作品一覧

  • プルーストへの扉
    4.0
    1巻2,079円 (税込)
    ここからはじめる『失われた時を求めて』 2021年で生誕150年を迎えるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』は、多くの人にとって「いつかは読んでみたい」「途中で挫折したけれど、もう一度挑戦したい」小説のひとつでしょう。3000ページからなり、500人の登場人物がいるこの作品を、プルースト自身は大聖堂に喩えています。圧倒的な大きさ、この上なく精緻な細部に、躊躇したり、読む気をなくしたりするのは無理もないことかもしれません。 この本の目的はただひとつ、そうした先入観を払拭することにあります。著者は斬新でわかりやすい3段階のアプローチで『失われた時を求めて』への扉を開いてくれます。まず、プルーストとはどういう人物だったのかを確認します。そして、厳選した引用をちりばめて基本的な登場人物たちを紹介しながら、なぜプルーストを読むのかということについて、12の理由から考えていきます。最後に「花咲く乙女たちのかげに」の断章の分析を試みることで、プルーストの書き方の特徴にふれます。巻末には訳者による固有名詞索引や関連年表をつけました。 そっと背中を押すように、この本はきっとあなたを『失われた時を求めて』の世界へと連れていってくれることでしょう。
  • 物語 パリの歴史
    3.6
    どの街角を歩いても歴史に出会う街、パリ。その尽きせぬ魅力を物語風に活写する。第1部はパリの誕生から現在まで、2000年以上にわたるその歴史を30の章に分けて紹介。第2部は、パリの様々な横顔を連想風につづる。旅行ガイドにもおすすめ!
  • 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~
    4.1
    1~6巻990~1,353円 (税込)
    色彩感あふれる自然描写、深みと立体感に満ちた人物造型、連鎖する譬喩……深い思索と感覚的表現のみごとさで20世紀最高の文学と評される本作が、豊潤で絢爛たる新訳でついに登場。第1巻では、語り手の幼年時代が夢幻的な記憶とともに語られる。プルーストのみずみずしい世界が甦る!〈全14巻〉
  • 七世竹本住大夫 私が歩んだ90年
    -
    文楽最後の名人が90年の人生すべてを語る。昭和初期のモダン都市文化の精髄を一身に浴びて育った少年時代。中国への出征と帰国。念願の文楽入りを果たすも社会主義運動のあおりを受けて文楽界は二団体に分裂。「どさ回り」の苦難の日々の中での猛稽古。 自他共に認める不器用人間が、努力努力で遅咲きの栄光を極めるも、大阪市の補助金打ち切り問題をめぐる過労から病に倒れ、引退を決心。抜群の記憶力で語る昭和史の貴重な記録
  • 七世竹本住大夫 限りなき藝の道
    -
    三百有余年の文楽史上、最高齢の大夫の至芸とは? 「好きだからこそ、いつも一生懸命なんですわ」「まだ足りん、もう一回、人生がほしい」「基本に忠実に素直にやればいいのです」。十年以上、各地での住大夫の公演を「おっかけ」続ける仏文学者が、不世出の名人が辿りついた至高の境地に肉迫する。住大夫と三味線の野澤錦糸のインタビュー、年譜、著書・CD・DVDリストも収録。文楽の見どころ聴きどころも丁寧に解説。
  • 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~

    Posted by ブクログ

    マドレーヌを浸した紅茶の一口から、忘れていた少年時代の日々が色鮮やかによみがえる。あまりに有名なこの作品の醍醐味は、書き手の脳裏に次々浮かび上がる記憶の断片、全体として「コンブレーで過ごした私の少年時代」とでも題して時系列に出来事を並べることも可能かもしれないある時期の記憶を、あえて断片のままよみがえるに任せ、その、時空や地理の縛りを超えてひらひらと漂う「記憶」のよみがえる様それ自体を言語化しているという、他の作品では味わったことのない体験にあると思う。
    旅先のホテルでふと目を覚ました時に感じる、自分の居場所が分からなくなる一瞬の戸惑い。寝室でひとり母の「おやすみのキス」を待つ、子供の頃の切な

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    2021年09月22日
  • 失われた時を求めて 4~第二篇「花咲く乙女たちのかげにII」~

    Posted by ブクログ

    「私」は、バルベックでアルベルチーヌと「花咲く乙女たち」に出会う。

    この物語を読んでいると、走馬灯のように人生の様々な出来事が思い出される。
    そして、読むほどに自分の姿が露わになってくる。
    もちろん、思い出すのは楽しい思い出ばかりではない、それどころか、むしろ「苦しきことのみ多かりき」なのだが、僕にとってはこの物語自体が紅茶に浸したマドレーヌの働きをしている様なのだ。/

    加えて、言うまでもなくプルーストの見事なまでに精緻な恋愛心理の分析を辿っていくことには、無類の楽しさがある。
    呆れるほど息の長い彼の文体にしても、一度慣れてしまえば心地良い旋律となって、ハンモックの様にそれに身を委ねること

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    2021年08月12日
  • 失われた時を求めて 2~第一篇「スワン家のほうへII」~

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    スワンが高級娼婦のオデットにひたすら振り回されたあげく、通っていたサロンからも村八分にあうという悲惨な巻。

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    2013年04月10日
  • 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~

    Posted by ブクログ

    称賛の半分は訳業に対して。このくらい気取った日本語の方がプルーストに合っているし、何より光るのは解釈の適切さ。読みながらはっきり映像が浮かんでくる。そういう体験は今までの訳ではありえなかった。名訳。

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    2013年05月01日
  • 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~

    Posted by ブクログ

     「ときどき、せっかちな時鐘が前の鐘より二つ多く鳴ることがある。間の鐘をひとつ聞き逃したのか。現実にあった何かが私のなかで起こらなかった。深い眠りにも似た、魔術的な読書に対する関心が、幻覚にとらわれたかのような私の耳をはぐらかし、静寂に満ちた紺碧の空に刻まれた黄金の鐘の印を消し去ったのだ。」(213頁)
     「眠っている人間は身のまわりに糸にも似た時の流れを、そして、長い歳月やさまざまな世界が持つ一定の秩序を輪のように巻きつけている。目覚めたとき、人は本能的にそれらを探って、自分が現在いる地点や目覚めまでに流れた時間を即座に読みとろうとする。だが、時の流れやそうした秩序はもつれて渾沌としているか

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    2011年06月08日

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