中井紀夫の作品一覧
「中井紀夫」の「遺響の門-サイレント・ゲート-」「【合本版】タルカス伝」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中井紀夫」の「遺響の門-サイレント・ゲート-」「【合本版】タルカス伝」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
久し振りに、自分にとって特別な作家に出会えたと感じられる素晴らしい短編集を読んでしまった。もともと他ジャンルと相性の良いのがウリのSFだけれど、ホラーや純文学作品として、ここまで昇華させられるセンスがある作家には出会ったことがない。
楽団メンバーが3時間交代となって、200年間一度も演奏が途絶えたことのないオーケストラを紡いでいく「山の上の交響楽」は、設定のスケール感から既にワクワクものなうえ、演奏するということの意味を通じて人生について考えさせられる大名作。
突如謎の男性2人が殴り合いを始める現場につどつど遭遇する「殴り合い」は、そのシュールさが印象に残りやすいが、なぜ殴り合いが始まって
Posted by ブクログ
「そうは言っても一昔前のSF作品だし…」などと思っていたら、各短編の多彩なアイディアの数々に、時に壮大、時に怖い、時に切ない、様々な感情を浮かび上がらせるストーリーの数々に、一編一編読むごとに、中井紀夫という作家の紡ぐ世界に夢中になっていったように思います。この作家の傑作集が、こうして出版されたことに感謝です。
アイディアの面白さでは、表題作の「山の上の交響楽」がピカイチ。永遠に終わらない交響楽を演奏する800人の大交響楽団。時にユーモラスに、時に抒情をもって語られる劇団の内幕に、アイディアだけでは終わらないストーリーテラーぶりが光る。
日常から急に奇妙な世界の扉が開く。そんな奇妙な味の短
Posted by ブクログ
本書の中井紀夫については全く知らなかった。日本SFの臨界点:恋愛編での「死んだ恋人からの手紙」で予習はしていたが、本書を以って本格的に中井ワールドに突入した。
一番初めの「山の上の交響楽」がオーケストラを題材とした作品ということもあるが、それ以上に奇想天外な設定に引き込まれた。これは他の作品にも言えることで、先ずはそれをきちんと理解することで、きちんと自然に作品に沈み込んでいける。
愛についての描写はあくまでも純粋なもの、性についての表現もあくまでも種の保存的な表現なので、人によっては無機質に感じられるかもしれないが、それが中井のSF小説スタイル。筒井康隆の様な、人間にグサグサと突き刺さる性描