口福のレシピ

口福のレシピ

792円 (税込)

3pt

隠し味のルーツをめぐる「食」の家族小説。

留季子の実家は、江戸時代から続く老舗の料理学校「品川料理学園」。いずれは継ぐものという周囲からの圧迫に耐えられず、大学卒業後はSEとして企業に就職した。しかし、食べることも料理をすることももともと大好きな留希子。SNSでレシピを発信しているうちに、料理研究家としての仕事も舞い込むようになる。アプリ開発会社と組み、大型連休に向けた簡単でおいしい献立レシピの企画を立ち上げるが、留季子の思いと、忙しい女性たちの現状はいつの間にか乖離し、アプリ制作は難航した。一方、昭和二年の品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜の白芹(セロリー)と格闘していた。どのように調理すれば美味しく食べてもらえるのか。しずえは、蕗と同じように小さく切って、少量の油で炒め、醤油と味醂、砂糖で炒りつけた。留希子としずえ、二人をつなぐ一皿の料理の隠し味をめぐる「食」の家族小説。巻末に、著者の原田ひ香さんと料理家・飛田和緒さんの対談を特別収録。

※この作品は単行本版『口福のレシピ』として配信されていた作品の文庫本版です。

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口福のレシピ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    どこか寂しさがありつつも、心があたたかくなる本です。

    今と昔、点と点が、レシピに込められた普遍の想いで繋がって、線になる。

    ずっと幸せなわけじゃない。いつも幸せなわけじゃない。でも、よかった。この世に生まれてきて。

    社会の中の、地位やどう見られるかではなくて、自分が幸せかどうかが大切。たとえ自

    0
    2023年07月14日

    Posted by ブクログ

    過去と現代、二つの時を行き来しながら進む物語。

    過去(昭和初期)の主人公しずえが、白芹(しろせり)のこしらえ方を文章にしようと苦戦している。
    この冒頭の場面がすごく良くて、ぐぐっと心を持っていかれる。

    現代の主人公は、料理研究家の留季子。
    同居人の風花との食卓は、とっても美味しそう。
    春から初夏

    0
    2023年03月16日

    Posted by ブクログ

    先祖との繋がりを感じる、引き込まれる内容だった
    悲しい女性の人生も描かれていたが、悲しいだけでは表現しきれない気持ちになった
    面白い小説だった

    0
    2024年05月25日

    Posted by ブクログ

    江戸時代から続く老舗の料理学校が実家である留季子。と、昭和初期その料理学校に女中奉公に来ていたしずえ。
    ふたり時代が行ったり来たりしながら話は進んでいく。
    違う仕事をしていたけど、料理好きでSNSで発信したりと料理に関わっている留季子。
    しずえは、どのように調理したらおいしく食べてもらえるかを考える

    0
    2024年05月21日

    Posted by ブクログ

    時代は違うけど2人の視点からお話が進んでいく。
    留希子さんとしずえさん。
    SNSを駆使し、レシピを公開している留希子さんと、旦那様からの依頼でレシピ作りを始めたしずえさん。
    レシピ作りに翻弄されつつも、それに生きがいを感じていく2人。
    原田ひ香さんの作品には美味しいものがたーくさん出てくる。
    やっぱ

    0
    2024年04月30日

    Posted by ブクログ

    老舗の品川料理学校の跡取りとして育ち、今は家を出て企業に勤めつつ料理研究家としてレシピを作っている留季子。
    時は変わって昭和初期、品川料理教習所の二代目の旦那さまと、女中のしずの話。
    二つの話が変わる変わる進行していき、途中で、なるほど二つはこう繋がるのかとわかると面白くなっていく。
    今はネットで素

    0
    2024年02月27日

    Posted by ブクログ

    料理をしたくなる本
    生姜焼きはまず作った
    春菊は、やってみたくなってメモとった

    食事を摂ること
    食事をつくること
    レシピの存在
    時代と、その人個人によって
    意味は異なってくるけど
    みんなあっていい。

    親子のつながりが
    最後がもうちょっと、
    どうにかすっきりしんものかなと思うけど、
    そんなにうまく

    0
    2024年02月16日

    Posted by ブクログ

    今はネットで簡単に見れるレシピを昔は自分の味覚、嗅覚、視覚で確かめて書き連ねているのを見ると1つ1つの料理をもう少し丁寧に作ろうと思うようになりました。

    昔の方の様々な人生観が垣間見れたのもよかったです。

    0
    2024年01月18日

    Posted by ブクログ

    冷蔵庫の中の余っているものでパパッと作れる人が羨ましい。主人公、留希子はそんな人。一緒に住んでいる風花の仕事っぷりもカッコいいなと思いました。
    料理ができるって、料理が上手ってやっぱりいいなぁと思います。
    しずえの人生がこれで幸せだったのか、私にはわかりません。ちょっと切なくて苦しいよなと思います。

    0
    2024年01月07日

    Posted by ブクログ

    老舗の料理学校を実家に持つ留季子の現代と、名家の女中として働くしずえの過去。二つとの物語が交差して少しずつ重なっていく。ラストに向けて胸がきゅっと締め付けられました。甘さと辛さの味加減が抜群で、同著者作「彼女の家計簿」を彷彿とさせる雰囲気を感じました。美味しそうなレシピもたくさん。読んでいるとおなか

    0
    2023年12月10日

口福のレシピ の詳細情報

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