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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ災厄な災禍とも言える状態の中で、この作品に出合うことが出来たのは幸運だったと思います。
インフルエンザに似た症状を起こし、わずか28時間という短い時間で男性を死に至らしめる疫病。
潜伏期間も短く、死亡に至ってはあっという間。
ワクチンの開発は厳しく、平凡で幸せな家族が夫を、男の子である我が子の死を見つめるしかない。
世界は一変し、男性の仕事を女性が行い、食料も減ったために配給制度に変わっていく。
そんな物語の中心にいるのは、人類学者のキャサリン・ローレンス。彼女は夫と息子を亡くすことになる。
そして、のちに0号感染者と呼ばれるユアン・フレイザーを診断し、看取った救急外来 -
Posted by ブクログ
「時代に追いつかれたパンデミック小説」解説でも言われている通りストーリーとしてはまさにこれ。
男だけが感染し、感染・発症すれば致死率ほぼ100%で、しかも感染率も異常に高く世界中のすべての男性が感染するという世界。
covid-19を目の当たりにして、致死率と感染率の関係や、人類の知恵が ー局所的に見れば決断できない政治や事実を理解できないメディアがあったとしてもー 全体としてはどんなフィクションよりも遥かに良心的であることを知る現代には、パンデミックの描写はすでに古臭いと感じることも多々ある。
しかし、パンデミックを舞台装置としてそこに生きる女性を描いたこの小説は、それぞれの立場で絶望し、そ