作品一覧

  • 責任と判断
    4.3
    1巻1,650円 (税込)
    「歯車理論」や「小物理論」の虚偽を突き、第三帝国下の殺戮における個人の責任を問う「独裁体制のもとでの個人の責任」、アウシュヴィッツ後の倫理を検討し、その道徳論を詳らかにする講義録「道徳のいくつかの問題」など、ハンナ・アレント後期の未刊行論文集。ユダヤ人である自らの体験を通して全体主義を分析し、20世紀の道徳思想の伝統がいかに破壊されたかをたどる。一方、人間の責任の意味と判断の能力について考察し、考える能力の喪失により生まれる“凡庸な悪”を明らかにする。判断の基準が失われた現代こそ、アレントを読むときだ。
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢
    4.1
    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 約100ページで教養をイッキ読み! 現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!! 1:それは、どんな思想なのか(概論) 2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景) 3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用) テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、 「一気に読める教養新書」です! ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 全体主義に警鐘を鳴らし続けたハンナ・アレント。 人々を分断し、生活基盤を破壊し尽くす「全体主義」。 ごく普通の人間が巻き込まれていく、その恐怖を訴え続けたアレント。 格差が拡大し、民族・人種間の対立が再燃し、 テクノロジーが大きく進化を遂げる今日の世界、 形を変えたディストピアが、再び現れる危険性はあるのか――。 全体主義のリスクから逃れるために、人間には何ができるのか。 スリリングな論考です。 本書の主な内容 ●反ユダヤ主義から始まった民族の殲滅 ●「普通の人々」こそが巻き込まれる恐ろしさ ●国民国家の解体と階級・階層集団の消失 ●互いに無関係・無関心な人間の集合=「大衆」の誕生 ●事実よりもイデオロギーがまかり通る世界 ●「潜在的な敵」の摘発と「慈悲による死」 ●政治の世界で跋扈する隠蔽と虚構 ●全体主義に対抗できる二つの主体 ●「共通の世界」を守り抜く 全体主義をもたらしたさまざまの要因は今日においても存在し続けている。グローバリゼーションの名の下で進められているモノ、カネ、人の国境を越えた移動や交流は、経済的な格差の拡大やそれにともなう民族、人種間の対立を生み出しつつある。経済発展と手を携えて進行する科学技術・テクノロジーの進展は、それまでの人間の生活のあり方を変容させつつある。そうした状況の中で「全体主義」が形を変えて再び登場する危険はむしろ拡大している(本書より)
  • 人間の条件
    4.4
    1巻1,430円 (税込)
    条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

    匿名

    購入済み

    よい

    100P足らずで、入門できるので初学者にオススメです。しっかりした文章で読み応えもあります。
    この本を足掛かりにアーレントの思想を学びたい人にお勧め

    0
    2024年03月08日
  • 人間の条件

    Posted by ブクログ

    アーレントの軽快な文章構成のおかげでスラスラ読み進められるが、一つの言葉に対して特有の意味をもたせる彼女のスタイルに慣れるまでが大変。

    本著で考察される労働、仕事、活動という三つの題目が西洋の歴史のなかで、どのようにして各時代を渡ってきたのか、その経緯をアーレントは入念に考察する。
    古代ギリシャを筆頭に言語の起源を辿ることで、その「言葉」そのものの語源、根本に立ち返りながら、意味の変遷過程を見据え、現代性を再考し、今一度冷静に捉え直す。
    プラトンやソクラテスによってテオリアが活動の上位に置かれ、それ以降の西洋史を大きく支配することに至るが、近代において生産消費の活動そのものがその上位の位置を

    0
    2024年02月10日
  • 責任と判断

    Posted by ブクログ

    “凡庸な悪”とは何か、アイヒマンが法廷に立ったあの時と、アウシュビッツにいたあの時とはどう違うのか。
    政治、道徳というテーマを、古代ギリシャからカントやマキャベリ、ニーチェ等の思想も踏まえながら、組織に生きる我々はどのように生き、そして「無批判に行動すること」の危険性を示唆する内容となっている。
    研究が進み、アイヒマンの行動それ自体にも本書(本講演?)登場時よりも明らかになった部分も増えていると聞く、そのため究極は最新の学説も踏まえて解釈する必要はあるが、思考することの必要性、戦後世界における道徳と政治の関係性および危険性に触れることができる一冊。

    0
    2024年01月28日
  • 人間の条件

    Posted by ブクログ

    私的領域よりも公的領域に、そして労働や仕事よりも活動に、人間としての善き生を思い描くアーレントの議論は、ポリス的な生き方(公的領域で人々が交わる)を理想化しすぎでは?という不満はある。

    でも、読むといろんな疑問がわいてきて、つまりそれだけいろんな閃きの可能性に満ちていて、興奮ずくめの読書だった。とくに活動についての第5章は、§24の誕生と始まり、§33の許し、§34の約束など、人間への希望を感じさせる発想がたくさんあって感動した。

    むずかしくて分からない箇所も多かったけど、何度も読み返して食らいつきたい。

    【疑問リスト】

    Q. 公的領域における「現れ」だけがリアリティのすべてなの?

    0
    2023年09月08日
  • 人間の条件

    Posted by ブクログ

    買ってから2年くらい熟成させてから、一気に読んだ(読めた)。久しぶりに読み応えがある本だった。

    アレントは労働の意味が大きく変わった現代における人間の条件や自由のあり方について論考しているわけだが、このまま2020年代も当てはまる話であるなあと感じた。

    0
    2023年05月27日

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