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「舌切り雀」には商売の厳しさが、「浦島太郎」にはあなたの定年後が、「花咲かじじい」には部下の使い方が、「雪女」には夫婦の現実が、「すっぱいぶどう」には競争社会の身の処し方が書いてある! 大人こそ寓話を読み直すべきだ。長く重い人生を軽やかに生きるための知恵が詰まっているのだから……。グリム、イソップから日本の民話、寓話まで。計20話の読み解きを収録。スピーチのネタにも使える一冊。
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Posted by ブクログ
目から鱗がポロポロ落ちる本。20の寓話を分析、深掘りし、現代社会に即応。勧善懲悪も教訓話も、池上氏と佐藤氏に懸れば、今までの認識が一気に覆る。児童書を前に真剣に語り合う二人が微笑ましかった。
知の巨人・佐藤氏による寓話の解釈論(池上氏はアテンドの役割に近い)。題材全部面白いが、特に「かちかち山」「山ねこおことわり」「浦島太郎」「藪の中」の解釈には蒙を啓かされた。ストーリが時代背景をもとに改版されていくことからもわかるように、昔話・童話の類は一貫した教え・戒めにはなっていないからこそ、語り...続きを読む継がれることも認識を新たにした。読み易いが中身は濃い一冊。。
童話を通じて現代の危機的な分断や戦争の背景までたどり着く。最後に自分を大事にしないが故の社会に対する無関心なニヒリズムを批評している。佐藤さんと池上さんの掛け合いが面白かった。
寓話や昔話は幼少期に散々読まされ聞かされた。小学校くらいまではそれを真面目に受け止めて、あぁこれはやったらバチが当たるななんて思っていた。 しかし中高で記憶が薄れていき、同時に幼少期ほど話を間に受けないようになってくると、なんであんな話を信じてたんだと思って、教訓を教えてくれたなどとは全く考えずむし...続きを読むろ大人が私を躾ける一環だったんだなんて考えに行き着いていた。 しかし数年前に岩波のイソップ童話を少し読んだときに、教訓を得るとか以前にこれは読み物として面白いのでないかと思った。それからまた数年経ち、上司が読んでいるというので読んだのがこれ。 寓話っていうのはこんなに自由に読めて、なんなら違うストーリーのverがあったりすることを知った。小さな寓話でも童話でも読者がどう考えるかでいくらでも変わるんだね。
子供の頃から知っている童話。当時はただ勧善懲悪ものにスカッとしたり心温まる話だったり登場人物たちとふしぎな体験をしたりと物語そのものを楽しんでいたけど、大人になった今でも人生を上手に世渡りする知恵、さらに深い教訓を得られました。 対話形式で読みやすく、馴染みのある童話が多いのですっと入ってきます。と...続きを読む同時に現代の状況を踏まえてどう人生に活かすかを多角的に考えていく、興味深い本でした。
佐藤優さんと池上彰さんの対談本はこれまでにも色々な切り口で出ていますが、どれも視点が独特で面白いものばかりです。 今回は昔話に焦点を当てた対談とはなっていますが、話ひとつとってもこういった視点で考えることができるのか、といった点は非常に興味深いです。 昔の価値観に則って記述された物語に対し、思考...続きを読む停止せずあえて現在の価値観から光を当てて解釈していくという作業は、ものを考えるうえでの良い訓練になるのではないかと思います。 また、読んでいて「ああ、確かになぁ」と思えるものも多く、濃い読書体験となりました。自分にとって納得感が高かかったのは以下の内容ですが、自分の経験に当てはめて読んでみると面白いでしょう。 本気でステップアップを図ろうという時に、あえてネガティブな現実を見るようなことをしても、あまりいい結果に結びつかないことが多い。 ・謝っても、許してもらえないこともある。 ・人に何か伝えようと思ったら、書きすぎないことが大事。 ・資本主義的な競争社会においては、とりあえず目の前のものがビジネスにならないかを考えるのが正義。 ・「これがやりたい」「自分に向いている」と思ったら、臆することなくチャンスを掴みに行くべき。 ・日常だと疑わない会社中心の生活が、実は一緒に踊ってくれる人がたくさんいる異界である。 ・たとえ女王であっても、別の秩序の支配するところでは、勝ち目がない。 ・助けを待っているだけでは、現実を変えることは難しい。 ・世の中には「言ってはいけないこと」がある。余計な種明かしをすべきではない。 ・どんなに立派に思える人のいうことであっても、そのまま信じるのは危険だ。 ・何ごとかを成そうと考えたときには、それに疑問を抱く人間に対しても誠実に対応する。 ・「悪い奴らを成敗しました」という話には、必ずと言っていいほど、そういう侵略性が潜んでいることに注意しなくてはなりません。 ・自分がそう考える根拠をはっきりさせることがポイントになる。
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グリム、イソップ、日本昔話 人生に効く寓話
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