作品一覧
-
-中国元朝のフビライ・ハーンの時代、ヨーロッパから中国におもむいて長年フビライに仕え、26年ぶりに故郷ヴェネチアに帰国した商人マルコ・ポーロ(1254~1324)の大旅行記・博物誌。たまたまマルコが帰国した時期はヴェネチアがジェノアと争っていたため、軍艦に乗っていたマルコはジェノアの捕虜となって、その後の講和で釈放されるまでの約1年間ジェノアの獄にあった。その獄中で知り合ったのがピサ出身のルスティケロという物語作者で、「東方見聞録」はこのルスティケロの手によって初めてまとめられた。マルコはフビライの使者として、または商売で長期間、中国各地を旅行したので、モンゴルの歴史や風習、中国や中央アジアに関して、きわめて幅広い知識をヨーロッパに初めてもたらすことになり、そのアジア観に深い影響をあたえた。
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
誰しも名前は聞いたことはあるが、その内容については意外によく知られていないのではないかと思われる『東方見聞録』。
ヴェニスの商人であるマルコ・ポーロは、同じく商人である父及び叔父に随行する形で東方へ向かった。
その行路は、西アジアから始まり、広大な中央アジアを通って中国に至るというものであった。
当時のアジアは、カーンの統治するモンゴル帝国におおむね服属しており、マルコもまた、フビライ・カーンに17年間仕え、その間に、カーンの宮廷事情や広大な中国領土などを見聞した。
これが本書(第一巻)の概要であるが、その叙述の具体的なこと極まりなく、まさにユーラシア大陸中を冒険しているかのごとき気分に浸 -
Posted by ブクログ
フビライ・ハーンは、現在この世界にいる、いや、今までにこの世界にいた王の中で最も偉大な王。モンゴル帝国の都ハンバリク(中国名:大都、現在の北京)。
ザイトゥーン(泉州)。膨大な胡椒が運び込まれている世界最大の港。高価な宝石や大粒の真珠を積んだインド船が次々とやってくる。アレクサンドリアの100倍の数の船が入港している。
プレスター・ジョン(キリスト教徒の王)はモンゴル高原の覇者だったが、チンギス・ハーンとの戦いに負けて戦死してしまい、プレスター・ジョンの王国もモンゴル帝国に併合されてしまった。
ジパング。中国の南(マンズ)から東へ1500マイルの大洋中にある。とても大きな島。住民は皮膚の -
Posted by ブクログ
『東方見聞録』を読んでみる日が来ようとは…!笑
本書は1978年刊同名タイトルを昨年復刊したものらしく、新たに加わった解説も相まって読みやすかった。実際仕えていたとはいえフビライ・ハン(以下本文に倣い、大ハーン)を必要以上に崇拝していたり(「君主のうちの大君主」)、旅行先の描写も誇張されていそうで胡散臭さはあったけど、国外どころかアジア方面なんて未知の領域だったヨーロッパ人にはこれが全てだったんだろうな。
マルコ・ポーロ(以下、ポーロ)は故郷ヴェニスへの帰還後、国同士の小競り合いに巻き込まれて1年間捕虜として獄中にいた。その間同室だった大衆作家に、自身が旅してきたアジア諸国(日本・東南アジア -
Posted by ブクログ
1巻では大体モンゴルへ行くまでに通りすがった街の紹介(特産物や人の暮らしぶりなど)、モンゴル宮廷に仕えてから巡ったアジアの各地の紹介などなど、2巻では海路で東南アジアからインド、アラビアへ。ヴェネツィアへの帰還への道すがらの各地の紹介。
帰りは道すがらの王様への花嫁を伴っての旅だったはずだけど、その辺の交流などの描写はなくて残念。
まぁ花嫁届けるのがやっとって感じだったらしいので、あまり思い出したくない苦難の道行きだったのかなぁ。
2巻には日本の紹介もあったのだけど、訪れてはいなかったので伝聞で人喰いの習慣があるとか書かれてたり。いやいやいや。
インド方面はモンゴルに貢ぎ物はしてない裕福な王侯