作品一覧

  • バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く

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    アメリカや日本式のエッセイでは、自分の支持する意見をまず最初に書き、その論拠を三つ示し、最後で自分の支持する立場を再度結論として提示する方法がとられている。
    しかしこれは、[正反合]の「反」と「合」が抜け落ち簡略化されたものにすぎない
    それに比べてバカロレア小論文の特徴は、反対意見の尊重。

    マルクスは「資本論」で、労働する人間が「外部の事物を自分の活動の器官として用い、その器官を自分自身の器官に付加することによって、自分自身の身体を拡張する」
    つまり、穴掘りや採集に道具が使われているなら、それは労働となる。

    カントにとっては、自然法則は決定論的な世界であり、道徳法則は自由意志を前提とする世

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    2023年10月18日
  • バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く

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    パリに留学して最初に書いた小論文で、私史上最低の評価を叩き出した原因も、この本にある「型」に則っていなかったことが原因でした。これ、あの頃知りたかったなあ。

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    2022年06月14日
  • バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く

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    フランスでは哲学が必修科目となっていることは周知のことだが、その目的やバカロレア試験でどんな問題が出題されているのかまで知る機会はなかなか無い。そういった意味では、哲学教育の目的からバカロレアでの出題形式、解答の仕方に至るまで細かく解説されており、とても興味深い内容だった。

    特にアメリカ式のエッセイや日本の小論文には見られないが、バカロレア試験の小論文では重視されている「反対意見の尊重」という視点が新しいと感じた。哲学教育を通して、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、それとは異なる情報も等しく扱い吟味する姿勢を持つ。これは様々な情報が錯綜する現代において必要なスキルであると感じた。

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    2023年11月21日
  • バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く

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     フランスでは高校の卒業試験で、バカロレア哲学試験というのがあるという。フランスの高校では、哲学を勉強するんだね。

     そういえば、前に内田樹の本でそういう話、読んだ。

     戦後、フランスでも高校で哲学を学ぶことの是非が検討された。

     高校で哲学やんなくていいんじゃない?って。

     そのとき、議論に一石を投じたのが内田氏が師と仰ぐ、エマニュエル・レヴィナス。

    「子どもにはミルクを与えるべきだ。ステーキを与えるべきではない」
    と、逆説的な発言をして、かえって哲学を学ぶことを促したとかいう話だ。この場合、もちろんステーキは哲学を表している。

     お前らに哲学はまだ早い、といわれたら、子どもの側

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    2023年01月21日
  • バカロレアの哲学 「思考の型」で自ら考え、書く

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    ネタバレ

    「市民」を育てるために哲学を必修させるというのは、とてもいい理念だと思う。(フランスの歴史や文化という文脈があるからこそ出来ている。)
    バカロレア試験の問いは「はい」「いいえ」で答えられる、クローズドクエスチョンが主流なようだ。本来哲学ではこういったクローズドクエスチョンは危険な問いであると、私は認識している。答えは「はい」か「いいえ」のどちらかであるというバイアスがかかってしまうからだ。
    本書で紹介する「思考の型」(バカロレア試験の解答方法)は、「はい」と「いいえ」両方の論拠を示した上で、答えなければならない。この、両方の論拠を示すということが非常に重要な鍵である。両方の立場に立つことで問題

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    2022年12月16日

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