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「飛び降り2女性の身元わかる」――始まりは、「三面記事」だった……新たな恩田陸ワールド、開幕。文庫版特別収録=「灰の劇場0-+」「文庫版あとがき」。
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Posted by ブクログ
これは「鎮魂」の物語だ。 だがそもそも鎮魂とは誰のためのものなのか?という話でもある。 物語に限らず製作物とは、そこに誕生させた時点で、それ以上のものではなくなる。その意味で、あらゆる可能性を持っていた状態から有限のものに成り下がると言えるのではないか。誕生させた時点で無限にあった可能性と未来を放棄...続きを読むしたこととなるからだ。 となれば、これは一種の喪失なのではないか。 自らにあった無限の可能性を切り売るのが製作活動…と捉えるならば、この物語は有限である存在としての自分を受け入れるための(無限の私を死なせたことへの)喪の作業、正に「鎮魂」と言えるのではないだろうか…。 「私」にとってはあり得ない、しかしあり得たかもしれない2人の女性の死に様に、有限となった作家である「私」の死に様を夢想し、と同時に意外に近くにいる死神の足音を感じられたのではないか、とも思った。
灰の劇場/文庫版あとがき/ 灰の劇場0-+(ゼロ マイナス プラス) 1 の次は 0 の次は 0 何?これ? 過去と現在?? 違うか……… とりあえず読むのだ。そのうちに判るかもしれない が よくわからない 事件と作家の似たところが気になる 亡くなった二人と作家のよく似た経歴が 作家も...続きを読む……もしかしたら……
飛び降り自殺をした2人の女性 数十年後に、それを題材に劇にしようとする どこにでもいそうな2人の人物たち 2人の人物像が、徐々に肉付けされていく 数十年後に、その記事を目にする人には、単なる文字の羅列に過ぎないのかもしれない しかし、実際に2人は存在して、言葉をかわし、泣いたり喜んだり、そこに存在し...続きを読むた。 想像の中でしか、人は生きられない。 大多数の人が、忘れ去られていく それでも人の営みはあったことを思うと、過去に対して、やりきれなさを感じてしまいます。
描き方が恩田陸さんらしいな、と思った作品でした。 もしかしたら途中だ退屈するかもしれないと思ったけどそんなこともなくズルズルと作品の中に引き込まれていきました。 読みながらこれはもしかしたら恩田陸さんが実際に考えていたり、経験していること?と思っていたら文庫版あとがきを読んで驚きでした。 まさか、で...続きを読むしたし、お母さんとのエピソードの部分も実際の出来事?と思うと衝撃的でした。 恩田陸さんが想像した、2人の女性の絶望。 今まさに40代を目前に独身の私にはよくわかる絶望でした。この先のことに不安になるささ、いまはまだ大丈夫と思っていることが大丈夫じゃなくなった時私も2人の女性と同じ道を選ぶかもしれない。
読んでいる途中で、0,1,(1)が何を指しているのかがわかって、そこからが面白かった。これをわかった状態でまた最初から読みたい
ある新聞記事を元にしてフィクションとノンフィクションを交互に章を分けて書いてある。静かにかつ少しの心地悪さと共に物語が進む。時間と存在を考え抜いた作品だと感じた。どちらもあっという間に終わる。終わらせることができる。
恩田陸さんの作品はどのジャンルもだいたい好きですが、今作も虚構と現実が入り交じってどこかフワフワした心地で読めるところが好きです。
作家と二人で自殺したMとT。作家はある新聞の三面記事に載っていた橋から飛び降りて自殺した二人の記事に十年もの間、気になっていたのだ。そしてその二人の小説を書く。しかし顔も名前も知らない二人を。その小説は劇の原作になり、作家はその劇が行われている劇場に行く。こうして、作家の話と、自殺した二人の話が時間...続きを読むを経て行きかう構成だ。なんだか、いつの話を読んでいるのか分からなくなる時があり、本を見返すことが何度もあった。各章の扉に”0”とか”1”とか、あるいは”(1)”とか書かれている。”0”が作家で、”1”が死んだ二人のことかとも思ったけど、まあ、あまり気にせずに読むことにした。
タイトルどおり灰色のイメージがずっと続くような話だった。 安定しているというと聞こえはいいかもしれないが、徐々に倦んでいくような2人の生活が結末を知っているのもあって不安で不気味だった。 今の時代は、昔に比べてこう生きるべきを押し付けられることは減って様々な生き方があると認められる時代になってきて...続きを読むいると思っている。その時代を生きている私としては、どうしてそんな結末を選んでしまったんだろうかと理解できない部分もあった。
「1」二人の女性の物語で始まる。 「0」はノンフィクション、「1」を執筆する過程が描かれている。 (文庫あとがきより) 「(1)」は物語が舞台化されるまで。 読みはじめて気持ちが乗らないときは ネタバレに気をつけて、先に書評や インタビュー記事を読んでしまう。 今回は、そのお陰か難なく物語の世界...続きを読むに入っていけた。 P15 〈年配の女性二人が、一緒に橋の上から飛び降りて自殺〉 実際に起こった事件は恩田陸さんに棘のように刺さったという。 「0」のノンフィクションの部分では 自殺した女性二人になにがあったのか その痕跡を追う形で書かれている。 「0」の部分がいちばんおもしろかった。 実際の事件は30年も前の話だ。 本当のことはわからない。 読み終えたいま、その棘は読者の私に刺さることになった。
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