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私たちは会話を通じて何を伝え、何を企んでいるのか。あるいは相手の心理や行動にどんな影響を及ぼそうとしているのか。気鋭の言語哲学者が、『ONE PIECE』や『鋼の錬金術師』などの人気のフィクション作品を題材に、「会話」という営みを徹底分析! コミュニケーションとマニピュレーションという二つの観点から、会話という行為の魅力と、その実態をわかりやすく解き明かす。
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Posted by ブクログ
「哲学」という難しい響きに先入観があった私ですが、三木那由他さんの語り口は淡々としているようでどんどん読み進めたくなる柔らかさがあったように感じました。 普段無意識に行っている会話についていざ言語化されると「そういえばあのとき私は…」と自身の過去の発言なんかが思い返され、読んでいてずっと不思議な気持...続きを読むちでした。面白かったです。
普段からなんとなく分かってると思って、見聞きしたり使ったりしてる会話を改めて考えるのが新鮮だった。「お互いに今、○○という約束ごとを作ってそれに沿って会話する」という、コミュニケーションは約束の積み重ねだというのが面白かった。特に意識してなかった分、確かになぁ…と思った。 漫画や本・ゲームから会話を...続きを読むとり上げて考えるというのも身近に感じられて読みやすかった。 マニピュレーションに関する話が印象的。本心を潜ませたり相手を操る為に使う次元の会話、マニピュレーションがもつ怖さや独特の味わい等、面白いと同時に怖くもあった。 会話について考える面白い本だったし、自分の日常にある会話をこっそり観察してみようとも思った。 かと言って、あまりに当然に使っているからいざ意識するってなると難しいだろうけど…。
三木由那他さんの文章が好きになって読みやすい本を読んでいます。 『会話を哲学する』難しそうですけれど、丁寧に身近なマンガや小説などから引いた会話を使って説明されていて解りやすい。 まだまだ会話を分析する迄には全く至らないが、自分のした会話を顧みて「あぁなるほどね。こういう会話が著者があそこで書いてい...続きを読むたことかぁー」っと思い当たる時があって、結構感動もの。 マニピュレーションという著者の概念を使うと説明がしやすい会話も多い。 "おわりに"で掲げてある本にも手を出して、もう少し深く。もう少し長く会話の哲学について考えてみたいと思う。 読めば誰でも必ず得るものがあると思います。
演劇におけるサブテキストや、スタニスラフスキーの「目的」の話と本当によく似ていて、というよりも同じもののように思えてすごく納得できる内容でした。 ふだんの会話への思考も深まるのですが、何よりも創作に携わる人(とくに演じる仕事に携わる人)はぜひ一度読んでみてほしいと思うような本です。 フィクション...続きを読む作品を見るときの脚本や画面への解像度をあげてくれるのもとっても良いところ。
「会話とは何を行っているのか?」を掘り下げている 情報の授受や共有というコミュニケーションでは説明できないやり取りが存在する マンガ、小説、映画などで繰り広げられる会話を例に、そのやり取りの説明など ・目次 第1章 コミュニケーションとマニピュレーション 第2章 わかり切ったことをそれでも言う...続きを読む 第3章 間違っているとわかっていても 第4章 伝わらないからこそ言えること 第5章 すれ違うコミュニケーション 第6章 本心を潜ませる 第7章 操るための言葉 コミュニケーションは表面的な情報のやり取り マニピュレーションは相手を操作するもの 会話を通じて行われていることは、「約束事を積み上げる」行為 その時点でのお互いの認識と今後の約束の合意形成 バケツリレー式コミュニケーション お互いに分かり切っている事でも明言させる意図 口に出す事で約束事にするため 間違っているとわかっていて約束するのは、表面的な約束を破らずに真意を達成するため その示唆としての会話 「伝わらない」という前提で行われる会話 伝わらないけれども、伝わっている可能性がある 「伝わっていない」という約束事を前提にした会話 自分の内心で思う「内言」とは異なる 内言は自分の中で約束事が成立してしまう 表面的にはコミュニケーションがズレていると思われる会話 しかしマニピュレーションとしては成功している 約束事を破る前提でなされる会話 約束事を守りつつ、言わない事で情報を伝える方法 マニピュレーションの実践 疑問を投げかける事で、思考に選択肢を増やす 比喩でイメージを置換する 「誤解を与えたとしたらお詫びする」という謝罪になっていない言い訳 意図的か無意識かは別として、会話の中には色々なマニピュレーションが入ってるなぁ 某大学のアメフト部の「やらなきゃ意味ないよ」「わかってるだろうな?」 某芸能事務所の「考え直して」 などはわかりやすいけど、相手の思考や行動を促すという目的であれば日常会話でも常に行われている バラエティ番組で「押すなよ押すなよ」は「押せ」の意味というのは別に問題ないけど 悪用すればパワハラなどいくらでも例が挙げられる 家庭内のモラハラもそう 今思えばあれはそういうマニピュレーションだったのかと理解できる 日常会話でも、発せられた言葉から相手の意図を勝手に読み取って会話をしているという認識ができた フィクションの会話を例にしていたけど、マンガや小説でいいなと思えるシーンはそんなコミュニケーションとマニピュレーションのズレがある場合が多い気がする
コミュニケーションを「約束の形成」と「他者への影響の付与」に分けて論じている。コミュニケーションでなされていることを理解しやすく分解している。この解釈の仕方がコミュニケーションの絶対的正解でない、一つの捉え方である点には注意したいが、良本。 ・分かりきったことをそれでも言う 約束を作ることが持つ...続きを読む威力 ・間違っていると分かっていてそれでも言う 約束を作ることで救う ・伝わらないから言える 約束を回避しながらも、約束ができていたらを想起できる ・コミュニケーションの失敗とは 約束を反故にすること ・本心を潜ませる 約束が守られないことを前提にコミュニケーションし、それにより相手の行動に影響させる ・疑問、比喩とは 相手に否応なしに仮定を想起させる影響手法
こういう本ってだいたいタイトルが面白そうでも、難しすぎて理解しにくいのがほとんどだけど、これはめちゃめちゃ面白いしなによりちゃんと理解できた。 会話ってなんだろうって考えたことなかった。 ちゃんと言葉にすることが大切な場面もあれば、あえて婉曲的な言葉を使った方が本心が伝わる場面もある。 普段何気な...続きを読むく使ってるテクニックだけど、これを言語化してくれたことに感謝です。 会話が難しいって感じるときよくあるから、こういうのを読んで客観的に会話を観察できるようになったらいいのかも。 とりあえずおもしろかった! 他の本も読んでみたい!
会話を通して色々なことが行われているのは実際身をもって知っているものの、それらを言葉で説明するのは大変だということがわかり、さらにそれらをわかりやすく理解させてもらえるのは面白かった
コミュニケーションとマニピュレーション 会話とは話者と受け手の間の約束事の形成だけど、お互いに違った約束事をすることもあるし、約束をしないこともできる 筆者の一種マニピュレーションも感じる本だと思ったけど、、、。主張が思ったよりしっかりしてた。 想像力の欠如で相手を傷つけることはしないよう意識したい...続きを読む。
コミュ障にはかなり重要なことが書かれていた。 ・人は口にしたことに縛られる ・相手に言われたことは否定しないと縛られることになる ・仄めかす問度なら言い逃れることができる可能性がある ・敵に造語で嘲笑名を付けることで周りの人に人間ではない扱いをさせることがある
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