作品一覧

  • 流浪蒼穹
    4.0
    1巻3,190円 (税込)
    地球とコロニーである火星のあいだで戦争が起き、終結した。友好のため、火星の少年少女は使節として地球に送られるが、かれらは地球と火星のどちらにもアイデンティティを見いだせず……。「折りたたみ北京」でヒューゴー賞を受賞した著者の美しきSFドラマ
  • 人之彼岸【ひとのひがん】
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    破壊された村にやってきた主人公とその管理下のロボット「雪怪」が小型機械車と出会った顛末を描く「戦車の中」ほか、AIをめぐる物語6篇と2篇のエッセイを収録。劉慈欣『三体』に続き、中国にヒューゴー賞をもたらした「折りたたみ北京」著者による短篇集
  • 1984年に生まれて
    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    ヒューゴー賞受賞作「折りたたみ北京」の郝景芳が描く〈中国×1984年〉。 一九八四年、春。天津市の工場でエンジニアとして働く沈智は、半年後に第一子の誕生を控えていた。ある日、友人の王老西から起業の計画を持ちかけられ、一度は断るが、自分が間もなく三十歳になること、毎日同じことを繰り返す日々を過ごしていることにふと気がつき愕然とする―― 二〇〇六年、春。〈私〉は父・沈智の暮らすプラハに来ていた。大学卒業を控え、十年以上会っていなかった父に留学の相談をしに来たのであった。父は優しく背を押すが、結局〈私〉は覚悟を固められない。友人たちが目標に向かって邁進していくなか、〈私〉は留学申請に失敗、祖父のコネで地元の統計局に職を得る。ところが、毎日同じことを繰り返す日々を過ごすうち、鬱を発症してしまう…… 時代の大転換に翻弄され、ついには家族を置いて国を出る決断をした父・沈智。現代中国で自分の生き方を見失う〈私〉。選択しなかったもう一つの人生への憧憬。二つの時代の中国で、人生の分岐をさまよい続けた父娘の物語が描く円環の先に、衝撃の結末を迎える!
  • 流浪蒼穹

    Posted by ブクログ

    「宝をめぐって闘うことは、宝そのものより重要だ」
    地球へ向かう輸送艦、老いた艦長から老いた火星総督への伝言、物語はここから始まる。

    舞台である「火星と地球」は、火星独立時の事情から、「統制管理と経済支配」という社会構造の相違から、再び戦火を交える直前にあった。その様子は、まるで現代の「社会主義と資本主義」を比喩しているよう。

    人の幸せとは何か
    自由と保護は相反するのか

    そしてこの大きなテーマは、主人公達の葛藤という内面でのテーマとも通じている。

    「自由とはなにか」主人公ロレインたちの迷い……。
    自由、それは束縛からの離脱、独立。離脱したのちにあるものは、自らが作る新たな束縛?

    レイニ

    0
    2024年04月25日
  • 1984年に生まれて

    Posted by ブクログ

    自意識について、極めて生真面目に、というか、恐ろしく誠実かつ明晰に考え、それがこの上なく率直に語られている。小説としては、構成がかっちりし過ぎているのかもしれないが、自我と世界について、こんなにうまく語られたのを見たことはない。また、改革開放から現在に至るまでの中国の社会状況を知る上でも有用。ちなみに、「訳者あとがき」はネタバレなところがあるので、後から読んだ方がよい。

    0
    2022年03月06日
  • 1984年に生まれて

    Posted by ブクログ

     表紙と装丁に惹かれて本屋さんで偶然手に取ったのだけれど、とんでもなく素晴らしい小説に出会えました。一日一章ずつ、ゆっくり味わって読みましたが、じんわりくるというか、奥行きがあるというか、重層性があるというか、そういう感じが自然に滲んでるお話で、もう虜です。こんなにloveと思ってしまえる文芸書は今年初めて。しかも偶然見つけるという出会い。
     中国文学を読むのは多分初めてでしたが(高校の時の漢文以来?)、今後、アンテナ広げて色々読んでみたくなりました。

    0
    2021年09月08日
  • 人之彼岸【ひとのひがん】

    Posted by ブクログ

    「できますよ、できますとも」

    現代のアシモフ。正直、これほどのハイレベルな知見をこの値段で読んでしまっていいのかとすら思う。

    0
    2021年06月19日
  • 1984年に生まれて

    Posted by ブクログ

    「折りたたみ北京」を以前に読んで素晴らしかったので、本書を手に取りましたが良い意味で内容は裏切られました。これはSFの殻を被っていますが、各人物の心理描写と細部まで作り込まれ匂いがしそうな情景描写に圧倒されました。特にメンタルで病んでその後復活したような経験をお持ちの方なら、多く首肯されるのではないでしょうか。90年代に仕事で半年強中国に住んでいましたので、その時の記憶と重ね合わせて、ことごとく「そうだよなぁ」と心で頷きました。私にとっては最高レベルでココロに刺さった作品となりました。この本に出会えて良かったです。

    0
    2021年05月22日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!