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  • 京都―未完の産業都市のゆくえ―(新潮選書)
    3.3
    1巻1,925円 (税込)
    「空襲がなかったから古い町並みが残る」「京料理は伝統的和食の代表」「職住一致が空洞化を防いだ」「魅力的景観は厳しい保護策のおかげ」――これらの印象論は本当に正しいのか? 地元の「洛中」礼賛一辺倒に疑問を持つ京大出身の経済学者が、「千年の都」が辿った特異な近現代の軌跡を、統計データを駆使して分析する。
  • 京都―未完の産業都市のゆくえ―(新潮選書)

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    <目次>
    序章   
    第1章  京都の経済地理
    第2章  京都の町と社会
    第3章  京都の町の変容と人口移動
    第4章  ゆりかご都市京都
    第5章  住む町京都
    第6章  観る町京都
    終章

    <内容>
    ハードな京都本。経済学のテクニックを使って、近代以降都市化に失敗した京都を分析し、一般的な京都の幻想を打ち砕く。田の字地区(上京・下京区)の新たな都市改造がない限り、京都の近代化はなしえないという。またそのための交通問題の提案もされている(高速の市内乗り入れ・環状型地下鉄)。外から見る京都の良さは欠点であり、住む人の発想の転換が必要なのだ。

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    2023年11月12日
  • 京都―未完の産業都市のゆくえ―(新潮選書)

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     古都・京都。京都の問題点や発展を妨げている要素を著者は示している。街の風景はくすみ、食も地味すぎだった過去の古都は、現代では「ゆりかご都市」であるとしている。新しい企業は生まれるが、その成長過程でそこから離れて行く都市。大学や民間の研究機関が多く、多様な人材と技術の蓄積があり、スタートアップには最適の都市。だが新規事業をサポートする部門が京都は決定的に弱い。学生は多いが卒業後は留まらない。中心街のオフィス利用比率も異様に低い。華やかに見える古都もいろいろな課題があるのである。

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    2024年02月06日
  • 京都―未完の産業都市のゆくえ―(新潮選書)

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    ネタバレ

    あなたはまだ、本当の京都を知らない。

    京都にまつわるいろいろな言説をデータを元に確かめながら、京都の近代を振り返り、また今後の京都の姿を提言する。本当に観光を押し進めるのでよいのかと思っていたので、興味深く読んだ。

    京都の町衆の力とその限界。都心と周辺地域の性格。なるほどと思うことも多かったが、それでも著者の提案する田の字区域再開発は難しそうだと思う。よほどのことがなければ、通りの数え歌にも歌われる東西・南北の通りは区画整理に応じないだろうと。

    とても難しいだろうけれど、循環系統が環状地下鉄になったらいいな。ところで埋文調査しないで地下を掘ることが可能なんですか?

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    2023年10月29日

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