ヨハン・ロックストロームの作品一覧

こういう種類の本には、地球そのものの歴史から説き始めるものが多く、本書もその1冊ではあるが、いままで読んだものの中では一番簡潔でわかりやすかったように思う。グレタ・トゥーンベリが序文を描いているが、ずいぶんこなれてきたなあと思わせる文章だ。それはさておき、本書はためになるアース・ヒストリーではなくその奇跡ともいえる絶妙なバランスの中で進化（あるいはこの50年では退化？）してきた今日の地球をどうしたら存続していくことができるかを説いた本だ。しかしながら現実は、「もう時間がない！」と多くの本で言われている切羽詰まった状況が、一向に現実味を帯びてこないもどかしさがある。特に日本の危機感のなさは世界の...続きを読む中でも際立っている。