作品一覧

  • 父から娘への7つのおとぎ話
    4.4
    イギリス南西部の建築事務所で非正規社員として働くレベッカは、幼いときに父親が家を出ていっていしまい、母親に育てられた。父親のレオには20年近く会っていない。ある日、男性記者エリスが取材目的でレオの行方を尋ねてきた。レオはかつてBBCの子ども番組に出演していた人気俳優だったのだ。エリスはレオが現在どこにいるのか見つけられないという。父親など存在しないかのように暮らしてきたレベッカが母親や親戚に聞いても、「ろくな男じゃない」としか教えてもらえず、生死すらわからない。だが、祖母がこっそり一冊の本を渡してくれる。それは、父親が自分のために書いてくれたらしいおとぎ話の本だった。レベッカはエリスの取材に協力しつつ、本を手がかりに父親を探そうとするが……。〈収集家と水の精〉〈世界の果てへの航海〉〈魔女とスフィンクス〉……7つの奇妙なおとぎ話が収められた本が、知らなかった父親の想いを描き出す。本をこよなく愛する著者が贈る、切なくも心温まる家族の物語。
  • 父から娘への7つのおとぎ話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かつて子ども向けTV番組『密航者』で名を馳せた父、レオを探す娘レベッカの物語。
    間も無く26歳になるレベッカは、幼い頃蒸発してしまったレオについて、彼に関する話題への家族のだんまり、拒絶も手伝い、ほとんど考えることなく過ごしてきた。
    あの世間を賑わせた『密航者』ですら観たことがないくらいに。
    ところが、とあるネット記者が「回顧記事に憧れのレオを取り上げたい、居所を知らないか」と協力を求めてきたことから、父との鮮やかな日々の思い出が蘇り、俄然自分ごととして父の行方が気になり始める。

    家族に当たりをつけても、不穏な空気になるばかり。
    そんな中、祖母から手渡された『7つのお話』。
    父が失踪の2年後

    0
    2023年12月10日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

    Posted by ブクログ

    建築事務所の非正規社員として働くレベッカは、幼い頃に父親が家を出てから、母親に育てられ、もう20年ほど父親と会ってない。

    そんな彼女のもとに、男性記者エリスから何度も連絡があり、父親とは連絡はとっていないのか?どこに住んでいるのか知らないのか?と尋ねられる。

    いつのまにか記憶にもなかった父親のことが、思い出され、自分と母は父親に捨てられていたと信じていたのだが…
    祖母から話を聞こうと、会ったときに手渡されたのは父親からレベッカへの一冊のおとぎ話の本だった。
    そこから父親のことを知りたくなり、記者エリスの取材に協力するという理由で、2人で父親を探す。

    父親のことが、おとぎ話の1話ごとに少し

    0
    2023年11月15日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

    Posted by ブクログ

    愛に包まれた家族の物語
    読み終えた今、胸がいっぱいで涙が溢れる
    そしてこれから訪れるであろう、主人公レベッカの未来に思いを馳せる……


    レベッカの幼い頃、父親のレオは姿を消した。
    レオは人気俳優だった。
    それ以来、母親や家族は父親など最初から存在しなかったかのように暮らしている。
    レベッカもそのように暮らしてきた。
    でも心の中から父親が消えたことはない。

    ある日職場に現れたのは、レオについて調べているという記者のエリス。
    これをきっかけにレベッカは父親を探していくのだが…

    捜索の手がかりになるのは、緑色の表紙の古い本。
    父親がレベッカのために書いた「おとぎ話」だ。
    これらの文章に隠された

    0
    2023年11月04日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アマンダ・ブロックのデビュー作。
    ミステリに限りなく近い家族小説。

    7つのおとぎ話が書かれた絵本を残し、姿を消した父を探す物語。残された娘が、一つ一つのおとぎ話を手がかりに、家族や親戚が絶対に話そうとしない父の姿を追う。

    おとぎ話から父へアプローチする過程がミステリ風(それだけではなく、ある一点も非常にミステリな要素あり)。
    ただ本質は家族小説。なぜ父は姿を消したのか。父の本当の姿は。この辺りは、ベタといえばベタなのだが、読みたいものを読ませてくれる感じが非常に良い。
    心が暖かくなる小説を読みたい時に、ぜひおすすめしたい。

    0
    2023年09月28日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

    Posted by ブクログ

    ★5 幼い頃に失踪した父を探して…大切な人に胸の内を話したくなる名作 #父から娘への7つのおとぎ話

    ■はじめに
    私には大切な家族がいます。愛すべき妻と中学生、小学生になる息子たち。家族みんなで食べるご飯は美味しく、たまの休日に遊びに行くと日ごろの疲れが吹き飛んでしまいます。ただ最近は私や妻は仕事で多忙になり、息子たちは友人との時間を大切にし始めるようになってきました。いつの頃か家族の時間が少なくなってきたような気がしています。

    本書アマンダ・ブロック『父からの娘への7つの物語』は、そんな私に家族の大切さを再度学ばせてくれた素敵な物語でした。

    ■あらすじ
    建設事務所で非正規雇用として働いて

    0
    2023年08月25日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!