吉田恭子の作品一覧
「吉田恭子」の「王様のためのホログラム」「かくも甘き果実」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「吉田恭子」の「王様のためのホログラム」「かくも甘き果実」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
とにかく面白かった。500ページ超の本を一気に読んだ。
実在するIT企業を髣髴をさせる現実的な設定が特に面白かった。
あと10年もすれば全て実現できるのでは?と思わせる
妙にリアルな近未来の世界がぞわぞわと心に迫ってくる。
便利にすること、だれにでも分かりやすくすること、正直で公平であること。
そこから始まったことが段々と常軌を逸していく。
スタートが「善」だと、そこに異議を唱えるのは難しい。
中庸というのは本当に難しいのだと改めて思った。
このシステムは本当に便利だ、だれにでも無料で使えるようにするべきだと思うシステムもあった。けれど、その裏には常に危うさが付きまとう。
オンラインが実
Posted by ブクログ
現代の1984。舞台はサークルという「C」のロゴを持つIT企業。疑いようもなくモデルはGoogleであり、世界は知らず知らずのうちに情報を管理され、プライバシーはなくなり、監視のもとに晒される。「C」の穴が閉じるとき、サークルは完全な円になる。
ここでは、SNSのニコマークを得るのに中毒になっている人間や、知る権利の正義を信じてハードワークをこなす人間がたくさん出てくるが、それらは全て私たちの生き写しだ。私たち一人ひとりは罪のない一般人だし、影響力もないし、そんなに悪い人でもない。ただその無意識の盲信が集団で持つ力はあまりに大きすぎる。
知る権利は確かにあるところまで正義だろう。性犯罪をな
Posted by ブクログ
そうそう、読み終えて印象に残る、ハーンの不在。
ラフカディオ・ハーンって小泉八雲だよね、日本の怪談を集めた人だよね、という程度の理解で読み出すと、いろいろ驚く。ギリシャで生まれアイルランド→アメリカ→日本へと渡ったラフカディオ・ハーンが、母、最初の妻、2番目の妻の3人の語りとジャーナリストの文章の引用を挟んで描かれる。それをベトナムで生まれアメリカに難民として移住した著者が、英語で書いている、という。。。
幾つかの国と言語、女性たちの特殊な語り口、出雲地方の方言、と翻訳もかなりの労作だったに違いない。
早くも、日本”翻訳”大賞の候補にあげたいくらい。
Posted by ブクログ
「すごい、ここは天国だ」という書き出しで始まる、現代ディストピア小説。かつてのディストピア小説は共産主義国をモデルにしていたわけだが、この現代ディストピア小説のモデルは言うまでもなく Google で、誰もが内心気がついている恐怖感を具現化した。そして、これが壮大なパロディとなるか、黙示録となるかは、まだ誰にも判らない。
Dave Eggers は現代アメリカを代表する作家で、この "The Circle" も New York Times bestseller #1。本当は原著で読もうと思っていたのだが、面白そうだったので翻訳でサッサと読んでしまった。