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作品一覧
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5.0歴史小説家たちが紡ぐ時代の違う5つの物語が、あるひとつの「怪異」で繋がる。 読後に訪れるこの震えは、恐怖か、驚愕か――? 異端にして傑作の歴史小説集、ここに誕生。 5つの「畏怖」が、この国の歴史を塗り替える 矢野 隆 有我 ――鎌倉時代、壱岐。元寇に抗う男に訪れたある異常。 天野純希 死霊の山 ――室町時代、近江比叡山。霊峰に現れた狐憑きの正体は。 西條奈加 土筆の指 ――江戸時代初期 中部地方。墓の土饅頭から土筆が生え……。 蝉谷めぐ実 肉当て京伝 ――江戸時代後期、江戸市中。山東京伝の妻は、自らを「人魚」だという。 澤田瞳子 ねむり猫 ――江戸時代末期、大奥。城内に現れる不可思議な病。
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4.0「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」 ときは文政、ところは江戸。 心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。 舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。 演目は「仮名手本忠臣蔵」。死人が出るのはこれで二人目。 真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――。 『化け者心中』『おんなの女房』で話題をさらった新鋭が放つ、極上上吉のエンタメ時代小説!
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3.8大人気シリーズ「陰陽師」のアンソロジー。 夢枕獏による「陰陽師」短編2本と、「オール讀物」の「陰陽師」特集に掲載された新進気鋭の作家4名による短編を収録しています。舞台は平安時代にとどまらず、室町時代・戦国時代の陰陽師まで登場。時と場所が変わっても色褪せない、「陰陽師」の魅力が詰まった一冊です。(解説・細谷正充) 収録作品 ・露子姫が見つけた不思議な烏毛虫は、食べれば食べるほど大きくなり…(夢枕獏「むしめづる姫」) ・信子姫に仕える、耳のいい女房。彼女は右耳には虫が棲んでいて…(蝉谷めぐ実「耳穴の虫」) ・鳥辺野で騒ぎを起こす少年は、博雅の腕を欲していた。その理由は?(谷津矢車「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」) ・足利義教の時代。法師陰陽師の兄弟が、蘆屋道満の式神に出会う(上田早夕里「井戸と、一つ火」) ・戦国大名・細川幽斎とキリシタン陰陽師が、「連歌」をもって妖に挑む(武川佑「遠輪廻」) ・晴明たちが出会った不思議な少年は、唐の国からやってきた「??(なた)」だった(夢枕獏「??(なた)太子」)
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
面白かった。その一言に尽きる。1作目が手元になく二作目からとなったたため、最初は話の流れやキャラクターが掴めなかった。また歌舞伎について全く知識がなかったため、最初は途中でやめてしまうだろと思っていたが関係性や世界観が掴めてくると話の面白さに目が離せなかった。
キャラクターも私の好みを捉えており、主役同士の関係性や掛け合いが大変心地よい。
作者さんは夢枕獏作 陰陽師 を読んでいるようで、こちらの作品が好きな方には大変ハマるであろう。
世界観については、江戸時代が、舞台でありさらに歌舞伎の世界で行われるミステリー件人情ものである。江戸の雰囲気も身近に感じられ、人情もののしんみりした感じが好き -
購入済み
藤九郎と魚之助のコンビが帰ってきました。
今回の事件は何かの見立てと思しき変死体が舞台に現れるというもので、化け物心中のときよりも親しくなった二人が事件を解決します。
親しくなるにつれて心情の変化に戸惑う二人の姿と、好きなもののために命をぞんざいに扱う人々が印象的でした。
魚之助が舞台に戻り藤九郎と離れる未来を想像すると嬉しさ半分、少し寂しくなります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『化け者心中』の続編。
江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。
好きだわ、この世界観が。
藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
寝言が男か女か、という件は 非常によかったです。
元遊女の人虎、という正体はなんとなくわかった。
殺されちゃった新吾くんとか、男の姿の魚之助の救出劇とか、随所に見所があり、話もテンポよく進んで面白かったー。
好きなシリーズだ。
前回の『化け物心中』を読み直したくなった。