作品一覧

  • かくも甘き果実
    3.5
    1巻2,640円 (税込)
    “ここではないどこか”を求めつづけ、最後には日本で「移民作家・小泉八雲」となった男ラフカディオ・ハーン。彼の人生に深く関わった3人の女性が、胸に秘めた長年の思いを語りだす。生みの母ローザ・アントニア・カシマチは、1854年、故郷への帰路の途中アイリッシュ海を渡る船上で、あとに残してきた我が子の未来を思いながら。最初の妻アリシア・フォーリーは、夫との別離を乗り越えたのち、1906年のシンシナティで、ジャーナリストの取材を受けながら。2番目の妻小泉セツは、永遠の別れのあと、1909年の東京で、亡き夫に呼びかけながら。ジョン・ドス・パソス賞受賞の注目作家が、女性たちの胸の内を繊細かつ鮮やかに描いた話題作。
  • 王様のためのホログラム
    3.0
    1巻2,750円 (税込)
    〈トム・ハンクス主演、トム・ティクヴァ監督の映画化原作〉起死回生の大口注文はとれるのか!? 中東の砂漠の都市に乗り込んだセールスマンを襲う悲喜劇を描いたアメリカ文学界の新鋭の話題作!
  • ザ・サークル
    3.8
    1巻2,860円 (税込)
    世界最高のインターネット・カンパニー、サークル。広くて明るいキャンパス、一流のシェフを揃えた無料のカフェテリア、熱意ある社員(サークラー)たちが生み出す新技術――そこにないものはない。どんなことも可能だ。 故郷での退屈な仕事を辞めてサークルに転職した24歳のメイは、才気あふれる同僚たちに囲まれて幸せな会社生活を送りはじめる。しかし、サークルで推奨されるソーシャルメディアでの活発な交流は、次第にメイの重荷になっていき…… 人間とインターネットの未来を予見して世界を戦慄させた、笑いと恐ろしさに満ちた傑作小説。
  • ザ・サークル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とにかく面白かった。500ページ超の本を一気に読んだ。
    実在するIT企業を髣髴をさせる現実的な設定が特に面白かった。
    あと10年もすれば全て実現できるのでは?と思わせる
    妙にリアルな近未来の世界がぞわぞわと心に迫ってくる。

    便利にすること、だれにでも分かりやすくすること、正直で公平であること。
    そこから始まったことが段々と常軌を逸していく。

    スタートが「善」だと、そこに異議を唱えるのは難しい。
    中庸というのは本当に難しいのだと改めて思った。

    このシステムは本当に便利だ、だれにでも無料で使えるようにするべきだと思うシステムもあった。けれど、その裏には常に危うさが付きまとう。
    オンラインが実

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    2015年03月11日
  • ザ・サークル

    Posted by ブクログ

    現代の1984。舞台はサークルという「C」のロゴを持つIT企業。疑いようもなくモデルはGoogleであり、世界は知らず知らずのうちに情報を管理され、プライバシーはなくなり、監視のもとに晒される。「C」の穴が閉じるとき、サークルは完全な円になる。

    ここでは、SNSのニコマークを得るのに中毒になっている人間や、知る権利の正義を信じてハードワークをこなす人間がたくさん出てくるが、それらは全て私たちの生き写しだ。私たち一人ひとりは罪のない一般人だし、影響力もないし、そんなに悪い人でもない。ただその無意識の盲信が集団で持つ力はあまりに大きすぎる。

    知る権利は確かにあるところまで正義だろう。性犯罪をな

    0
    2015年03月08日
  • かくも甘き果実

    Posted by ブクログ

    ラフカディオ・ハーンにかかわる3人の女性の物語。彼がまるで操っているかのように合間に見える。そして彼の別な一面を垣間見たと感じさせられる。この時代にこんな風に生きたことに驚いた。いつかハーンの伝記を読んでみたい。

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    2022年10月03日
  • かくも甘き果実

    Posted by ブクログ

    そうそう、読み終えて印象に残る、ハーンの不在。

    ラフカディオ・ハーンって小泉八雲だよね、日本の怪談を集めた人だよね、という程度の理解で読み出すと、いろいろ驚く。ギリシャで生まれアイルランド→アメリカ→日本へと渡ったラフカディオ・ハーンが、母、最初の妻、2番目の妻の3人の語りとジャーナリストの文章の引用を挟んで描かれる。それをベトナムで生まれアメリカに難民として移住した著者が、英語で書いている、という。。。

    幾つかの国と言語、女性たちの特殊な語り口、出雲地方の方言、と翻訳もかなりの労作だったに違いない。
    早くも、日本”翻訳”大賞の候補にあげたいくらい。

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    2022年06月29日
  • ザ・サークル

    Posted by ブクログ

    「すごい、ここは天国だ」という書き出しで始まる、現代ディストピア小説。かつてのディストピア小説は共産主義国をモデルにしていたわけだが、この現代ディストピア小説のモデルは言うまでもなく Google で、誰もが内心気がついている恐怖感を具現化した。そして、これが壮大なパロディとなるか、黙示録となるかは、まだ誰にも判らない。

    Dave Eggers は現代アメリカを代表する作家で、この "The Circle" も New York Times bestseller #1。本当は原著で読もうと思っていたのだが、面白そうだったので翻訳でサッサと読んでしまった。

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    2018年07月15日

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