森山工の作品一覧

「森山工」の「贈与論 他二篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 贈与論 他二篇
    3.8
    贈与や交換は、社会の中でどのような意味を担っているのか? モース(1872-1950)は、ポリネシア、メラネシア、北米から古代ローマ、ヒンドゥー等の古今東西の贈与体系を比較し、すべてを贈与し蕩尽する「ポトラッチ」など、その全体的社会的性格に迫る。「トラキア人における古代的な契約形態」「ギフト、ギフト」の二篇と、詳しい注を付す。

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  • 贈与論 他二篇

    Posted by ブクログ

    贈与は資本経済とは違う軸で動く、という新たな視点、そして贈与に係る様々な「なにか」を強く感じられ、とてもよかった。現代でも贈与が残る理由がよくわかり、そして自分たちがとるべき行動や今何も考えずとっている行動について再考する良いきっかけになった。

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    2022年10月31日
  • 贈与論 他二篇

    Posted by ブクログ

    お金にならない価値の「価値」を言語化したくて読んだ。
    読後の結論は、

    お金にならない価値の「価値」は、人と人との繋がりを生む、という価値である。金銭での等価交換は、一回きりであり、繋がりや関係性を関係性を生むことはない。

    という点に収まった。納得。

    ***
    贈与と返礼は、人間社会の特徴の一つ。

    人間は、贈与を受けると、お返ししなければ、という気持ちになる。(なぜそうなるのか本書では明かされていないが、人間の特性として備わっているようである。)そして、この贈与とお返しは、お返しに対するお返し、そしてさらにそのお返しに対するお返し、というように、やりとりに連続性が生まれ、贈与者と被贈与者を

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    2021年07月11日
  • 贈与論 他二篇

    Posted by ブクログ

    「贈与」
    贈る義務、受け取る義務、返還する義務が存在する。

    はるか昔から、人間社会の基底に存在してきた贈与というシステム。
    そのシステムは様々な社会関係を安定化させ、発展することに寄与してきた。
    確かに、資本主義というシステムが世界中を席巻する現代においても、システムとしての「贈与」は存在しているように思う。
    しかし、その存在の仕方は、現代社会のシステム全体においてはあくまで細い支流の1つ程度のもので、贈与というシステム単体で、資本主義そのものを脅かすほどの存在ではないだろう。

    ただし、近年は、産業化の過剰がもたらす環境問題やグローバル化による市場のカオス化、格差拡大など既存の資本主義シス

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    2023年10月26日
  • 贈与論 他二篇

    Posted by ブクログ

    何もかもが独立、分裂している今日の西洋的な社会とは対称的に、このような何もかもがつながり、循環している社会もあるのだ知ることができたのが、この本を読んでのなによりの収穫だった。
    この社会に住む人々にとって、幸福とは富を限りなく増やしていくことではなく、増やし蓄えた富を皆と分かち合ったその先にあるものなのだ。みんなが自分の一部を誰かに分け与えあい、モノ、ヒト、さらに霊や魂、神までひっくるめて文字通り大きな輪になっているのには感動すら覚えた。

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    2021年09月12日
  • 贈与論 他二篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前半は贈与が歴史的にどうのように変遷をしてきたかをまとめてくれている。
    贈与が人類にどのような影響や意味があるのかを第4章の結論でまとめてくれている。
    忙しい方は第4章のみを読めば良いと思う。それでもこの本の価値は、極めて高いと思う。

    贈与=契約▶贈与=交換、義務、かけ、礼を礼で返すもの
    贈与は他者を支配する志向のもとにある≒相手を自分の意のままに操る
    社会システム(政治・経済)=お互いに贈与をしあっている社会形態
    有機的連帯(統一性と統合性が備わっている)=社会の発展に与え、受け取り、お返しをする。
    幸せ、平和を定立させるために、労働として適切に秩序づけられたものがある。富として蓄積され、

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    2020年03月23日

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