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「自分とは何か」から「宇宙の終わり」まで、哲学の最重要問題を一気読み。イェール×オックスフォード卒の異才教授が渾身の力で解きほぐした、史上最強の哲学書! 権利/罰/復讐/真実/無限……「最もシンプルでわかりやすい言葉」で、哲学がするする頭に入る前代未聞の哲学書。
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Posted by ブクログ
法哲学のスコット・ハーショヴィッツ氏の著書。哲学というとっつき難いテーマを自身の息子達との会話を切り口に深く考察する本書。日本でのタイトルのまま、圧倒的に面白い。また全12章に亘る内容も権利や罰のような著者が得意とする分野から男女、差別のような昨今よく取り上げられるテーマ、無限、神のような根源的でス...続きを読むピリチュアルなイメージの話題まで、哲学で読み解いている。息子達とのやり取りはユーモアに満ちていて、学術的な堅苦しさを一切感じない。それでいて考察は深く、育児本としての解釈もできる。知的謙遜を学び、知的謙遜を子ども達にも伝えられる大人にも子どもにも伝えたい本。
哲学 ◯権力 ・権利が提供する保護は、その権利を認めて尊重しようとする他者の意思に依存する ・暴走するトロッコをめぐる難問 ◯復讐 ・悪に悪を返して善になることがある(やりすぎなければ、2度目の悪はやりすぎなければさ実は悪ではない ・タリオンの掟(目には目を)は自分ごととして共感を呼び起こさせ...続きを読むる、共感は同情よりも)強い、そして復讐に上限を決めた ・現代はこれに比べわすがな補償でよしとされている、命の価値が小さい ◯罰 ・報復のためというのが周り回って最も大きな狙いであることが多い。 ・客体への態度: 望ましい行動をした場合は褒め、逆は無視するという方法で動物同様人間のコントロールも可能かもしれないが、人はモノではない。反応することに責任を持っている。一方でそれにより細かいことを気にしすぎなくなり、夫婦間が平穏になる効果もあり必ずダメというわけでもない ・罰は反応的態度の表出で、自分の行為に責任を取れる人にしか与えることはできない ・子供には自分のすることに責任がないだからこそ子供は動物でおり客体への態度を取るべき ・良い行いは自分の中に組み込まれている(性格の反映である点誉める)、悪い行為はたまたまやってしまった逸脱行為で改めることができると認識させる(行動をしかる) ◯権威 ・権力と権威、権力は望み通りに動かす力で、非対称に見える関係でも一方だけに存在することは滅多にない ・ラズ: 権威はその対象に奉仕するところにある。 ・権威は人や能力にではなく役割に付随する ◯言葉 ・悪態をつくことの問題は言葉そのものではなく発せられるシグナル、その場や誰かを侮辱していなければ言っても良い ・悪態を一律に禁止する姿には疑問を感じる。ストレスの軽減、仲間との絆を深めるといった良い面もある。 ・侮蔑語はその言葉を使うことによって、その言葉がもつイデオロギーを共有していることを示す点についてよくよく肝に銘じておくべきで、だからこそ使うべきではない。 ◯男女 ◯差別 ・人種はヒトを優位な亜種に分類するものではなく、人種おける多様性は人類全体の多様性と変わらない。全人類が家族のようなもの ・人種とは社会的概念 ◯知識 ・何かを知っているとは、「正当化された真なる信念」を持っていることで、頭の中にありそれが正当化できる理由があり、事実である必要がある。 ・ダウトモンガー(懐疑論で人心を操作する人)に注意が必要。会議論者は高い基準を押し付けてくるが、それを超えるようなわずかな可能性に未来をかけるべきてない。公的な文脈では完全に知っていなくても確率に基づいて考え行動するべきだ。、 ・子供達には疑うこと、質問することを教えているが、世の中には誠実な質問ばかりではなく、質問する人の意図を考える必要がある。 ◯真実 ・ウソとは正直であることが期待される合理的理由がある状況で、自分が信じていないことを真実であるかのように述べること。 ・正当な期待停止文脈がある場合は罪のない嘘になる ・ウソが悪いのは人を欺くからだけではない。正直なコミュニケーション、話すことでしかなし得ない相互理解の道を閉ざすこと。 ・その人にとっての正しさがあるという相対主義は、それが真実に反する場合は正しくない。難しいのは見解の相違(中絶など)のケースだが、ジェノサイドの肯定にも繋がる危うさがある。これも真実野探求を忘れず、双方の主張の背景を深く掘り下げ理性で判断する必要がある。 ・外から適切な意見を排除する情報ネットワーク「認識論的バブル」にますます現代人は浸るようになっている。誤った考えを信奉する危険があるが見逃していた情報に触れることで簡単に弾ける。 ・一方外から入ってくる適切な意見の信頼性を積極的に失墜させようとする社会構造」エコーチェンバーは問題で注意が必要。 ・見分け方はコミュニティの信念体系がその教義を支持しない人々の信頼性を積極的に毀損しようとするものかどうか ◯心 ・意識の難問: 脳が情報処理を行うとき、なぜ実感が伴うのか? ・唯物論: 心とは脳のこと ・見解を持つとそれを守ろうとして塹壕を掘り、他の人の意見を聞けなくなるという点で危険。そのため、反論を考え尽くし反論の間違えを説明できないうちは持つべきではない。 ◯無限 ・宇宙は無限か? ・とてつもない大きな数から見ると自分はちっぽけな存在だとわかる。自分を取るに足らない存在とみなしたとしてもそれは自己否定ではない。それと共に自分が何かを大切にすることによって自ら意味を生むことができる ◯神 ・神を信じることとは、確証や追加の証拠を求めることなく、神が存在するものとして行動すること。例え証拠に弱点があったり反証があっても人生の中心に神を置こうとする姿勢のこと。 ・パスカルは神がいないと思っても存在するとしておいた方が失うものが少なくメリットがあるとした。 ・神がいるならなぜこの世に悪が存在するのかという悪の問題は未だに説得力のある回答がない ◯まとめ ・哲学者を育てようとするか?という問いは適切では無い、子供はそもそも哲学者でこれを親はサポートするのか?無視するか、押しつぶすかが問い。 ・哲学は考える技術であり、明晰にして思慮深い人間を育てることにつながる。 ・子供を対等な相手として対話し、よく質問して行くことが大事。 どう思う?なぜそう思う?もし間違ってるとしたらどうして?どういう意味?それは何?
ちょっと長すぎて途中でだれる。 でも考える技術を磨くということは大事だと思う。そう思ってまた読み返そうと思える長さなら良かった。
ページをめくる手が止まらないとはまさにこのこと。それぐらい読みやすく、さらに知識を深掘りするための参考文献などの紹介も充実している。 哲学への最初の一歩を踏み出すのに最適な一冊。 そして同時に、今まで読んだ中で最高の子育て指南書でもある。
オックスフォード大学の教授と息子たちの小さな哲学 身近な哲学を語ることで世界の在りようを知る 子どもたちの、自分には決定する権利がないと言う考え方に興味深さを覚えたり、過去のアメリカでの行いを自分たちのことの様に捉えたりと純粋が故にハットする考え方が良かったです。 戦争、貧困など世界は不条理なことは...続きを読むかりで世界は決して善意でできている訳ではないと思う。 それでも、これからの世界を生きていかなければならない彼らにとって、父子の会話が有意義なものになればと思う。 今更ながら、哲学を考えることは普段の仕事や生き方を見直す術なのだと思う。神様はいるのかどうか、どちらかに決めつけるよりも、考え続けることが神様に対する正しい信仰のような気もしました。 日本の家では、なかなか見かけない父子の会話
毎朝の通勤の山手線の時間だけ読んでたので、もうかれこれ4ヶ月くらいかかってやっと読み終えた。 最初の方で著者が、著者が言うことに全て疑問を持って読んでほしいと書いてあったのだが、結局はよくわからないところも含めて成る程成る程と言う読み方に終始してしまった… もう一度読みたいが、さていつのことになるの...続きを読むやら…
哲学なのにとっつきやすい。おもしろい。 終章、子どもとの話し方、考える人を育てるためのコミュニケーションの仕方はとても実践的で参考になるな。各論のそれぞれの議論も、導入は子どもとの会話から始まってさまざまな著名な哲学者らの考えに触れつつ議論が進んでいくのが新鮮でわかりやすい!
厚い本だったけど興味深くてすいすいと読めた。その分考える時間は短かったかもしれない(汗)。第一章:権利、第二章:復讐、第三章:罰、第四章:権威、第五章:言葉、第六章:男女、第七章:差別、第八章:知識、第九章:真実、第十章:心、第十一章:無限、第十二章:神、最後に。どの章でも著者の二人の息子との会話が...続きを読む出てくる。レックスとハンクだ。息子との会話が該当章の話の糸口となる。哲学者の名前や学説を教える本が多い中で、なんでだろう?と考えさせる本だった。
子供との対話ベースで哲学に入っていくので非常に読みやすい。子供の可愛いエピソードも交えていて笑える部分もあった。また、人種差別など日本ではあまり深く無い問題も扱っていて考えが拡げられた。
子供の話しは聴くようにしているつもりだけど、本当にちゃんと聴いていたか、改めて考えさせられます。 考えられる子供になってもらいたいものです。
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父が息子に語る 壮大かつ圧倒的に面白い哲学の書
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スコット・ハーショヴィッツ
御立英史
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