作品一覧

  • タングステンおじさん 化学と過ごした私の少年時代
    4.2
    1巻1,364円 (税込)
    〔化学と過ごした私の少年時代〕のちの脳神経科医、サックス先生は年少時、化学に夢中だった。物質の化学的な振舞いの面白さを説き語ってやまないおじ、「タングステンおじさん」がいたから……科学への憧れを育んだ楽園の日々を綴りながら、化学史を一風変わった切り口から紹介ずる自伝的エッセイ、待望の文庫化。
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界
    4.1
    1巻2,420円 (税込)
    失読症のミステリ作家や楽譜が読めなくなったピアニストは、どう「見る」ようになったのか。片目の視力を失った著者自身の経験もふまえ、目と脳の、そして想像力の、奇妙で驚くべき働きを描く。卓越した洞察力と患者への温かな視線が際立つ、傑作医学エッセイ
  • 意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源
    4.0
    亡くなる直前、進化論的な考え方に関心を示したサックス先生は、脳神経系や意識の起源につながる事柄と患者の症例、そして自らの病状をも素材にして思索を深めていた。脳科学の最新成果も貪欲にとりいれた、サックス最後の医学エッセイ集。(解説・養老孟司)
  • サックス先生、最後の言葉
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    末期ガンを知らされた著者が、充実した人生への深い感謝の念を、周期表に捧ぐ変わらぬ愛を、老いや病、死を潔く受け入れる心境を説き語る、死後刊行されベストセラーリスト入りした遺作エッセイ集。
  • 道程―オリヴァー・サックス自伝―
    4.5
    1巻2,970円 (税込)
    「幼いころ、閉じ込められている気がして、動きたい、力がほしいと願った。その願いは空を飛ぶ夢で一瞬かなえられ、乗馬をしたときにも実現した。しかし何よりも好きだったのはバイクだ」 モーターサイクルのツーリングに熱中した学生/インターン時代に始まり、世界的なベストセラー医学エッセイの著者になったいきさつ、そしてガン宣告を受けた晩年まで、かたちを変えながらも「走り続け」た波瀾の生涯を赤裸々に綴る、脳神経科医サックス生前最後の著作となった初めての本格的自叙伝。
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記
    3.7
    先天的に色彩感覚をもたずモノトーンの視覚世界で暮らす人々がいるピンゲラップ島とポーンペイ島。原因不明の神経病が多発するグアム島とロタ島――脳神経科医のサックス博士はミクロネシアの閉ざされた島々に残る風土病の調査に訪れる。島の歴史や生活習慣を探るうちに難病の原因に関わる思いがけない仮説が浮かび上がるのだが……。美しく豊かな自然とそこで暮らす人々の生命力を力強く描く感動の探訪記。
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者
    4.5
    1巻1,034円 (税込)
    全色覚異常の天才画家、激しいチックを起こしながら巧みに執刀するトゥレット症候群の外科医、みずからを「火星の人類学者」と感じる自閉症の動物学者……『レナードの朝』で世界中を感動させたサックス博士が、患者たちの驚くべき世界を温かい筆致で報告し、全米ベストセラーとなった医学エッセイの最高傑作。
  • 妻を帽子とまちがえた男
    4.0
    1巻1,056円 (税込)
    妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親……脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作、待望の文庫化。
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)
    4.3
    1巻1,188円 (税込)
    雷に打たれ蘇生したとたん音楽を渇望するようになった医師、ナポリ民謡を聴くと発作を起こす女性、フランク・シナトラの歌声が頭から離れず悩む男性、数秒しか記憶がもたなくてもバッハを演奏できる音楽家……。音楽と精神や行動が摩訶不思議に関係する人々を、脳神経科医が豊富な臨床経験をもとに温かくユーモラスに描く。医学知識満載のエッセイは、あなたの音楽観や日常生活さえも一変させてしまうかも?
  • レナードの朝〔新版〕
    4.7
    20世紀初頭に大流行した脳炎の後遺症で、言葉や感情、体の自由が奪われてしまった患者が、奇跡の新薬L-DOPAの投与によって目覚める。 しかし体の機能回復に加え、人格まで変貌してしまうという怖い副作用が……。 レナードら20人の症例とそれに誠実に向き合う脳神経科医サックス博士の葛藤を、人間味あふれる筆致で描く。1970年代の初版以降、演劇や映画化でも世界を感動させた不朽の名作の新版文庫化。
  • 見てしまう人びと 幻覚の脳科学
    4.0
    1巻1,034円 (税込)
    幻覚とは外的現実がまったくないのに生まれる知覚、つまりそこにないものを見たり聞いたりすること。しかしサックスによれば、幻覚は狂気の徴候でも不名誉なことでもなく、それは他に類のないカテゴリーの意識であり、精神生活であるらしい。驚くべき、しかし人間のありようの根幹を伝える実例について共感をもって語る、サックス待望の医学エッセイ最新作。
  • レナードの朝〔新版〕

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    ネタバレ

    脳神経外科による脳炎後遺症患者の長期観察記録。ただし、無味乾燥な症状や数字のみの記録を避け、患者個々の性格や言動、発症までの暮らし、社会との関わり方までも記載し、文学的で哲学的。それは現代医療の患者を即物的に扱う姿勢への批判からきており、一見支離滅裂な行動をする患者側から見た世界、その行動原理、内在する深い人間性への洞察も記されている。物事の断片で正邪を決めつけ、糾弾してゆく世相にも、警鐘を鳴らす指摘だと思う。
    どうしても『アルジャーノンに花束を』を想起する。夢の薬エルドーパによる「目覚め」と呼ばれる劇的な症状の改善、それは生まれ変わるかのような重い症状からの解放をもたらすが、強い副作用、制御

    0
    2024年04月10日
  • 火星の人類学者──脳神経科医と7人の奇妙な患者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私は脳科学系の読み物が好きで、ことに知覚で形作られる世界は個人的なもので、普遍的なものではないという見方に非常に興味を持っている。本書はまさしくその興味を揺さぶられる内容だった。
    本書に描かれている人のうち数人が、自身が障害を持っているということを自覚した上で、障害を消したいとは考えない、とコメントしていたところが印象的だった。それほど彼らが抱えているものが彼らのアイデンティティとして切り離せず渾然一体となっていること、そしてそれほどに彼らが彼らの知覚している世界を守りたいと感じるのだとわかった。
    健常者は、ハンディを抱える人に対して、「正常な知覚ができる状態にできれば感動的だろう」と考えるこ

    0
    2024年03月24日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    譜面が読めなくなったピアニスト、文字が理解できなくなった作家、社交的な人が意思の疎通ができなくなった、、何らかの、それまで大事だった能力をなくしてしまい、その状況と折り合っていく人を描いている。最期の「心の目」は、『ビジュアル・シンカーの脳』とあわせて読むと面白いと思う。

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    2023年11月23日
  • 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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    全色盲に興味があり読み始めたが、全色盲のことを冷徹に学ぶよりも深く、人間の温かみを感じながら、体全体で「知る」ことができたような、そんな感覚を抱く本だった。その上、全色盲だけでなく、神経疾患について、熱帯の島々の文化について、雰囲気について、人間関係について、シダについて、ソテツについて……等など、著者が見た景色、感じたものがそのまままるっと込められていて、良い「熱さ」が迸る本だった。特に自分はシダについて興味があるので、シダに関する記述が異様に細かく、熱量があることに親しみを感じた。ソテツについても勉強したいと思った。

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    2022年12月02日
  • 妻を帽子とまちがえた男

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    個性と多様性の本。

    冒頭にウィリアム・オスラーの「病気について語ること、それは『千夜一夜物語』のようなものだ。」という言葉が載っている通り、(本人や周囲の人には辛いこともあるだろうけど)出来の良い短編を読んでいる様な驚きや発見がある。

    身体の一部であったり神経や脳の機能が喪失したり過剰だったりで、こんなにも多様な症状が出ることに人間の身体の不安定さと同時に安定性も感じる。

    そして、本当の意味で「感覚」の違う人との相互理解は出来ないからこそ、理解しようとする姿勢と一方の「感覚」での評価の意味のなさがわかる。




    p. 91 私が診ていたある患者は、後頭葉への血管の塞栓のために、脳の視覚

    1
    2022年08月14日

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