方が却って肝が据わっていて怖いもの知らず。どうかして東京に出てやる、とでも企んでいるようにも感じた。 『青い海黒い海』 安部工房の『砂の女』を思い出した。厨二病の男子学生の妄想哲学といった感じ。良い作品かどうかは置いておいて、個人的にはあまり好きではない。『砂の女』も、合間合間にはさむ昔付き合っていた女(?)との話の回想が青臭くて受け容れなかった。 『春景色』 ロマンチックな作品。今巻の中で唯一の(?)明るい作品。読みたい本が溜まり過ぎているのであまりじっくりは読まなかったが、なにかの折に引っ張り出してゆっくり読みたい。 『温泉宿』 温泉宿にいろんな条件で勤めにくる女たちを描いた作品。今作にかぎらず今巻のどの作品にもいえるが、読んでいると柳田國男の『木綿以前のこと』だっかに載っていた、方々を旅する遊女(?)の話を思い出す。むかしは流れ者というのが沢山いたとか。『温泉宿』の女たちはそれぞれに過去があって、温泉宿にずっといるわけでもなく、出たり入ったり。そこを出て出世することを夢見たり、反対にそこを死場所と思い定めたり、いろんな人がいる。まえに似たような作品を読んだ記憶があるが思い出せない。そのときも余韻が尾を引いて色々頭の中の整理がつかなくなりしばらく病んだ。
川端康成が二十代の頃に書いた作品を収めた短編集。表題作他、「十六歳の日記」「招魂祭一景」「青い海黒い海」「春景色」収録。「十六歳の日記」は盲目で寝たきりの祖父の死を記録した日記であり、淡々とした筆ながら、読むとその苦労が忍ばれます。「伊豆の踊子」は何度目かの再読。朗らかで明るい作風は何度読んでも爽や...続きを読むかな感動があります。「青い海黒い海」も別の本で読んでいましたが、やはり難解です。不思議な夢を見ているような心地で、新感覚派と呼ばれた作風が色濃く出ているように思えます。「温泉宿」は村里の温泉地で商売し、暮らす女達の生き様やどうしようもない哀しさを描いた作品。川端康成は女であること辛さや哀しみを描き出すのに秀でた作家さんだなと思いました。
こないだ河津・下田へ行ったばかりだったので読みたくなった「伊豆の踊子」だけ読んであとは積ん読。 ”下田の港は、伊豆相模の温泉場なぞを流して歩く旅芸人か、旅の空での故郷として懐かしがるような空気の漂った町なのである。” っていうフレーズ、心と体にじわーんと染み渡りました。
伊豆の踊子だけ読みました。 主人公と踊子がくっつくかと思いきや、なかなかくっつかなかったので何とも歯がゆかったです。 最後の船に乗ったときは寂しい気持ちになりました。
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伊豆の踊子・温泉宿 他4篇
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