作品一覧

  • カッコの多い手紙
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    1巻2,090円 (税込)
    《手紙には何度も(カッコ)を使いましたね》 ミュージシャンで、フェミニズムの同志。先行き不明のコロナ禍に交わされたイ・ランとスリークふたりの往復書簡。 猫と暮らすこと、妊娠する身体、憂鬱な心の話を分かち合い、ヴィーガニズムや反トランスジェンダー差別を語り合う。私的なことと社会的なこと、共感と対話のあいだを行き来しながら紡がれる優しくゆたかな言葉たちは、あたらしい距離を測りつづけている。 【目次】 こんなご時勢にお元気ですかと聞くのは失礼でしょうか? もうひとり、名前が2文字のスリークへ 猫と話すことができたなら ジュンイチが不快に思うのが“わたし”だったらどうしよう ジュンイチとランイへ “ヤバい、妊娠した?”って思うのは私ひとりじゃないみたいですね もしも私が妊娠したらどうするかパートナーに聞いてみました ランイみたいな物乞いの子がいるかと思って 廃墟が“夢の家”になるまで アーティスト“イ・ラン”が何かを作る過程 いい音楽って何なのか何を考えるの、ただ作るだけ♫ ある種の痛みは決して忘れられません ゆっくりと確実にくずおれつつあります タトゥーを入れて温泉に行きたいです タトゥーだらけの両腕で温泉に入る方法♨ 健康ではないジュンイチと私がともに生きていく姿を見守ってください 私は今日も勉強しに行きます この文章、次の文章を書けるだろうか オープンにして生きる、隠して生きる スリークとどんなふうに付き合えばいいのかまだ悩んでいます 胃薬そのもの リョンファへ 【著者】 スリーク 京畿道九里市生まれのミュージシャン。本名はキム・リョンファ。アルバムに『COLOSSUS』、『LIFE MINUS F IS LIE』があり、2022年にはシングル『있잖아(あのね)』を発表した。オムニバスや同僚ミュージシャンの作品への参加も多い。2020年にMnetで放送された音楽リアリティショー「グッド・ガール」に“地獄から来たフェミニストラッパー”として登場して話題を集めた。誰も傷つけない歌を作りたいという。元野良猫のットドゥギとインセンイと暮らしている。 イ・ラン ソウル生まれのアーティスト。イ・ランは本名。アルバムに『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』『オオカミが現れた』。『悲しくてかっこいい人』(2018、リトルモア)、『アヒル命名会議』(2020、河出書房新社)、『何卒よろしくお願いいたします』(2022、タバブックス)ほか、多くのエッセイ、小説、書簡集が日本語訳されている。音楽、文学、イラスト、映像などマルチに活躍している。元野良猫のジュンイチと暮らしている。 吉良佳奈江 静岡生まれの翻訳家・韓国語講師。翻訳にチョン・ミョングァン「退社」「たべるのがおそい」vol.7(2019、書肆侃侃房)、ソン・アラム『大邱の夜、ソウルの夜』(2022、ころから)、チャン・ガンミョン『きわめて私的な超能力』(2022、早川書房)など。家族と植物と暮らしている。
  • 蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記
    4.0
    1巻2,860円 (税込)
    蒸気機関が導入され発達した、もうひとつの李氏朝鮮王朝。ある時は謎の旅人、またある時は王の側近と、歴史の要所で暗躍した蒸気駆動の男=汽機人〈都老〉の彷徨を描くスチームパンクアンソロジー!
  • 極めて私的な超能力
    3.4
    1巻2,420円 (税込)
    自分には予知能力がある、あなたは私とは二度と会えない。元カノはそう言った――ふとした日常に不思議が射し込む表題作、カップルの関係持続性を予測するアルゴリズムに翻弄される男女を描いた「データの時代の愛」など10篇を収録した鮮烈なる韓国SF作品集
  • 大邱の夜、ソウルの夜
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    ソウルで奔放に育ったはずのホンヨン。家父長制が根強く残る大邱(テグ)からの脱出を試みるコンジュ。ふたりの女の乾いた涙の跡にうつしだされる「友情」の物語。 人気漫画家ソン・アラムの代表作を『韓国が嫌いで』の訳者、吉良佳奈江が全訳。 東京・下北沢でグラフィックノベル専門書店「BSEアーカイブ」を主宰する町山広美のコラムを収録。

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  • 大邱の夜、ソウルの夜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大邱の夜。ソウルで若い時を共にした親友ふたり、

    懐かしく思い出すあの時が、実は漠然と不安だったことを今は知ってるから。
    私たちがあれほど飽きるほど未来について話していたのは、怖かったからだと、うまく通り過ぎてきたとコンジュに話してあげたい。

    先に結婚し先に出産し子どもは可愛いけど夫婦仲、結婚生活はつまらないもので仕事と家事と育児に追われそれでもブチ切れたリ離婚まではいかない、まあこんなもんかと日々に追われて過ごし、後から、同じような人生が親友にもやってくる。
    私も自分のことのようにわかると思った。
    何もなしえてないし夢も叶ってないけど、うまくとおりすぎてきたんじゃないか、と。

    ソウルの夜

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    2023年09月06日
  • 極めて私的な超能力

    Posted by ブクログ

    エンタメとして面白い。通勤通学のお供にいいSF短篇集。ただ、男性に都合の良いストーリーなのにはげんなりする。

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    2022年06月27日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

    Posted by ブクログ

    気づく事にすら気づけてない人もいるだろうし
    気づいているが絡めとられて身動き取れない人や
    気づき行動したからこそできる共感する人等々
    たくさんの人に刺さる素晴らしい作品

    読んで、買って、良かった。

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    2022年06月05日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

    Posted by ブクログ

    "自分の部屋が必要です。自分の文章が書きたいです。"(p.95)

    "この不安がいつまで続くのかわからないが、ただ生きていく。
    小さな不幸と幸福を迎えながら……。"(p.66)

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    2022年02月20日
  • 蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    韓国で活躍するSF作家が飲み会で集まった時に盛り上がったネタをもとに製作されたのが本作『蒸気駆動の男: 朝鮮王朝スチームパンク年代記』だ。タイトルにある通り、”もし韓国の歴史に蒸気で動く人間がいたら?”という歴史ifモノで全部で5人のSF作家が参加している。形としてはアンソロジーに近い者だが、共通の設定や歴史年表を最初に設定してから各作家が書き進んでいったらしく、全体としては統一した世界観のもとで話が折り重なっていく。

    本作はタイトルに「スチームパンク」という文字が入っていることから自分が想像したように、”蒸気によって文明が支えられていた架空の韓国”を舞台にしているわけではなかった。確かに全

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    2024年05月01日

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