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冷戦後の史料公開や研究の深化により,ホロコーストの「傍観者」=現地社会の加害の面が明らかになった.世紀末ウィーンに一八万人いたユダヤ人の苛烈な追放を可能にしたものは何か.多民族帝国から近代国民国家への激震の中,被害と加害のはざまを揺れ動いたオーストリアのホロコーストを,戦後の歴史政策も含めて描き直す
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Posted by ブクログ
オーストリアのウィーンにはユダヤ人社会があり、反ユダヤ主義も根付いていた。そして、それは大恐慌からのナチの台頭、合邦により、拍車がかかることになる。 戦後、オーストリアはユダヤ人迫害に対する補償を拒否し、公式に認めることになるのは90年代以降である。これは被害者であり加害者でもある複雑な経緯が起こし...続きを読むたものでもあり、それらを紐解くのが本書となる。 本書ではアイヒマンのウィーン時代が詳細に描かれている。アイヒマンといえば、どうしても「ユダヤ人問題の最終解決」以降が語られがちなので、なかなか貴重な文章ではないかと思う。ウィーン時代のアイヒマンは移住計画において残酷な成果を上げる。 そして、アイヒマンとセットで引かれやすいのがアーレントだが、本書でも当然のように名前が出てくる。本書においては、ユダヤ人の道徳的崩壊という点において注目されている。ユダヤ人迫害に関して、ユダヤ人のなかにも協力者がいたということは、つとに知られてはいるが、こちらもあまり触れられないテーマではある。 総じて、被害と加害が織りなす複雑な歴史を概観しており、単純な二項対立には回収されまいとする文章である。
オーストリアの歴史やその周辺の20世紀初頭の情勢が読みやすく書かれていると思います。レーヴェンヘルツとムルメルシュタイン。
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ウィーン ユダヤ人が消えた街 オーストリアのホロコースト
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野村真理
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