アイデンティティが人を殺す

アイデンティティが人を殺す

1,100円 (税込)

5pt

3.9

集団への帰属の欲求とは何を意味するのか。この欲求が他者に対する恐怖や殺戮へとつながってしまうのはなぜなのか――。グローバル化の進展は、さまざまな文化の保持者たちの基盤を揺るがし、時に偏狭で排他的な帰属意識を生み出してしまう。複数の国と言語、そして文化伝統の境界で生きてきた著者は、本書のなかで新しい時代にふさわしいアイデンティティのあり方を模索する。鍵となるのは、「言語」だ。言語を自由に使う権利を守ること、言語の多様性を強固にし、生活習慣のなかに定着させること、そこに世界の調和への可能性を見る。刊行後、大きな反響を呼んだ名エッセイ、ついに邦訳。文庫オリジナル。

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アイデンティティが人を殺す のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    「アイデンティティが人を殺す」chikumashobo.co.jp/product/978448… 宗教や民族や国家が生む排他性非寛容対立は、日本人には実感が難しいかもだけどスポーツの祭典や国別対抗に必ず現れる強大なナショナリズムが良い例だな(だからわたしは大嫌い) 母語英語に加えてもう1言語を習

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    2023年07月09日

    Posted by ブクログ

    自身が生まれた国、育った国、そしていま住んでいる国の3つが同じでない人は、世界にどのくらいいるのだろう。
    レバノンで生まれ、内乱を機にフランスへ移住した著者は、事あるごとに「自分をフランス人だと感じるか?それともレバノン人だと感じるか?」という問いを投げかけられ、「その両方だ」と答えているという。そ

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    2019年06月09日

    Posted by ブクログ

    ありとあらゆる教義も、時代により解釈がかわる。また宗教が歴史を変えるのと同時に、歴史も宗教を変える。たとえばアラブの連帯を目指したナセルは反イスラーム主義であり、1950年代後半において急進的イスラーム主義はアラブ国家の敵とみなされていた。
    故にイスラム教徒にとって、宗教的急進主義は決して必然的選択

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    2021年12月08日

    Posted by ブクログ

    唯一の本質としてのアイデンティティがいかに差別、分断、争いを生むかを自らの経験とも照らしながら論じた本。筆者はレバノン生まれのフランス在住ジャーナリストで、まさに加速するグローバル化の中で顕在化する問題に踏み込んでいる。そしてそれをいかに乗り越え、グローバル化の風に対して帆を向けて良い未来へと進むべ

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    2021年11月07日

    Posted by ブクログ

    西洋化について考える良いきっかけになったと思う。
    確かに日本もヨーロッパやアメリカの影響を大きく受けていると思う。
    多数が洋服を身につけているし、欧風のカフェやホテルを利用している。
    このくらいの変化なら良いと思うのだが、時として争いや、差別の引き金になってしまうのは残念だと思う。
    それぞれが複数の

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    2020年06月09日

    Posted by ブクログ

    人間のアイデンティティとは、自分の奥底に眠るたった一つの本質的な帰属などではなく、生まれ育った環境から後天的に得られる要素も含めた、複合的な帰属から成る。しかし人は数多くの帰属の内どれか一つが脅威にさらされるだけで自分のアイデンティティが侵されたと感じ、その帰属を共有する者たちでコミュニティを作り、

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    2023年10月08日

    Posted by ブクログ

    このグローバル社会を考えると、人を一つの帰属、一つの象徴とする言葉でアイデンティティを考えることはもうできなくなってきていると思う。日本に住んでいると、様々な異なるバックグラウンドや、混ざり合ったバックグラウンドを持っている人に出くわすことは少ないが、やはり海外に行ってみると、国の中に様々な、いくつ

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    2022年08月17日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    帰属は一つではない。グローバル化で進む共通化と個別化。民主主義の名の下に抑圧される少数者。宗教の話はピンと来づらかったが、最終章の言語のところはわかりやすかった。

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    2021年05月26日

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