作品一覧

  • 我が友、スミス
    NEW
    4.5
    1巻528円 (税込)
    「別の生き物になりたい」――筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。しかし、大会で結果を残すためには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった…。鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていくが、職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられる。モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日。彼女が決勝の舞台で取った行動とは? 世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作!
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    3.9
    これが当たり前になった時代で、あなたならどう生きる? 信者に人生を壊されたVtuber、バズって神格化された女子高生、呪いのアプリの謎に迫る調査員、未だに動く亡き夫のアカウント。それぞれの物語に隠された、生きていくための秘密と嘘。ベストセラー『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフも収録した、新進気鋭の最注目作家7名による“今”を切り取るアンソロジー。
  • 我が手の太陽
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    第169回芥川賞候補作。 鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロスポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習では取り戻すことはできない。現場仕事をこなしたい、そんな思いに駆られ、伊東は……。 “「人の上に立つ」ことにまるで関心がった。 自分の手を実際に動かさないのなら、それは仕事ではなかった。” ”お前が一番、火を舐めてるんだよ” ”お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。 お前自身が、誰より馬鹿にしているというのに” 腕利きの溶接工が陥った突然のスランプ。 いま文学界が最も注目する才能が放つ異色の職人小説。
  • 黄金比の縁
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    「会社の不利益になる人間を採る」 不当辞令に憤る人事部採用チームの小野は、会社への密かな復讐を始める――。 (株)Kエンジニアリングの人事部で働く小野は、不当辞令への恨みから、会社の不利益になる人間の採用を心に誓う。彼女が導き出した選考方法は、顔の縦と横の黄金比を満たす者を選ぶというものだった。自身が辿り着いた評価軸をもとに業務に邁進していくが、黄金比の「縁」が手繰り寄せたのは、会社の思わぬ真実だった……。 ボディ・ビルを描いた『我が友、スミス』で鮮烈なデビューを果たした著者が、本作では「就活」に隠された人間の本音を鋭く描く!
  • ケチる貴方
    3.8
    1巻1,562円 (税込)
    「冷え性」と「脂肪吸引」。いま文学界が最も注目する才能が放つ身体性に根差した問題作! 主人公の不機嫌さは極端な冷え性ゆえで、よく読むと類型的な「不満持ち」ではない。気まぐれな「親切」が身体に激変をもたらす一夜を経て、劇的な面白さをもたらした。(「ケチる貴方」野間文芸新人賞選評より)――長嶋有 私は寒いとき必死だ。こんなにも必死なのに、何故この身体は頑なに熱を生産しないのだろう。 骨と皮ならまだしもお前はエネルギーの塊じゃないか。私の代謝機能よ。この身体を温める薪ならここに山のようにあるよ。 頼むからケチらず使ってくれないか。(「ケチる貴方」より) 第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と 第38回大阪女性文芸賞受賞作を豪華同時収録。 私の脚は、生来、人並外れて太かった。その程度を定量的に示そう。その周囲、五十八センチ。 (中略)私は自分より脚の太い人を、ついぞ目にしたことがなかった。(「その周囲、五十八センチ」より) 自己肯定と自己否定の相矛盾する狭間の中で生きる人の心を描いて大成功している。 (「その周囲、五十八センチ」大阪女性文芸賞選評より)――町田康
  • 我が手の太陽

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    ネタバレ

    溶接工の技術や知識は皆無でしかも終始職人技の話と主人公のプライドと慢心などの心の葛藤で進んでいくがどうして今まで出来ていた事がある日突然に出来なくなったのか、しかも溶接工から外されてからの他人を見下すような態度を取るようになったのか先に先にと読まずにはいられなくなってしまい中断せず、中断できずに読み終わる。
    読書熱が無くなったと嘆いていたのがウソのような食いつきにびっくり。

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    2024年05月19日
  • 我が友、スミス

    Posted by ブクログ

    身体を鍛えた先には何が見えるのか?ボディビルを経験した者でしか味わえない境地が、想像とは違う目線で描かれています。
    また、作者はボディビル経験者なのか?と思うほど、表現が緻密でかつ、文章がとにかく面白いです。

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    2024年05月02日
  • ケチる貴方

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    石田夏穂初読。
    率直に言って、とても好みな作家だった。21年に『我が友、スミス』で芥川賞候補になっていた人だと、後で知る。

    『ケチな貴方』は極度の冷え性、『その周囲、五十八センチ』は人並み外れて太い脚、それぞれ身体的な悩みを抱えた女性が主人公だ。

    彼女たちは弱音を吐かない。
    そして彼女たちは頑張り屋だ。
    家族や恋人や職場の人間に、自分の弱さを見せない。ただひたすら、自分の身体とストイックに向き合い、弱さを克服するためのミッションに粛々と取り組む。
    時には、ままならない身体に「折檻」することで、「復讐を果たしたかのような満足を覚える。」p100

    作者は工学部出身と知って納得だが、主人公の職

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    2024年03月10日
  • 黄金比の縁

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    初の石田さん作品。池袋ジュンク堂のポップスに惹かれ購入。

    とりあえず、視点が面白すぎる。「会社の不利益のために黄金比を採用する」、やってることは正しい(仕事ができやすい人柄を採用する)のに全く会社に貢献していない反骨精神。

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    2024年03月04日
  • ケチる貴方

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    ちょっとした事で、相手の反応が変わる。愛想いい人、美しい人はやっぱりみんなに受け入れられる。そうだから、嫌でもハイと言ったりしちゃうし、高い化粧品買ったりしちゃうのよね。もうそろそろやめたいけどやめられない。

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    2024年01月03日

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