ダロンアセモグルの作品一覧
「ダロンアセモグル」の「技術革新と不平等の1000年史」「国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ダロンアセモグル」の「技術革新と不平等の1000年史」「国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
同じ著者による前著「国家はなぜ衰退するのか」では、リベラル・デモクラシー+自由主義経済が発展するために必要である一方、強権的政治による収奪的な経済制度が衰退に繋がることを説明したが、続編である本著は同様な主張をさらに精緻化して提示している。具体的には後者にも集権的独裁制度や社会主義計画経済、農奴制、無政府状態といった様々なパターンがあり、強権的政治による収奪的経済制度と一括りに説明するには無理があるということである。そこで本著では「国会」と「社会」の力関係の組み合わせという枠組みを提示している。この枠組みにより「衰退する」国家の様相を精緻に説明するととも、「繁栄する」リベラル・デモクラシー+自
Posted by ブクログ
同じ著者による前著「国家はなぜ衰退するのか」では、リベラル・デモクラシー+自由主義経済が発展するために必要である一方、強権的政治による収奪的な経済制度が衰退に繋がることを説明したが、続編である本著は同様な主張をさらに精緻化して提示している。具体的には後者にも集権的独裁制度や社会主義計画経済、農奴制、無政府状態といった様々なパターンがあり、強権的政治による収奪的経済制度と一括りに説明するには無理があるということである。そこで本著では「国会」と「社会」の力関係の組み合わせという枠組みを提示している。この枠組みにより「衰退する」国家の様相を精緻に説明するととも、「繁栄する」リベラル・デモクラシー+自
Posted by ブクログ
人類の歴史において稀有な「自由を獲得した社会」が、どのように生まれるのかについて考察した本。
誰もが自由を享受したいと思っているが、享受できない国・地域で暮らす人は多いし、享受できている国で暮らす人も、それが続く保証はどこにもない。(本書で紹介される不自由を強いられる人々の話を読むと、自由がいかに稀有かを痛感させられる)そう考えると、本書のテーマは非常に意義深い。
自由を獲得した社会は、国家と社会の力が均衡する狭い回廊内にしか存在しないという本書の結論は、国家が暴走しないように社会が監視し続けなければならず、自由の獲得は不断なく続くプロセスであることがよく理解できる。
一方、本書末尾の『解
Posted by ブクログ
国家による暴力・専制や、社会による規範の押し付けや差別などから”自由”を構築するための要件は何かをまとめあげた大作。
上巻では、自由が成立するためには国家と社会の力学が相互に干渉しあいながらバランスする”狭い回廊”の状況下において、自由を圧制しようとする国家と社会の双方の力が制約された”足枷のリヴァイアサン”をいかに生み出すかが自由において重要であるという本書の理論フレームワークが描かれた。
下巻にあたる本書においては、このフレームワークを用いて、国家の暴力・専制が行きすぎた”専横のリヴァイアサン”、及び社会の規範・差別が行きすぎた”不在のリヴァイアサン”から抜け出すためのアプローチについ
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社会の繁栄と貧困の差は、政治と経済の制度の違いによって生まれたと説明する。
多数の資源を少数が搾り取る収奪的制度では、所有権が保護されず、経済活動のインセンティブも与えられない。少数は、自らの利益のために収奪的制度を維持し、手に入れた資源を利用して政治権力を強固にする。収奪的制度の下でも、政治的中央集権化化によって、ある程度の成長が可能だが、創造的破壊によるイノベーションが起こらないため、成長には限界がある。また、政治権力をめぐって闘いが発生するため、社会は不安定になる。
包括的政治制度では、政治権力が幅広く配分され、法と秩序、所有権の基盤、包括的市場経済が確立される。有史以来、収奪的制度