作品一覧

  • 寄宿生テルレスの混乱
    3.7
    1巻726円 (税込)
    お金を盗んだ美少年バジーニが、同級生に罰としていじめられている。傍観していたテルレスは、ある日突然、性的衝動に襲われる……。寄宿学校を舞台に、言葉ではうまく表わしきれない思春期の少年たちの、心理と意識の揺れを描く。「知性はどうやってサディズムに転じるのか。耽美主義はどうやってテロに転じるのか。無意識の大陸を発見した“第二のコロンブス”ムージルが、クールに描いたボーイズラブの古典」(訳者)
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    物語の構造の分析だとか、メタファーを勘ぐるだとかっていうのをしたくない小説。
    センテンスが美しい。
    それぞれ”魂”が知識、経験、本能、知性でできた土壌に根付く過程は人それぞれ違うのだから、構造や、個人個人の表面的な人格が気にくわないというのは、読み方としてちょっと違うような。

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    2012年09月22日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    ムージルの他の著作にも言えることだけれど、最初はどうにも難解に思える。だけれど、読み進めていくうちに著者の語っていること(あるいは語っていないこと)がなんとなく見えてくる。
    そして決して語り得ないことを必死で語ろうとするその姿勢に打たれる。
    名作です。

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    2010年08月24日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    "というのも、大人になりかけの人間の最初の情熱とは、ひとりの女にたいする愛ではなく、みんなにたいする憎しみなのだから。自分が理解されていないと思うこと。そして世間を理解していないこと。そのふたつのことは、最初の情熱にくっついているものではなく、最初の情熱のたったひとつの、偶然ではない原因なのだ。"

    "人間が生きる人生と、人間が感じ、予感し、遠くから見る人生とのあいだには、狭い門のように、目に見えない境界線がある。できごとのイメージが人間のなかに入っていくためには、その門で圧縮される必要がある。"

    "思想が沈黙しているときに、ものごとを見てい

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    2009年10月23日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    バジーニへのいじめのシーンは途中で本を置けなかった。少年たちと先生たちの生きている世界は違う。お互いの会話は噛み合わないし理解できないからこそ、子供時代は残酷だったことを思い出させてくれた。「ことば」の限界は体験でわかっているのに、それでもなお「ことば」を使って説明し、わかってもらったと思う大人。この先未完の『特性のない男』に手を出そうか悩んでいる。

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    2020年03月12日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    おおお混乱してんな。乱暴にいえば厨ニ病(そういえばタイトルもラノベっぽ略)。題名のとおり寄宿生テルレスが混乱する話。特に後半。ものすごい。
    大人から見たら「そんなの」って鼻で笑われるようなことが、僕らにとっては世界そのものだったのです――とでも言うべきか。
    ♪ちょっと違うかもしれないが「Aoi(サカナクション)」が合う。気がする。疾走する思考的な。

    P.S.:よくよく考えると、寄宿学校(クローズした空間)を舞台に繰り広げられるいじめいびりと同性愛……これなんてじゃぱにーーーず。

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    2015年08月14日

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