読解力を伸ばすことに興味があり、関連の本を何冊か読みましたが、この本がダントツで良かったです。
たくさんのことを学びましたが、いくつか列記したいと思います。
一つ目は、現代文、古文、漢文を含めた国語の目的は、「現代の文章が読解できるようになること」。この1つだけだということ。
古文の勉強は、古文が読めるようになること、漢文の勉強は、漢文が読めるようになることが目的と思っていた私には、衝撃的で新鮮でした。
特に、古文が苦手で、勉強する意味を見いだせませんでしたが、古文を現代の文章の読解という目的で勉強していたら、成績も上がったのかなと思いました。
本書を読むと、古文・漢文も現代の言葉とつながっていることが、よく分かりました。
二つ目は、国語が苦手な人の多くが「読む」と「読解」の作業を混同していたり、もしくは「読む」か「読解」のどちらかが抜けていたりしているという指摘です。
読解は、「読む(読み取り)」と「解釈」の2つのプロセスからできている。まずは、「読む(読み取り)」のプロセスを通して文章の全体像を把握し、その次に「書き手の一番言いたいこと」を解釈する。文章を読解するときは、いきなり解釈から入らずに、文章の全体像をしっかり把握することが大切、と著者は述べていました。
三つ目は、古今東西、数え切れないほどの文章が存在するが、文章の型自体は数えるほどしかない。
①同格型 ②質問型 ③対比型 ④変化型 ⑤ギャップ型 ⑥葛藤型 ⑦説話型
【その他の心に残った言葉】
・文章を読解するという行為は、例えるなら森を歩くようなものです。読解力を伸ばすためには、「1文ずつ追いかける読み方」ではなく、「地図をつくる読み方」を身につけることが第一歩なのです。
・読解は、自分の立場を離れて書き手の立場に立って解釈する作業です。つまり、読解力とは「相手に寄り添う力」とも表現できるのです。
・「文章全体、または各段落の内容を短くまとめる作業」が要約づくり。「書き手がもっとも伝えたいことを短くまとめる作業」が要旨づくり。
大学受験を控えた娘に是非紹介したいと思いました。手に取って、少しでも学んでくれると嬉しいんですが・・・。