作品一覧

  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力
    4.7
    1巻990円 (税込)
    現代アメリカ文学を牽引し,その構図を一変させた稀有の作家による,革新的な批評の書.ウィラ・キャザー『サファイラと奴隷娘』,ポー,トウェイン,ヘミングウェイらの作品を通じて,アメリカ文学史の根底に「白人男性を中心とした思考」があることを明るみに出し,構造を鮮やかに分析すると共に,その限界を指摘する.

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  • タール・ベイビー
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    白人の庇護のもと育った娘と、黒人に囲まれて育った青年。カリブ海の島で出会った黒人男女の激しい恋のゆくえ──。名作を文庫化
  • スーラ
    4.2
    1巻792円 (税込)
    ボトム(どん底)と呼ばれる丘の上で育った黒人の少女、奔放なスーラと大人しいネル。正反対の性格を持つゆえに、少女たちは固い友情で結ばれた。二人で犯した許されざる罪でさえ、隠し続けられるほどの絆。だが時が経ち、ネルの結婚式の日を迎えると、なぜかスーラは町を去ってしまう。十年後に二人は再会を果たすものの、その友情は……。黒人社会の光と影を、女性たちの成長とともに描く、ノーベル賞作家初期の傑作。
  • ジャズ
    5.0
    1巻946円 (税込)
    1920年代の冬のある日、男が若い娘を撃ち殺した。娘は男の愛人だった。男の妻ヴァイオレットは娘を激しく憎み、柩のなかの死者の顔に切りかかった。しかし、ヴァイオレットは次第に死んだ愛人のことを知りたいと思いはじめる……。 都会に暮らす男女のなかに生き続ける、時をさかのぼる憧憬と呪縛。過去、現在、未来を自由自在に往来しながら、饒舌な謎の語り手によって、事件の背景が明らかにされていく。ノーベル賞作家が卓越した筆致で描き出す衝撃作。
  • 青い眼がほしい
    4.2
    1巻1,144円 (税込)
    誰よりも青い眼にしてください、と黒人の少女ピコーラは祈った。そうしたら、みんなが私を愛してくれるかもしれないから……人間としての価値や美しさは白人の世界にのみ見出され、そこに属さない黒人は存在意義も認められていない。白人が定めた価値観を痛烈に問いただす、ノーベル賞作家の鮮烈なデビュー作。
  • パラダイス
    -
    1巻1,320円 (税込)
    どの土地からも拒絶された人々が絶望の果てに自らの手で作り上げた町、ルビー。理想郷ルビーを愛する住民たちは、固い絆で結ばれていた。しかし、長い時を経て、住人たちのあいだには次第に不安や怒りが生まれはじめた。そしてそれらは憎悪と化し、町外れの「修道院」と呼ばれる屋敷に住むはぐれものの女たちに向けられた――ある夜明け、武装した男たちが修道院を襲撃したのだ。 現代アメリカ文学の巨匠が描き上げた、創世と崩壊の神話。ノーベル賞受賞第一作の傑作長篇。
  • ビラヴド
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    元奴隷のセサとその娘は幽霊屋敷に暮らしていた。怒れる霊に長年蹂躙されてきたが、セサはそれが彼女の死んだ赤ん坊の復讐と信じ耐え続けた。やがて、知人が幽霊を追い払い、屋敷に平穏が訪れたかに見えた。しかし、謎の若い女「ビラヴド」の到来が、再び母娘を狂気の日々に追い込む。死んだ赤ん坊の墓碑銘と同じ名を名乗るこの女は、一体何者なのか?ノーベル賞受賞の契機となった著者の代表作。ピュリッツアー賞受賞。
  • ソロモンの歌
    3.9
    1巻1,694円 (税込)
    赤ん坊でなくなっても母の乳を飲んでいた黒人の少年は、ミルクマンとあだなされた。鳥のように空を飛ぶことは叶わぬと知っては絶望し、家族とさえ馴染めない内気な少年だった。しかし、親友ギターの導きで、叔母で密造酒の売人パイロットの家を訪れたとき、彼は自らの家族をめぐる奇怪な物語を知り、そのルーツに興味を持つようになる。オバマ大統領が人生最高の書に挙げる、ノーベル賞作家の出世作。全米批評家協会賞受賞。
  • ラヴ
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    貧しい生まれのヒードとホテル王の孫クリスティンは幼なじみ。ヒードがホテル王の妻となった時から、二人の運命は狂い出し、やがて遺産をめぐって争うが......ノーベル文学賞受賞作家の新たな傑作。
  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力

    Posted by ブクログ

    フォークナーの「アブサロム  アブサロム!」を読み、彼を敬愛し、習った作家群にいるトニ、モリスンを久しぶりに手に取りたくなった。

    そこで「ビラヴド」「青い眼が欲しい」を立て続けに・・たまたま 返却に行った際、返却棚にあったこれをチョイス。
    薄いと思った私を小ばかにされそうなほどの難解さ。
    読み下すのに呻吟・・まさにそういった大学の講義を聴いている感覚に浸った。

    皆さんが書いてあるように、解説で目から鱗。
    真っ暗悩みを手探りで歩いた後、フットライトを受け取り、周囲の景色が見渡せた想い。

    モリスンの聡明さは、思っていた以上で素晴らしい。
    100年経ても生き残る存在に挙げられると思える。
    無知

    0
    2024年03月06日
  • タール・ベイビー

    Posted by ブクログ

    女性ノーベル賞作家の四作目。
    白人の庇護を受けて育った娘と、黒人だけに囲まれて育った青年。男女の心の葛藤が良く表現されている恋物語…などという単純なものではなかったです。

    文化的に異なる環境で育ったが故に、娘は相手を辛辣な言葉で非難したり蔑んだりしてしまいます。相手にも育ってきた環境や世界観があるなかで、白人世界で育ってきた価値観を振りかざし、ただ自分に迎合させようとするのは、いかがなものかと考えてしまう。そういった相手を尊重しない文化的な軋轢を男女関係を使ってよく表していると思います。しかも、それを白人と黒人ではなく、黒人同士で描き切っているのですから。

    ただ、この小説は読書初心者や海外

    1
    2023年12月09日
  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力

    Posted by ブクログ

    タイトルから小説と思っていたが、評論であった。大学での授業をもとにして議論を進めたと書かれている。様々な小説、ヘミングウェーの小説の問題点も指摘している。アメリカ文学を卒論で扱うときには必須の本であろう。解説が1/4以上を占めているし、本文も140ページしかないので、解説から読むのもいいと思われる。

    0
    2023年10月19日
  • 青い眼がほしい

    Posted by ブクログ

    デビュー作?
    とんでもない作品だ。
    比べるべき作品は、『苦海浄土』しか思い浮かばない。

    差別を僕らはある決まった物語の尺度でしか見ていなかった。

    その奥底、本当の意味をトニ・モリスンの言葉、表現で初めて知る。しかし、それは序の口という印象だ。悲惨に底はない。

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    2023年08月22日
  • 青い眼がほしい

    Posted by ブクログ

    文章の素晴らしさに驚いた。「秘密にしていたけれど、1941年の秋、マリーゴールドはぜんぜん咲かなかった」「秘密にしていたけれど」の言葉の意味が持つ親密さ、打ち明け話、信用、このニュアンスが持つ子供の無垢さ。それが差別、暴力の助長につながる。そこをとてもうまく同居させている。

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    2023年05月18日

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