作品一覧

  • 壊れた世界で彼は
    3.2
    1巻1,100円 (税込)
    ニュージーランドの小さな町で人質事件が発生。未明、夫婦と娘ふたりがいる民家に、銃を持った男たちが立てこもったという知らせを受けて、刑事ニックは現場に急行する。警官に囲まれた家から大音量で音楽が流れ、銃声がしたのをきっかけに、狙撃班が銃弾を浴びせたところ、今度は大爆発が! 機動隊が妻と娘たちを救出。爆発跡から地元のギャング5人の死体が見つかるが、夫の姿はない。警察は、生き残った犯人グループのひとりが夫を連れて逃亡したと考え、大規模な捜索を開始するが……。『死んだレモン』の著者が贈る意外性抜群の衝撃作!/解説=村上貴史
  • 死んだレモン
    3.7
    1巻1,300円 (税込)
    酒を飲んで運転し、自損事故で下半身の自由を失ったフィンは、心機一転、ニュージーランド最南端の町へ引っ越す。住居は人里離れたコテージで、26年前にその家に住んでいた少女が失踪していた。彼女が消えてから6週間後、不気味な三兄弟が住む隣のゾイル家の土地から、骨の一部が発見された。住人は逮捕されたが結局未解決となっていた。ゾイル家の関わりは明らかなのに証拠がない場合、どうすれば? 事件を詳しく調べ始めるフィン。だが5か月後、彼は三兄弟に命を狙われ……。最後の最後まで読者を翻弄するナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作。/解説=吉野仁
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルからは全くなんの小説か想像もつかず。読んでみてびっくり、これはオモロい!

    いわゆる勝ち組な人生の成功を得つつも、心に空虚さを覚え、ウツ的に空虚になった挙句、妻に逃げられ、交通事故で下肢を麻痺する大けがを負った主人公。

    彼の人生を取り返す再生の物語と、ニュージーランド最南端の小さな町リヴァトンに隠された秘密を暴く物語、さらにはそこにどんでん返しのミステリーまで伴い、やや詰め込みすぎかとも思いきや、最後見事な着地を決める巧みさ。

    小説の構成も見事で、現在パートと過去パートを交互に織りなすパターンは良くあるが、マンネリ臭は一切なく、王道のパターンの利点を存分に生かして楽しませてくれる。

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    2022年07月31日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下は海、崖の途中で宙吊りって、『その女アレックス』の宙吊りの檻とどっちが恐ろしいやろかと震える。そんな絶体絶命の状況から始まります。

    町の中心から外れた最果ての地で、明らかに怪しい三人兄弟の隣家に住むことになった主人公は車椅子、バツ1、元アル中。ひたすら暗いサスペンス劇になりそうなところ、彼の周囲に集まるのがユーモアに溢れた善人ばかりで救われます。

    謎解きではなくて三人兄弟が罪を犯した理由を追求する物語だと思ったら、あらら、やっぱりそれだけじゃなかったのか。自費出版の翻訳とは驚き。ついでに、双子の出生率はベナンが世界でトップクラスという豆知識も(笑)。

    映像化するとしたら、ちょっと年齢が

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    2021年05月09日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    冒頭で、車椅子に固定されたまま、崖に逆さ吊りという絶体絶命のピンチに立たされた主人公フィン。さらにピンチに襲われる現在パートと、殺人の疑いのある隣人、ゾイル兄弟からと思われる不気味な数々の事件の謎を追う過去パートが交互に提示される。まぁゾイル兄弟の不気味なこと!こんな隣人だと引っ越すしかないでしょ!てくらい不気味だった。からこその面白さ。たくさん大怪我は負ったものの、よく生きてたね。不死身か。アル中、離婚、事故による半身不随と苦悩続きのフィンが、町人との交流、ある女性との恋と、生まれ変わっていく再生の物語でもある所が良かった。

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    2020年12月08日
  • 死んだレモン

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     七月の目玉となった作品。個性がいくつもある。一つにはニュージーランド発ミステリー。作者は、法心理学者としての本業の傍ら、小説は電子書籍でしか契約しないという欲のない姿勢を貫いているが、この通り、内容が素晴らしいため、作者の意に反して紙のメディアでも世界中に翻訳され、売れっ子となりつつある。

     ページを開いた途端、絶体絶命の窮地にある主人公の現在が描写される。いきなりの海岸の崖に車いすごと足が岩に引っかかって宙ぶらりん。ぼくはこの作品の前に、クレア・マッキントッシュの『その手を離すのは、私』という本を読んでいて、その最終シーンが海辺の崖の上での意味深なシーンだった。まるでその続きみたいに始ま

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    2020年08月23日
  • 死んだレモン

    Posted by ブクログ

    車椅子生活の主人公の、ニュージーランドの南端での緊迫したシーンから物語がスタートする。
    筆者はカウンセリング専門職が前職ということで、犯罪者の言動や行動に反映されている内面が細やかに描写されていて、怖かった。
    地名や人物名に慣れず読むのが大変だったが、サスペンスとしての出来も高く暇なシーンはない。
    それでいて、終盤の終盤にどんでん返しもある。
    また、自分に絶望していたり、この先どうしていいかわからない、そんな状態の時に読むと、希望が見えるような一面も持ち合わせている作品でもありました。
    学びとは苦痛であるという言葉は、しっくりきました。

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    2023年08月20日

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