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二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった──。翠(すい)の国は百数十年、鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・〓(ひづち)が治めていた。ある日、〓は幽閉してきた旺廈の頭領・薫衣(くのえ)と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。日本ファンタジーの最高峰作品!!(〓は禾偏に魯)
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Posted by ブクログ
初めて澤村さんの作品読んだけど、久々の★5つだな 作品の説明しようと思ったけど、読むのが一番‼ この作品が、何も受賞していないというのが信じられない 私がお薦めしたい作品です
この本、凄く考えさせられる…。 戦争だったり、憎しみの連鎖って想像以上に苦しいし、負の遺産としてずっとずーっと続いてく。 この本の主人公達のように、強く決意して変えていけたら… 世界も変わるなぁ… 世界中の上に立つ人に読んでほしい!
為すべきことをなせ。2人の頭領が代々のうらみを一つにまとめて血筋を融合させる。 長く苦しい時代を平和にするためにお互いを犠牲にして治めていく壮大な物語。 信念が揺らぐことなく回り道をしながら進んでいく話に半日が一日読んでいたと思うぐらいの充足感。 全てにルビがあるのでスラスラと読め集中力が途切れずに...続きを読む読めたのも満足感があるのかも知れない。
ひとつの国の支配権を巡って、互いを仇敵と憎みあい、百数十年にわたって戦を続けてきたふたつの氏族。 戦によって疲弊した国を、より良い国へとみちびくため、現在の支配者である氏族の頭領は、もう一方の氏族の頭領と語らいあい、ただお互いだけを真の理解者として、もっとも困難な道を選んだ。 沢村凛さん、初読。...続きを読む たった一冊で語られたとは思えない、深く濃い物語だった。 読んで良かった。 互いの正統性を主張しあい、果てのない争いを続ける愚かさ。敵を想定し、すぐそこに戦がある前提で保つ平和の脆さ。そこからの脱却の、いかに難しいことか。 廸学を正しく教えられる師が薫衣を育んだ事が、間違いなく重要な分かれ道だったろう。 生まれた時から、『先祖の恨みを忘れない事が子孫の正しいあり方だ』『敵を出来るだけ多く殺す事が神の望みだ』と教えられていては、ここには辿り着けない。 本当に多くのことを考えさせられた。 今のこの世界は、あと何百世代ののちに、この道を知るだろう。 以下、書き留めておくことにする。 「人はみな、どんな相手に対しても、〈殺したくない〉をもっているのではないだろうか。ただそれが、いろいろな理由から生まれてくる、〈殺せ〉や〈殺したい〉に押しやられてしまうだけで」 彼のまわりには、たくさんの〈殺せ〉があった。〈殺したい〉があった。何より〈殺さなければならない〉があった。 そんなものが人の心に押し寄せてこない世にしていくことが、彼らの闘いだったのかもしれない。
久しぶりにこんなに沁みる小説読んだな。。まるで本当に起きたことで、歴史を辿っているように夢中になって最後までページをめくっていた。 「小事に囚われることなく大事を見よ」 それができる2人のような君主がいるならば、今の世界はもっと違っていただろうに。
国を育む為に、争いに終止符を打つ決断から始まる長い物語。様々な犠牲を踏み越えて進む、果てしない道のり。 その道を歩む2人の王の心情がとても細やかに描かれている。 苦しみや葛藤の中で、敵同士だった2人は信頼し合う関係になってゆくが、お互いに国の頭領として、その関係の根本は“益になる故”であり、友情な...続きを読むんていうものじゃない。 けれど、国を背負っているからこそ、その繋がりには特別な重さ、強さがある。 そして、同じ志を持つ存在がいることは、互いにとって救いになっていく。 読んでいる間中、ひづちと薫衣の想いがどうか報われてほしいと祈らずにはいられない。 気高い2人の王の生き様に、ひたすら胸を打たれた1冊。
これは、泣いてしまう。 外伝が読みたい!漫画化もしてほしい! 二つに分かれた氏族を統一しようと画策、奮闘する二人の若き頭領の物語。魔法やら化け物やらは出てこないけれど、とても上質で世界観が確立されたファンタジー。 守り人シリーズ、十二国記、アルスラーン戦記が好きな人はきっとはまる。
一気に読んでしまった! 主人公2人それぞれの苦悩やそれを取り巻く人々の心情が良く描かれていて、ページをめくる手が止まらなかった。 今の世の中もそうだけど、自分の考えと違うからと言って悪戯に責めるのではなく、その人の立場や置かれている状況をしっかり見極めた上で行動すれば、摩擦とか減るのかなって思わされ...続きを読むる作品。
すごい、凄すぎる。 中盤から止まらなくて面白くて一気に読破。次の展開に手に汗握り、固唾を呑んだ。起承転結の型にはまり過ぎず、次に何が来るのか読めない不安定さも良さの一つかもしれない。これはこれで完成されているが、欲を言えばシリーズとしてかせめて分冊化しても良かった気がする。2度目の討伐や薫衣の2人目...続きを読むの妻の心情、ひづちの息子、豊穣の成長などなど、もっとじっくり味わいたい場面があった。何よりもこの世界観にもっと浸っていたかった。和製大河ファンタジーを語るのに不可欠な1冊。
最高に面白かったの一言!時間を忘れて読みふけったのは久しぶり。ファンタジーが好きなひとには、ぜひ読んでほしい!大切な1冊。
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