ハンチバック

ハンチバック

1,400円 (税込)

7pt

私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」

圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。

打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
――村田沙耶香

小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、
読後しばらく生きた心地がしなかった。
――金原ひとみ

文字に刻まれた肉体を通して、
書くという行為への怨嗟と快楽、
その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
――青山七恵

井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。

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ハンチバック のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とにかくすごい小説、というか文章でした。ここまで生々しい怨嗟を小説から感じたのは初めてだったと思います。

    語り手となるのは生まれつき難病を抱え、呼吸器なしでは生存できず、親の遺産とヘルパーさんの介護で生活が成り立っている女性。

    大学の通信課程に通い、ネットライターの仕事とSNSでの過激なつぶ

    0
    2024年05月12日

    Posted by ブクログ

    間を置くことなく読み終えた。

    著者について知らずに読んだが、知った後でこの本との向き合い方は変えずにいたい。
    逆に作中では、健常者の特権性に対する怨恨が純度高く描かれるが、そこに萎縮してしまうと、この作品の価値を下げてしまう気がする。

    物語中盤、釈華は田中に素性を知られていることを告げられる。そ

    0
    2024年04月24日

    Posted by ブクログ

    ガツンと殴られて、目を開かされた。ウクライナの戦争やパレスチナの虐殺は心配していた。円安や少子化の行方は気にしていた。しかし、障碍者の性のことは気にしていなかった。まして、障碍者の「読書する権利」なんて考えたこともなかった。「愛のテープは違法」事件も安積遊歩のカイロ演説も聞いたことがなかった。そうか

    0
    2024年04月16日

    Posted by ブクログ

    鬱々としながらも淡々としていて少し怖い話だった
    もしかしたらこのような事が実際にもあるのかもしれないと感じた

    0
    2024年04月14日

    購入済み

    ルサンチマン、金閣寺

    本文の試し読みがなかったのは
    すごい始まり方だけで判断しないように
    ということだったのではと思った。
    聖俗、善悪、ルサンチマン。考えさせられた。
    無垢から泥のような性愛まで幅広く、
    冷静で平常心な一方、冒険心・無謀さも見える。
    紗華とか沙央とか、清楚、無垢な字面の一方、
    地獄も天国も、業も悟りも守備

    0
    2023年08月06日

    購入済み

    新しい境地の文学だと思った。

    自分の身体を憎み、社会を憎み、他者を嫌いながらも他者と交わり人間らしい醜い生き方をしたい…そんな主人公に、障害を持つ読者は皆少なからず共感するのではないだろうか。
    近隣流行りの障害学ではまず見た目の違い=悪/醜さではない、というところから入るが、この本、そこに真っ向から切り込んで、現実社会と当事者の

    #深い #ダーク

    0
    2023年07月21日

    Posted by ブクログ

    性的な文章多め

    本を読むこともコンビニに行けることもそれは
    健常者だからできることであって障がいを持っている私からしたらそれは命を削ってやることなんだよっていうことがひしひしと伝わってきた

    最後の展開をどう捉えるか

    0
    2024年05月20日

    Posted by ブクログ

    「ハンチバック」(市川沙央)を読んだ。
(ハンチバックという言葉の意味さえ知らずに)
    
軟弱なわたしには当然の如く語るべき言葉もない。
    
市川沙央さんが紡ぐ物語は鋭い牙を剥く飼いならせない猛獣の如くわたしの臓腑を食い破る。
(あぁ陳腐な比喩だな)
    
語るべき言葉がないのであればやはり黙っているべきな

    0
    2024年05月08日

    Posted by ブクログ

    ここにあるのは怒りとか鬱憤とかそういう負の感情なのに何故もこんなにカラッとしているんだろう

    下記一文が印象的だった
    せむしの怪物の呟きが真っ直ぐな背骨を持つ人々の呟きよりねじくれないでいられるわけもないのに

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    殴られたかのような読後感。
    なんだったんだ。すごいものを読んだ。

    刺激的な描写がたくさんあって、これうっかり中学生くらいの子が読んじゃったりしない?とか、要らない心配をした。
    扱うテーマも重たい。
    そんな重たさを感じさせないシニカルな文章のセンスがとても好きでした。



    "私は紙の本を

    0
    2024年05月04日

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