モニク・トゥルンの作品一覧

「モニク・トゥルン」の「かくも甘き果実」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • かくも甘き果実
    3.5
    1巻2,640円 (税込)
    “ここではないどこか”を求めつづけ、最後には日本で「移民作家・小泉八雲」となった男ラフカディオ・ハーン。彼の人生に深く関わった3人の女性が、胸に秘めた長年の思いを語りだす。生みの母ローザ・アントニア・カシマチは、1854年、故郷への帰路の途中アイリッシュ海を渡る船上で、あとに残してきた我が子の未来を思いながら。最初の妻アリシア・フォーリーは、夫との別離を乗り越えたのち、1906年のシンシナティで、ジャーナリストの取材を受けながら。2番目の妻小泉セツは、永遠の別れのあと、1909年の東京で、亡き夫に呼びかけながら。ジョン・ドス・パソス賞受賞の注目作家が、女性たちの胸の内を繊細かつ鮮やかに描いた話題作。
  • かくも甘き果実

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    ラフカディオ・ハーンにかかわる3人の女性の物語。彼がまるで操っているかのように合間に見える。そして彼の別な一面を垣間見たと感じさせられる。この時代にこんな風に生きたことに驚いた。いつかハーンの伝記を読んでみたい。

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    2022年10月03日
  • かくも甘き果実

    Posted by ブクログ

    そうそう、読み終えて印象に残る、ハーンの不在。

    ラフカディオ・ハーンって小泉八雲だよね、日本の怪談を集めた人だよね、という程度の理解で読み出すと、いろいろ驚く。ギリシャで生まれアイルランド→アメリカ→日本へと渡ったラフカディオ・ハーンが、母、最初の妻、2番目の妻の3人の語りとジャーナリストの文章の引用を挟んで描かれる。それをベトナムで生まれアメリカに難民として移住した著者が、英語で書いている、という。。。

    幾つかの国と言語、女性たちの特殊な語り口、出雲地方の方言、と翻訳もかなりの労作だったに違いない。
    早くも、日本”翻訳”大賞の候補にあげたいくらい。

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    2022年06月29日
  • かくも甘き果実

    Posted by ブクログ

    小泉八雲を愛した3人の女性が、彼について語るフィクション小説。
    八雲についての語りであり、女性自身の境遇や内面の語りでもあり…どこか夢のような雰囲気が漂う文体。

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    2022年09月10日
  • かくも甘き果実

    Posted by ブクログ

    小泉八雲の母ローザ・アントニア・カシマチ、最初の妻アシリア・フォーリーについてかつて読む伝記の記載は控えめで、二人の生い立ちや八雲との関わり、そして別れについて初めて知る。フィクション小説というが、小泉セツの語りを含めて八雲の伝わる生涯が正確に描写されている。よって、語り手となる女性たちの生涯も事実に近く、彼女らの心理描写が著者の創作なのだろう。百数十年前、決して恵まれた境遇に育ったとは言えず、どこかしら影がある八雲だが、男女を問わず好意を寄せられる。繊細すぎて近寄りがたくも、どこか不思議な魅力を感じる。

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    2022年08月02日

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