作家買い。チンピラとか裏世界ものあんまり好きじゃないんだけど、さすがの小中先生です。試し読みの段階で一気に引き込まれました。
主人公の「やさぐれ男」こと礼夜は舎弟に腹を刺され、死を覚悟して川に転落。
そこで異世界に転生して新たに生き直すのでですが、クーデターで生き残り逃げてきた王子の身代わりとしてで
...続きを読むした。
この身代わりというのが主人公にとってのキーワードで、彼は幼ない頃から実母に邪険にされ、愛を知らず心を麻痺させてなんとか生きてきた経験があります。人を簡単に信用しねーぞという姿勢の礼夜に胸がキュッとします。
昔取った杵柄(?)で悪どいやり方を駆使して活路を見出し、ハッタリもきかせ、王子の元家臣たちを引き連れ前に前に進んでいく礼夜が爽快。ついでに異世界に来る前には得られなかった愛や信頼もお話が進むにつれて獲得していく様に胸がキュッとしました。
そして私にとって一番盛り上がる場面はなんと言ってもラスト!おお、こうきたか…!!という…。
最後の最後で泣かされちゃった大満足の一冊でした。