作品一覧

  • ものぐさ精神分析 増補新版
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    1巻1,320円 (税込)
    人間の本能は現実との接触を失っており、適応の機能を果たさない。本能の代わりに自我がその機能を果たさなければならない。――日本は黒船来航ショックを病因的精神的外傷とする精神分裂病質であると診断した「日本近代を精神分析する」以下、歴史、性から自己まで、五つのテーマに迫る唯幻論の代表作。 〈解説〉伊丹十三 〈対談〉橋本治 (目次より) 歴史について 日本近代を精神分析する/吉田松陰と日本近代/国家論/日常性とスキャンダル 性について 性の倒錯とタブー/エロスの発達/性欲論/性的唯幻論/恋愛論/何のために親は子を育てるか 人間について 擬人論の復権/時間と空間の起源/言語の起源/現実と超現実/精神分裂病 心理学について 一人称の心理学/心理学者の解説はなぜつまらないか/心理学無用論 自己について ナルチシズム論/自己嫌悪の効用/セルフ・イメージの構造/自我構造の危機/詩人のなりそこね/我発見被殴打的根本原因/忙しい人とひまな人/一期一会/わたしの原点 あとがき 解説 伊丹十三 対談「幻想と妄想」 橋本治×岸田秀
  • エスの本 ある女友達への精神分析の手紙
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    1巻1,705円 (税込)
    「人間は、自分の知らないものに動かされている」。フロイトの理論に大きな影響を与えた医師グロデックが、フロイトへの書簡を元に、架空の女友達にむけて「エス」を説明したのが本書である。「知ろうとするのをやめ、空想する決心をすれば、無意識の奥深く突入することができます」。混沌として論理的な世界の理をあかし、「病」の概念すら変える心身治療論。
  • 唯幻論大全
    3.0
    1巻2,546円 (税込)
    “私”、国家、歴史、神、セックス……全ては幻想である 「人間は本能が壊れた生命体である」たった一つの原理から、人間のすべての文化と愚行を説明し尽くした。戦後最大の思想が、いま再び、閉塞した世界を切り開く。 岸田精神分析40年の集大成!! 目次 第1部 自我論(自我の精神分析:母の術策:現実喪失:母の立場 ほか) 第2部 歴史論(時間と空間の起源:精神分析は集団心理学である:差別が人種を生んだ:唯幻史観による歴史 ほか) 第3部 セックス論(性的唯幻論:男の性欲:文句を言い始めた女たち:商品としての女 ほか)
  • 史的唯幻論で読む世界史
    3.0
    1巻1,045円 (税込)
    古代ギリシア文明は黒人の文明であり、古代インド文明を築いたとされるアーリア人は存在しなかった――。ヨーロッパが語る白人中心主義の歴史観が彼らの誇りを支え、今なお世界を覆っている欺瞞と危うさを鮮やかに剔抉、その思想がいかにして成立・発展したかを大胆に描き出す。史的唯幻論が、白人によって作りあげられた「幻想の世界史」を鋭く告発する。
  • なぜ日本人はいつも不安なのか 寄る辺なき時代の精神分析
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    新潟女性監禁事件、腐敗する官僚・警察組織、幼児虐待、醜形恐怖、引きこもり……。本書は、90年代のバブル崩壊以降、悲観論が渦巻く日本の世情をふまえ、この国の不安、不満の本質を読みといている。まず、最近の異常犯罪の傾向について、町沢氏は80年代の快楽犯罪と比べ、90年代以降は自己愛的犯罪になったと指摘する。つまり、自分の存在を知らしめようとする犯罪である。一方、岸田氏は、共同幻想が崩れてから犯罪者の心理が見えにくくなったと言う。恨みの対象が必ずしもはっきりしないため、どこへ矛先が向くか、全くわからなくなってしまったのだ。さらに議論の焦点は、父性、母性論、日本人の官僚病、アメリカという呪縛、若者たちの身体と性、そして、フロイト、ユング以後の精神分析について等、興味深い話題がつきない。幻想にすがり、現実から目をそらすこの国の病理とは? 現代日本人の「自己愛症候群」を鋭く分析した刺激的対論である。

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  • ものぐさ精神分析
    3.5
    1~3巻961~1,980円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ユダヤ人の脳味噌から生れた精神分析学なるものを自家薬篭中のものにして、快刀乱麻を断つごとく、この湿っぽい日本の現実や、私たちの卑小な自意識のドラマの構造を、白日のもとにあばき出してくれる。

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  • 希望の原理
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 自我も、他者も、正義も、精神も、肉体も、性欲も、この世のすべてのものは幻想である。本能の壊れてしまった人間に、未来はあるのか-。フロイドの精神分析をもとに築き上げた<唯幻論>を窮極までつきつめたとき初めて見えてくる人間にとっての「希望の原理」とは何か。

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  • 幻想の未来
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 自我とは本能の壊れた動物=人間がつくりあげた幻想である。対人恐怖症も甘えも卑屈さも近代的自我というまぼろしを追い求めた日本人の病なのだ―。フロイドを乗り越え独自の体系を構築したものぐさ流精神分析学による自我論の集大成。

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  • フロイドを読む
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 小説より奇なる自己分析の物語。精神分析の話をさせたら、その面白さにかけて右に出る者のいない著者が、フロイドに初めて真正面から挑む。自らの生い立ち、母との愛憎などを素材として、ユニークな「自己分析」を展開、フロイド理論の基礎から核心までを具体的にあとづけ、「本能の壊れた動物」としての人間精神の深層に迫る。

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  • 不惑の雑考
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 すべての文化・文明は人間がでっちあげた幻想にすぎない-。フロイドの心理学理論を発展させて築き上げた「唯幻論」をひっさげて、スポーツ・ブームから差別、保安処分問題、家庭、教育、道徳、死生観、セックスの問題にいたるまで、日本のあらゆる事件・事象を面白いように斬りまくるものぐさ精神分析応用編。

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  • 歴史を精神分析する
    4.5
    戦争、薬害エイズ事件などで、官僚はなぜ国家や国民の利益に反する行動をしたのか、アメリカは何ゆえに日本への原爆投下を謝罪しないのか、どうして日本人はアジア人の中で英語がいちばん下手なのか……歴史的事件の背景にあるものを精神分析の手法で考察。(『官僚病の起源』を改題。)

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  • 歴史を精神分析する

    Posted by ブクログ

    官僚組織は本来国民のためのものであるにもかかわらず、自己目的化し、仲間内の面子と利益を守るための自閉的共同体となっている。p31

    日本国家の起源として、大陸および半島との現実的国際関係を否認して天孫降臨の神話、天から降りてきた神々が他国とは一切の関係をとらずおのれの力だけで独自に国造りをしたという嘘をでっちあげたところを出発点にしているのだから、歴史的必然性として日本で形成されるあらゆる共同体は自閉的共同体となる。

    他方でアメリカは文明の名においてアメリカ先住民を大虐殺するという欺瞞を出発点にしてはじまった国家であり、ときどき文明の名において野蛮な他民族(日本、ベトナム、イラクなど)を虐殺

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    2016年01月12日
  • 希望の原理

    Posted by ブクログ

    久々の岸田秀。相変わらず他の著書と主論は全く変わらないが、本書は語りおろしという事で、これまで言ってきた論のオムニバス的集大成を一望できる趣向。
    「まあこれも正しくはないかもしれない」相対論的に語ることでリアリティがあり、好感が持てる。一年に一冊岸田することで精神衛生がある程度保たれる。健康診断みたいなものだな。

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    2015年06月05日
  • 希望の原理

    Posted by ブクログ

    唯幻ということを一旦カッコに入れて、岸田流の自我の扱いを見直してみれば、これは案外実用的なんだと改めて思った。

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    2013年07月31日
  • ものぐさ精神分析

    Posted by ブクログ

    2011/07/09

    最初は偏屈でいけ好かない本だと思っていたのだが、
    「性について」辺りから徐々に面白くなり、
    最後の「自己について」の章はするすると読み進められた。

    「自己嫌悪の効用 ──太宰治『人間失格』について」では、
    効用どころか、自己嫌悪がいかに自己欺瞞的であり、狡くて、
    自己中心的な詐欺の温床であるかを述べていて、
    少し行き過ぎとは思ったものの、内容は非常に痛快です。
    自分の純粋性を心底信じている人が読むと、酷く苦い思いを味合うかも。

    全体を通して著者の偏ったものの見方が目立つが、
    ある一面では、とても鋭く切り込んで物事を捉えているので、
    目を見開かされることも多かった本で

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    2011年07月09日
  • 不惑の雑考

    Posted by ブクログ

    おそらく出尽くした心理学の集大成で、これほど読み応えのある本はありませんでした。岸田洗礼を受けたのは私がまだ20歳くらいのとき。
    言いえてるのだけど、救いはありません。

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    2010年04月13日

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