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都鄙問答(とひもんどう)
著:石田 梅岩
訳:加藤 周一
中公文庫 968
都鄙とは、都会と田舎ということです
本書は石門心学の祖である、石田梅岩が、問答という形でその教えを広めるために使ったテキストです。
宋学(=朱子学)をベースとしていて、神・儒・仏を日本の古典を読み、まとめ上げた書であるが、その根底には 心を知るという、三教を共に悟る教えが中心になっている
いままで、全集の中ぐらいにしかなく、文庫になってようとはおもってもいませんでした。
2021に中公文庫の古典シリーズの1つとして発行されていました。
丹波の山村で生を受けた梅岩は、隠遁の学者、小栗了雲に出会って、性理の蘊奥を極め -
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商売は立派な営みであり、営利追求は賤しいものではない。商人の儲けは侍の俸禄と同じ。※石田梅岩の思想はカルヴァン派の役割を果たし、日本の近代化を円滑にした(Bellah, 1957)。▼宇宙のありかたにかなった私心のない態度が大切。お金や商品を使って、社会の適切な運営に寄与することが大切。石門心学。石田梅岩ばいがん『とひもんどう』1739
大乗経典は釈迦の教えにさまざまな学説が加えられて成立。上座部の方が比較的初期仏教の原形をよくとどめている。大乗非仏説論。富永仲基とみなが・なかもと『出定後語しゅつじょう ごご』1745
※既存の宗教権威の否定。
※懐徳堂。大坂。町人によって建てられた学校。家 -
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この春、突然「日本の名著」シリーズに入っていた加藤周一訳・解説の「富永仲基・石田梅岩」(1984)の半分が文庫本になった。何故今なのか?何故本来加藤が好きだった富永仲基ではなく、こちらの方を復刊したのか。
帯を読めば、編集者は本気で現代に石田梅岩を再評価させたいと思っているようだ。もしかしたら、渋沢栄一ブームを見越してのことかもしれない。
曰く
「ウェーバー、ドラッカーよりも200年早い経営哲学」
「起業家必読」
「生産と流通の社会的役割を評価、利益追求の正当性を説いた商人道の名著」
とのことである。
石田梅岩1744年没。中百姓次男として生まれる。11歳で丁稚奉公、商家としては成功しなか -
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今なぜ文庫化?というのが本書を見ての最初の感想。
もっとも、江戸時代の思想家の本はほとんど読んだことがないので、中公バックス亡きいま、今回簡単に手に取れる形になって読む機会を作ってもらったことには感謝。
なるほど心学というのはこういうことを言っていたのかと、ある意味得心はいった。特に、江戸時代の士農工商の身分制度の下で、「商」の倫理・道徳とはいかに在るべきかを、自らの人生経験を基に、具体の例え話によって説いていくところは興味深かった。
その思想的意義の詳細については、加藤周一の詳しい解説があるので、納得するかどうかは別として、是非参照してもらいたい。